図書館をつくる

OCLC News 26号

2018.06.04

OCLC News 第26
商品情報をはじめ、OCLCに関する様々な情報をご案内致します。

―OCLCのリーダーたちが知見や経験を共有するブログ Nextより―
共同管理プロジェクトの驚異的な進歩

リック・ラグ(Rick Lugg)、Sustainable Collection Services 上席役員

私が最初に「選択的除籍システム」を構想したのは、今から遡ること10年以上前、2008年の2月でした。その時私は、「図書館が賢く効率的に不要な紙書籍を除籍することを支援する自動意思決定ツール」を思い描いており、「未来の研究者たちが学術的・文化的遺産にアクセスできなくならないよう、除籍は慎重に行われなければならない」と気付いていました。

もし誰かが当時の私に、わずか10年の間に4,000万点ものモノグラフが共同管理プログラムのもとで長期保存の対象になったと教えてくれたとしても、私は信じなかったでしょう。
共同管理プログラムがこんなにも早く発展するとは、誰も予想できませんでした。

短期間に、こんなにも発展した共同管理プログラム

このアイディアを追及するため、同僚のルース・フィッシャー(Ruth Fischer)、アンディ・ブリーディング(Andy Breeding)、エリック・レッドマン(Eric Redman) と私は、2011年2月にSustainable
Collection Services 社(略称SCS。2015年にOCLCによって買収。)を立ち上げました。その後SCSは2013年のALA Midwinterにて図書館による共同管理支援アプリケーションGreenGlassを発表し、2015年1月にOCLCの傘下に入りました。GreenGlassは当時既にWorldCatの所蔵データに大いに依存していましたし、OCLCもSCSも、よりダイレクトにWorldCatにアクセスできるようにすることで、GreenGlassが更に成長し、また共同管理におけるWorldCatの重要性が確固たるものになると考えていました。

これは完璧な形で現実となりました。2018年2月までに、12の共同管理グループがSCSのユーザーとなり、2,300万件のモノグラフが共同管理の対象となりました。HathiTrust やFLAREなどのコミュニティと合わせれば、今では4,000万件以上のモノグラフが共同管理されています。これらの所蔵には800万~1,000万点の固有のタイトルが含まれていますが、5年前には共同管理プログラムがほとんど始まっていなかったことを考えると、これは驚異的な進歩です。

共同管理グループとその保管モノグラフ数

こういった共同管理プロジェクトは各地で続いており、HathiTrustの2ndフェーズは進行中、SCELC加盟図書館では第二陣が控えており、Ivy Plus加盟図書館やReCAP等では共同管理に関する多数の取組みが行われています。

共同管理プロジェクトの将来

OCLCではGreenGlass への投資が続けられています。多くの機能強化だけでなく、GreenGlassがより良く機能するため、重要なデータの準備が進められました。リアルタイムで大規模な共同管理プロジェクトを行う事を可能にする、グループ機能も開発しました。

これらの成果は既に出始めています。2017年6月、私はSCSの選択的コレクションの信頼性に関する最新の進捗をリポートしました。そして今までに、 USMAIEASTの第二陣が共同管理プロジェクトに参加し、またHathiTrustは彼らの共同管理プロジェクトの第一フェーズにおいて1,600万件を共同管理プロジェクトに組み込みました。

現在の重要なタスクは、共同管理の対象となっている資料を、WorldCatに反映させることです。共同管理されている資料の所蔵情報は散在していますが、セントラル・レジストリによって、コミュニティが全体像を確認することができるようになり、グループや各図書館はその貢献に注目するようになります。カタロギングサブスクリプションに含まれることが予定されている、OCLCの共同管理の登録サービスは、パイロットグループによるテスト中で、間もなく正式に公開される予定です。4,000万件以上の既存の共同管理の対象資料がレジストリに登録されれば、GreenGlassを使ってより緻密な選択的コレクションの分析を行う予定です。

モノグラフをネットワークレベルで分析すると、以下の様な興味深い事ができるようになるでしょう。

  • ユニークな所蔵、希少な所蔵資料、またデジタル化する候補となる資料を判定する。
  • 他館と重複の多い所蔵、あまり重複していない所蔵を視覚化し、各館が所蔵の見直しをできるようにする。
  • 登録資料の地理的分散や、保管状況の安全性(温度・湿度が制御されているか、立ち入りが管理された場所に保管されているか)を確認する。
  • WorldCatの全てのユニークな紙書籍の所蔵登録を特定し、コミュニティがこういった所蔵登録を全点確実に行う作業の進捗のベンチマークテストを行う。

10年前我々は、自分たちにできる範囲で、ある特定の問題を解決する為、あるアイディアを提示しました。そしてそのアイディアによって、効果的で、目的のはっきりしたソリューションを作ることができました。今や我々はこのツールを使ってネットワークレベルの蔵書計画を行い、それぞれの図書館が共同管理プログラムの見取図を描き、以下2つの問いに答えることが可能となっています。

  • 自館がどのように共同管理に貢献できるのか?
  • 共同管理が自館にどのような利益をもたらすのか?

各館によって、その答えは異なるでしょう。ですが、我々が協力して学術的・文化的に価値ある資料を保存することによってもたらされる、全ての図書館とユーザーへの恩恵は、計り知れないでしょう。

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ウィーナー・ノイシュタット公立図書館、ウィーナー・ノイシュタット応用科学大学が
WMSを採用

2018年3月、Wiener Neustadt (ウィーナー・ノイシュタット応用科学大学、現地略語FHWN)とウィーナー・ノイシュタット公立図書館は、オーストリアで初めてWorldShare Management Services (WMS)を採用することを発表しました。
ウィーン南方に位置するFHWNは、オーストリアで最初の、また有数の応用科学大学で、ウィーナー・ノイシュタット、ヴィーゼルブルク、トゥルン、ウィーンの4つのキャンパスで、3,600人の生徒が学士もしくは修士課程に在籍しています。
FHWNとウィーナー・ノイシュタット公立図書館は、2019年に移転し、一つの図書館となり、オーストリア最初の公立科学図書館として開館することとなっています。

2019年の合併を控え、両機関はWMS を共有する予定です。
WMSはクラウドベースの図書館管理システムで、購入、貸出、資料の共有、メタデータ作業、ライセンス管理、ディスカバリーといった図書館に必要な機能を網羅しています。WMSは両図書館の図書館業務を効率化し、図書館のリソースをカスタマーサービスに割けるようにします。

FHWNのジョセフ・ヴィースラー最高業務責任者は「2019年のハイライトは、FHWNとウィーナー・ノイシュタット公立図書館の合併になるでしょう。ウィーナー・ノイシュタット市の協力のもと、私たちの図書館はオーストリア最初の公立科学図書館としてオープンします。この先駆的なパイロットプロジェクトは、図書館管理の新たなチャレンジを体現しており、OCLCとのパートナーシップによってこそ可能となるでしょう。WMSの採用は、本プロジェクトにおける重要なマイルストーンとなりました。」と述べています。

FHWNのマリオン・ゲッツ図書館長は「私たちは、現代的な科学図書館のニーズと、私たち特有のニーズ全てを満たせるシステムを探していました。WMSのテストを行った際、これこそが求めていたものだ、と確信しました。また、OCLCによる、世界最大級の図書館コミュニティの一員となれたことを光栄に思います。」とコメントしています。

2017年6月の採用決定に続いて、FHWNとウィーナー・ノイシュタット公立図書館では、集中的な準備とトレーニングが始まっています。以前の図書館システム(BIBLIOTHECAplus)からWMSへの移行は2018年1月に始まっており、2月13日にはWMSの利用を開始しました。

ドイツのオーバーハヒングに拠点を置くOCLC GmbHの責任者アンドレアス・シュミットは「OCLCがこの先駆的なプロジェクトで両機関と協働できることは大変光栄です。FHWNとウィーナー・ノイシュタット公立図書館の例は、データの共有が図書館の新たな役割の可能性を広げることを示しています。」と述べています。

図書館管理システムに加えて、両図書館は世界最大級の図書館総合目録であるWorldCatへもアクセスできるようになっています。両図書館の所蔵は既にWorldCatに登録され、世界中の研究者から発見可能になっています。

世界で500以上の図書館が、WMSを利用して、書誌レコードを共有しています。WorldCatという礎の上で、WMSを使うことによって、世界規模でデータに対する共同作業が可能になり、また作業が効率化されるのです。WMSは図書館に、革新、応用、インフラ、ビジョン、ユーザーサービスの成功を共有する、ユニークな機会を提供します。

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GDPR(EU一般データ保護規則、General Data Protection Regulation)とは?

ヨーロッパにお住まいの方でしたら、GDPR(EU一般データ保護規則、General Data Protection
Regulation)について聞いたことがあるでしょう。GDPRはEUにおける個人情報保護法に変更を課すもので、現行のデータ保護条例(Data Protection Directive 95/46/EC)と置き換えられ、2018年5月25日に発効しました。本規則は、EU内の個人情報保護法を統合し、各人が自分の個人情報の扱われ方をよりコントロールできるようにする事を目的としています。
GDPRは、現行のEUの法よりも厳しい規制がある一方、当局側は、既存の個人情報保護法に従っている機関にとっては、劇的な変革ではないと述べています。

GDPRと図書館

幅広いデータの利用は、我々の生活を多方面で変えてきました。図書館は、早期にレコードをコンピュータ処理するようになり、オンラインのワークフローを取り入れましたが、同時に負の側面ももたらしました。新たな規則によって、我々は何十年も続けてきた業務上の習慣を見直さざるを得なくなるでしょう。しかしながら、OCLCとメンバー館は、個人情報を保護し、セキュリティを保つことは、業務上の責任にとどまらず、図書館と仕事をする上での便益でもあるということを理解しています。

一方で、OCLCとメンバー館は、個人情報保護の水準は、平均以上です
広告など他の業界とは異なり、我々は個人情報を売ったり、様々なソースから収集したりしませんし、たいていのメンバー館は行動追跡や自動化された意思決定を行っていないでしょう。OCLCもメンバー館も、標準的なデータ処理プロセスにおいて、一般に個人情報を匿名化もしくは疑似的な匿名化を行っています。また、他の業界と異なり、図書館業界にとって個人情報保護は、単なる規制上の負担ではなく、昔からの懸念事項でした。

GDPRが与えるであろう影響は、現状での個人情報の使われ方、また処理のプロセスによるところが大きいでしょう。ある機関にとっては、GDPRに対応する為には、現行の個人情報処理のプロセスにちょっとした変更を加えるだけでしょう。ですが、他の機関では、大きな変更を余儀なくされるかもしれませんし、ビジネスプランにおける個人情報の利用の仕方を再考する必要すらあるかもしれません。

もし貴館がEUにあるか、EUで個人情報を収集している場合、既にGDPRへの対応を策定しているかもしれません。もしまだなら、GDPRで課される義務を理解し、GDPRへ対応する為に、以下で情報収集されることをお勧めします。

GDPRとOCLC

OCLCは一年以上の間、GDPRに対応するための取組みを行っています。EUに拠点を置く利用者にとって最も顕著な変化は、ホステッドサービスの多くで、プライバシーに関する表示が目立つようになることでしょう。OCLC内部の変更も、複数準備されています。ホステッドサービスの利用者が、GDPRに準じた個人の権利を請求する際に、支援を行うプロセスも、実装しようとしています。加えて我々は、個人情報保護のセキュリティポリシーと個人情報の扱い方を改良する大きなステップを踏み出しました。この改良は、5/25の施行日以降も続きます。また、常勤のData Protection Officerを指名し、個人情報保護に関する案件が集約されるようにしました。

我々は、個人情報の収集と保持の点で、個人情報の「コントローラー」である利用者が、運転席にいることができるように、更に長期にわたり製品の機能について検討していきます。例えば、ある種のトランザクション履歴において、データ保持のポリシーをカスタマイズできるといった機能です。

メンバーコミュニケーションの観点では、OCLCからの電子メールもしくはその他ウェビナーや宣伝目的のお知らせを引き続き受け取るために、多くのEUのメンバーが「同意」を行う要求をされたことでしょう。あなたのOCLCに関する「同意」ステータスが最新のものであるかを確かめたい場合は、privacy@oclc.orgにメールをお送り下さい。

またOCLCは、既存の顧客とベンダーとの間で、データ処理規約をGDPRに沿ったものに更新するキャンペーンを始めました。まだ新たなデータ処理規約を受け取っていない方も、近々送付される見込みです。

OCLCにおけるGDPRへの取組みに関しての詳細は、こちらをご覧下さい。

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―OCLCのニュースレター Partner Updateより―
OCLCのメンバー館になると、どんな利点があるの?

OCLCのメンバー館になれば、資料の管理を効率化し、アクセスしやすくすることによって、利用者へより良いサービスを提供することができます。またOCLCのメンバー館になれば、たくさんのユーザーを抱えた数千の図書館を擁するコミュニティとの繋がりを強化することができます。

OCLCのグローバルなコミュニティの一員となれば、メンバー館に多くの恩恵がもたらされます。OCLCは、メタデータ作成・提供の支援、互換性のテストと互換技術の提供を行い、図書館がパートナーによって提供される最良のコンテンツを所有するだけでなく、利用者がどこにいてもそのコンテンツを利用できるようにします。

インプット

OCLCは、メンバー館に、以下を提供します。

  • ディスカバリーデータ:コンテンツのディスカバリーに利用するメタデータ
  • アクセスデータ:利用者が資料にアクセスできるようにするためのコレクションと図書館の所蔵情報
  • 認証データ:利用者が電子資料に図書館外からアクセスできるようにする情報

コンテンツ管理と、資料へのアクセスの効率化は、我々のサービスの一部でしかありません。

OCLCとメンバー館の働きによって、貴館のコンテンツは、多くの場所で、エンドユーザーから可視化され、発見され、利用されることができるようになっています。

  • OCLCサービス:16,000以上のOCLCメンバー館が、WorldCat Discovery 、WSILL、カタロギングサービス、WorldCat.org の2億5,000万件ものページビュー等のサービスを利用しています。
  • その他図書館サービス:OCLCはAuto-Graphics、Elsevier、その他大手ILSベンダー等のプロバイダーとパートナーになっています。これらのパートナーシップによって、各館は、自館に最適なプロバイダーを選ぶことができます。
  • サーチエンジンとウェブサイト:Google Books、Wikipedia、Chegg等、OCLCは幅広いエンドユーザー向けサービスと提携しています。研究によって、多くの調べ物はオンラインで始まることが明らかになっており、重要なエンドユーザー向けサイトとのパートナーシップは、多くのユーザーが調べ物を始める場所における、貴館の資料の可視性を高めることができます。

OCLCとパートナーシップを結ぶだけで、様々なプラットフォーム、サービスにおいて、貴館のコンテンツが見つけられやすくなり、利用されやすくなります。OCLCサービスに関してのお問い合わせは、以下までご連絡下さい。

株式会社紀伊國屋書店 OCLCセンター
oclc@kinokuniya.co.jp
tel.03-6910-0516 fax.03-6420-1359
153-8504 東京都目黒区下目黒3-7-10

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APRC18 バンコクにて開催予定

OCLCがアジア太平洋地域各国の図書館向けに年一回開催する国際会議、OCLC アジア・パシフィック地域会議(APRC)が、2018年も開催されます。

2017年11月 早稲田大学におけるAPRC17の模様はこちら
こちらのページからもどうぞ。)

APRC18は2018年11月28日~29日開催、会場はタイの首都バンコクのRoyal Orchid Sheraton Hotel & Towersとなります。詳細は追ってOCLC Newsでもお知らせして参ります。
皆さんも各国の図書館員が集まる国際会議に参加してグローバルな図書館コミュニティを覗いてみませんか?

当記事の詳細はこちらから≫

(紀伊國屋書店 OCLCセンター)


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