図書館をつくる

OCLC News 32号

2018.12.03

OCLC News 第32号
商品情報をはじめ、OCLCに関する様々な情報をご案内致します。

Tipasa の利用機関が200 を突破

初のクラウドベースILL管理システム、Tipasa™の利用機関が200館を超えました。

Tipasa は世界最大の資料共有ネットワークをフルに活用できるWorldShareプラットフォーム上の新たなILL管理システムとして2017年1月にリリースされました。TipasaはWindowsベースのILLiadの機能をクラウドに移行したものです。アップデートがクラウド上で自動的に行われるため、限られたIT資源しか必要としません。直感的なスタッフインターフェースは使いやすく、操作の習得も簡単です。

OCLCは段階的にTipasaの開発を続けてきました。今年リリースされた新機能には、RapidILL、
WorldShare Circulation、WorldShare Acquisitionsとの連携、利用者データの保存等があります。これからも新機能の追加は予定されており、2019年にはEx Libris Almaとの連携が予定されています。ILLiadのユーザーは、必要な機能がTipasaに装備され次第、Tipasaへ移行します。当面はILLiadのサポートも継続される見込みで、サポート終了日は設定されていません。

Tipasaの利用機関は、Tipasa resources pageでご覧になれます。
なお、Tipasaは現在米国でのみサービスが提供されています。日本でのリリース予定が決まりましたら、ご案内いたします。

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OCLC とIthaka S+R が新レポートを公開

OCLCとIthaka S+Rは、共同で新レポート”University Futures, Library Futures: Aligning library
strategies with institutional directions
”を公開しました。Ithaka S+Rは、学術機関がデジタル技術を利用して学術レコードを保存したり、研究調査を行うのを援助する非営利組織です。本レポートはOCLC
Research のウェブサイトでご覧になれます。

アンドリュー・W・メロン財団の助成を受けて行われた本プロジェクトでは、OCLC ResearchのメンバーとIthaka S+Rのメンバーが共働して、大学の特色の違いが、図書館運営のあり方と図書館サービスに与える影響について検証しています。

図書館が、コレクションの規模によって評価される従来のモデルを取らなくなってきている為、本レポートでは、図書館が提供するサービスまわりに枠組をはめて、大学の異なる状況からどのようなパターンが浮かび上がるか、またそれらサービスの重要性が現在から将来にわたっていかに変化していくかを、図書館幹部への聞き取り調査を通じて見極めていきます。

この調査は、主に以下の三つのパートで構成されています。

  • 米国における高等教育機関の形態分類
  • 図書館サービス種別構成
  • 上記二つを比較し、図書館サービスのポートフォリオが大学経営上の優先順位に呼応しているかを検証

最初のパートは、各機関の特色に基づいた形態分類を検証しています。これは大学の重視していることを二つの方向性で描写することができるモデルに結びつきます。一つは、三つの柱または計測軸(研究、一般教養課程、キャリア教育)において各大学がどのような教育活動を行っているか、という方向性で、もう一つは(それら教育活動の)実践のあり方(従来型の学生がキャンパスに来る方式と、遠隔教育を含む柔軟性を持たせた方式)という方向性です。

二つめのパートは、図書館サービスの役割(目的)を構成する枠組みの検証と、大学図書館への調査を通した、これらのサービスのパターンの検証です。これらの枠組みは、九つの重要なエリアをカバーしています。

  • キャンパスコミュニティの招集
  • 学修支援
  • 情報へのアクセスを整備
  • 学識と想像性を醸成
  • キャンパス外の利用者サポート
  • ユニークなコレクションの保存と利用促進
  • 学修スペースの提供
  • 学術専門性の発信
  • 学術出版の変革

三つ目のパートでは、図書館が機関全体の優先事項に沿っているかを確認すべく、上記二つのパートのアウトプットを検証しています。

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―OCLCのリーダーたちが知見や経験を共有するブログ Nextより―
「オープン」なディスカッション

レイチェル・フリック(Rachel Frick)、OCLC Research Library Partnership上席役員

OCLC グローバル評議会は今年3月、オープンアクセス(OA)ライフサイクルにおいて図書館コミュニティをサポートする上で鍵となる課題の掘り起しを目的とした作業チームの設立を決定しました。
OCLCのグローバル評議会は、OCLCメンバーに代わって、メンバー機関のニーズを反映すべく活動しています。この3月の会議では、この「オープン」の問題にさらに注力する必要が表明されました。評議会の提言をもとに、現在のOCLCの活動をベンチマークテストにかけ、オープンアクセス(OA)ライフサイクル全体において図書館コミュニティをサポートする新たな方法を調査すべく、我々は機関を超えた作業チームを設立しました。

図書館ユーザーにとってのより良いディスカバリー

今日、図書館は、デジタル化された資料コレクションから、研究論文のプレプリント、ポストプリントに至る様々なオープンコンテンツの管理運営に携わることが求められています。図書館がこれら「出版」活動に従事し始めているとも言えるでしょう。しかし、細部を見て行くと、ひと言に”OPEN “といってもその中身は様々で混沌としているように見えます。

OCLC は、図書館のオープンアクセスへの取組み、課題の優先順位と進め方の計画を明確にする上で、有意義な役割を担うことができると考えています。この為には、可能な限り多くの図書館の、多様なニーズや考えを反映した指針を取り纏める努力をしていく必要があると考えています。

私たちは今どこにいて、どこを目指すのか

OCLC が主導する、オープンアクセスの課題を考える活動には以下があります。

  • WorldCat Discovery の検索において、Unpaywall から提供されるDOIを利用した検索フィルタリングを可能にすること。
  • オープンアーカイブイニシアティブ(OAI)のメタデータハーベスト・プロトコル(PMH)に準拠した Digital Collection Gateway を無料で提供し、自館コレクションのメタデータをWorldCat 自動登録できるようにすること。
  • 加盟館、出版社、第三者組織から数百万件にのぼるオープンアクセスコンテンツのメタデータを
    WorldCat に取り込むこと。ここ10年で320のコレクションを Knowledge Base に追加。
  • OCLC researchのアウトプットを完全収録。
  • Research Data Management(RDA)と Research Information Management(RIM) の二つの調査・研究報告書を踏まえ、更に個別分野への研究を進めること。
  • COARSPARCIIIFORCid,DataCite等のオープンアクセス推進機関と連繋を進めること。

どのようなタイプの図書館でも参加して頂ける、オープンアクセスとオープンなコンテンツに関する新たな調査も、2018年11月7日に公開されました。

本件に関して出来る限り多くのステークホルダーの意見を聞くことが重要です。例えば、最近の
Distinguished Seminarシリーズのプレゼンテーションでは、カリフォルニア大学のチャー・ブース(Char Booth)氏に「情報格差に関する問題を扱うのにオープンアクセスどのように役立つか?」について聞きました。このテーマは対話に、実践的でプロフェッショナルな考察のみでなく、社会正義・経済的正義の側面ももたらしました。このブース氏との対話のディスカッション・ガイドは、貴館において本件を探求する重要な方法となるでしょう。

これは複雑なトピックです。しかし、我々の計画はよりオープンで、多くの人が関わった時に、より生産的になると信じています。今我々が評議会とともに進めている事業と、今後予定されている調査が、この重要な対話にどのように多くの声をもたらしてくれるのか、とても楽しみにしています。

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WorldShare Record Manager がNACOをサポート

この度WorldShare Record Manager が米国議会図書館の典拠レコードを作成・メンテナンスする為の名称典拠ファイル共同作成プログラムName Authority Cooperative Project (NACO)のサポートを開始しました。これによって、NACO作業がConnexionのみならずRecord Managerでも可能になりました。

既にRecord Managerを利用しているNACOメンバー機関

機関の目録作成作業管理者(Cataloging INST Adminの役割を持つRecord Manager のユーザー) が
AUTHORITIES_LC_NACO_NAME_AUTHORITY_FILE.の役割を担当することで、Record Manager におけるNACOワークフローを利用開始できます。この役割を担当している人は、米国議会図書館の名称典拠レコードを作成・アップデートできます。

まだRecord Managerを利用していない機関

Record Managerの利用を検討している機関は、オンラインフォームにご記入の上、アクセスをリクエストして下さい。 この際、オンラインフォーム中に、NACOメンバーである旨を記載して下さい。このアクセスを要求した人は、Record Managerが設定され次第、Cataloging INST Admin の役割を与えられます。

WorldShare Record Manager の機能には、以下があります。

  • 米国議会図書館もしくはNACOの典拠レコードの作成、追加、抽出、編集、置換
  • 典拠レコードを検証、追加、置換する際の重複データ検出
  • 典拠レコードのリンク
  • 作業中の典拠ファイルをオンラインで保存、およびロック
  • 米国議会図書館もしくはNACOの典拠レコードを「レビューのために送信 (submit for review)」するワークフロー
  • 毎日の定時アップデートより前に、典拠レコードに変更を加える機能。この変更により、新しくNACOレコードを作成もしくは修正を行い、変更希望箇所を通知したい場合、そのファイルが議会図書館に送付されるより前、かつ同日中に、Record Manager上でそれが可能になります。現在と同様、毎日の送付の後に、レコードは米国議会図書館から戻ってくるまでの間、ロックされます。
  • : 書誌レコードの見出しから典拠レコードを生成する機能はまだ利用できません。将来的には可能になる予定です。

これらの機能の詳細は、Record Managerリリースノートをご覧になるか、OCLC Supportまでご連絡ください。

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WebJunctionに新たなコースが追加

WebJunctionに2つのコースが加わりました。

一つはFoundation Center 提供の”Grantseeking for Libraries: Top 10 Practices for Foundation
Funding
“です。本コースでは、図書館スタッフが取得可能な補助金を探し、図書館が様々な収入源を確保する方法について学びます。

二つ目はロード・アイランド大学提供の” Media Smart Libraries“です。こちらは、デジタル資料及び様々なメディアを使いこなし、全ての世代の図書館利用者をサポートする方法を学びます。

WebJunctionには図書館員向けに設計された300を超えるコースが用意されています。是非、図書館員の日々のスキルアップに取り入れてみませんか?

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OCLCケーススタディ:UKBコンソーシアム

1979年、オランダ国内の全ての学術図書館とオランダ国立図書館(Koninklijke Bibliotheek, the KB)が参加するUKBコンソーシアムは、国家の情報インフラの開発に着手しました。何年もの間、UKBコンソーシアムは、共同目録システムであるGGCとILLソフトウェアであるNCC-IBLからなる強固なインフラ基盤を活用してきました。オランダの国家的目録であるthe Dutch Central Catalog (NCC)を対象とした、エンドユーザー向けディスカバリーであるPiCartaが導入された後は、公共図書館とその他特殊な図書館もこのイニシアチブに参加しました。今日では、300館を超えるオランダの図書館が、このコンソーシアムに参加しています。

その後UKBコンソーシアム参加図書館は、この情報インフラをWorldShareプラットフォームに移行することを決定し、2014年から移行を開始して、2017年12月に完了しました。このシステムの移行は大学のIT能力を拡充させ、共同で資料のメタデータを維持管理している国際的な図書館コミュニティに参加する機会を与えました。

尚、UKBコンソーシアム参加図書館は、2019年のWorldShare ILLを利用した国家的ILLサービスの開始と、PiCartaからWorldCat Discoveryへの移行に向けて準備しています。

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