図書館をつくる

OCLC News 39号

2020.04.03
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OCLC News 第39号
商品情報をはじめ、OCLCに関する様々な情報をご案内致します。

『OCLC News』一覧 >>

目次

  1. 噂のOCLC(仮)
  2. プリント版資料への対応選択に自信と透明性を
  3. 図書館と新型コロナウィルス

噂のOCLC(仮)

今号から様々な方に取り上げていただいたOCLC情報を共有する『噂のOCLC (仮称)』を不定期で連載いたします。

1回目は、国際日本文化研究センター図書館江上敏哲氏のブログからOCLC WorldShare ILLサービス導入の顛末についてユーモアと情熱を持って綴った

『君に届け ~ OCLCと日文研をつないだ目録・ILLの物語』序章から第4章までを、ご本人のご了解を得てご紹介いたします。

OCLCのWorldShareサービスは、クラウドベースの図書館向けサービスです。資料の受入、貸し出し、目録、電子資料管理、図書館間相互貸借が1つのプラットフォーム上で行え、トータルでも単体のサービスだけでもご契約可能です。 国際日本文化研究センター様(以下、日文研)では、単体で図書館間相互貸借サービス(WorldShare ILL)をご利用いただいています。

それでは、各章へのリンクをクリックしてご覧ください。

君に届け ~ OCLCと日文研をつないだ目録・ILLの物語』 序章

第1章「センパイがくれた勇気と見積り」(概要と経緯)

第2章「伝わらない言葉たちをローマ字にのせて」(目録)

第3章「君は君のままで、USドルはUSドルのままで」(ILL) 

第4章「物語の向こう側にある課題と展望」(まとめ) 

楽しく読みながらも、使命に燃え、エネルギッシュに行動していく姿に胸が熱くなるのは私だけではないでしょう。

国外からアクセスできる日本語電子資料の少なさや海外での日本研究離れが指摘されています。そんな中で私たちOCLCセンターは日本研究関連機関の図書館員の方々が自館資料を役立ててもらいたいと奮闘する熱意に応えなければと身が引き締まる思いです。もちろんWorldShareだけがILLの手段ではありませんが、世界中のできるだけ多くの人に自館資料をアピールするためには世界最大の書誌・所蔵レコード数、ユーザー数を擁するWorldCatをベースとしたWorldShare ILLは強力な助っ人になれるでしょう。

OCLCの登録商標であるBecause what is known must be shared.®の精神で多くの図書館がつながりますように。

そして、この記事のご紹介により日文研やWorldShare ILLセンパイ図書館に続こうと考える図書館が現れ、ブログの紹介を快くご了承いただいた江上さんの夢実現にほんの少しでも貢献できれば、(そしてOCLCセンターの売り上げもちょっぴり上がれば)幸いです。

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プリント版資料への対応選択に自信と透明性を

蔵書分析ツールGreenGlass®を使って除籍・移動対象の図書を決定

Image courtesy of the University of New Mexico.

「GreenGlass®データを使用する事が最も重要なのです。私達と教員との議論を有意義でまさにデータに基づいたものにするための手段や彼らに正しく評価されていると分かる何かを与えてくれるからです。」
スザンヌ・クレメントSusanne Clement ニューメキシコ大学准教授、コレクションディレクター

ニューメキシコ大学図書館は約350万の資料を4つの建物内に所蔵しています。」准教授でコレクションディレクターのスザンヌ・クレメントが説明します。「スペインプエブロ様式の建物である本館のツィンマーマン図書館はJohn Gaw Meem の設計で1938年に開館、歴史的建造物に登録されています。美しい一方で、建物の歴史的重要性は改修を困難にしています。」「棚を支える金属の柱でさえ、実際には構造設計の一部です。特定のタワーの床は組み直す事ができません。つまり、書架にしか使用できないのです。」

図書館のスタッフが書架の容量調査を実施したところ、書架の使用率と容量が分かりました。ツィンマーマン図書館の書架は76%から97%の使用率であると判明したのです。 「70%から75%の使用率に下げるには、120,000冊から180,000冊を除籍する必要がありました。」 図書館は大規模な除籍プロジェクトの準備をしていましたが、ニューメキシコ大学出版会の買収後、その倉庫を南キャンパスリポジトリ(SCR)に再利用する事ができました。SCRは2020年夏にオープンする予定です。 「図書館外部書架設置」立法資金により、SCRに使用頻度の低いモノグラフと定期刊行物、約150万冊分の配架場所が増える事になりました。

「私たちはGreenGlassについてかなり以前から知っていました。」「また、多くの図書館と彼らの経験について話をし、GreenGlassが提供する生データやウェブインターフェースを見る機会さえありました。自分たちがGreenGlassを使用し始める前に、それがどのようなものかは分かっていたのです。」

図書館のスタッフは、大学のすべての部署と、外部書庫への移動について話し合いました。 「彼らにはそこに何冊あるのか、何冊が貸し出された事がないのかを大まかに説明しました。」 国のデータと同様、図書館スタッフはコレクションの約40%が貸し出されていないことを発見しました。 図書館スタッフは、少なくとも過去15年間に貸し出しのなかった1960年以前に発行された資料全てを、外部書庫に移動することを英文科に提案しました。 「そうしたら、彼らは『あなた方はあまりにも保守的だ。少なくとも1970年までに刊行された図書は外部書庫に持って行きなさい。』と答えたのです。」

「これまでと同様に透明性を保ちながら、必要であれば教員にデータを見る機会を与えることができます。これまでの教員からの反応は非常に肯定的でした。」スザンヌは付け加えました。「私にとって本当の恩恵は、GreenGlassを使ってできるコレクション分析です。GreenGlassを使用して発見したことは、コレクションが使いやすくなることだと思います。」

原文はこちらから≫

GreenGlassは蔵書分析ツールです。貸出データと所蔵データをWorldCatの所蔵、HathiTrust Digital Libraryの所蔵、および信頼できるタイトルリストと組み合わせて分析します。その結果、費用対効果の高い、証拠に基づいた決定を行う事ができます。グループ図書館のデータと組み合わせることでプリント版図書資料のリソースシェアリングをサポートし、利用率の低い図書の除籍や外部書庫への移動、デジタル化対象の選択についてデータを基にした管理ができます。

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図書館と新型コロナウィルス

OCLC WebJunctoinで新型コロナウィルスを図書館との関係で取り上げ、関連サイトを紹介しています。

https://www.webjunction.org/news/webjunction/libraries-and-the-coronavirus.html

この中でCenters for Disease Control and Prevention (疾病対策センター) 作成の子ども向け「手洗い推奨ポスター」(印刷してそのままポスターとして使用できるもの)は子どもが手を洗うイラストが、肌、目、髪の色が異なるバージョンで複数用意されていたり、複数の言語版があったりといかにもアメリカらしいものとなっています。

https://www.cdc.gov/handwashing/posters.html

American Library Association (アメリカ図書館協会)はPandemic Preparedness (パンデミックへの準備) と題してこの非常事態に図書館として必要と考えられる資料をまとめて掲載しています。

http://www.ala.org/tools/atoz/pandemic-preparedness

ALA理事会は図書館に向けて新型コロナウィルスの影響で一時閉館している間も情報弱者へのセーフティーネットとして図書館のWi-Fiを開放するよう勧告しています。

http://www.ala.org/news/press-releases/2020/03/american-library-association-recommends-libraries-leave-wifi-open-during

また、ブルックリン公共図書館から家にいる子どもたちに向けてウェブサイト、フェイスブック、インスタグラムでのバーチャル読み聞かせ、有名絵本作家によるライブデモンストレーション、有名俳優による朗読セレクションなどの紹介があります。

https://www.timeout.com/new-york-kids/news/virtual-storytimes-for-kids-authors-and-venues-go-online-amid-coronavirus-031620

OCLC WebJunction>>

OCLCの新型コロナウィルスに対する声明(日々更新されます)>>

新型コロナウィルス下でのサービスについて>>

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(紀伊國屋書店OCLCセンター)