TOPPAN、国宝「洛中洛外図屛風(舟木本)」「松林図屛風」の高品位複製を開発
TOPPAN株式会社は、国宝「洛中洛外図屛風(舟木本)」「松林図屛風」(いずれも東京国立博物館所蔵)の高品位複製を開発しました。
TOPPANは、国内外の貴重な文化財を後世に継承するために実物のデジタルアーカイブや消失文化財のデジタル再現に取り組んでいます。これまで、帝国ホテル旧本館ライト館や江戸城天守のVR再現や、模本と考えられている「大坂冬の陣図屛風」(東京国立博物館所蔵)の彩色復元、画布の半分が欠損したクロード・モネ作「睡蓮・柳の反映」(国立西洋美術館所蔵)のデジタル復元を行っています。
TOPPANは、今後もさまざまな国宝や重要文化財をはじめとする、貴重な文化財作品の新しい鑑賞体験機会を創出していきます。
TOPPANの文化事業は
https://www.holdings.toppan.com/ja/news/search.html?news_category[]=Culture
※ こちらに関するお問い合わせは ek00@kinokuniya.co.jp (紀伊國屋書店 営業推進本部営業企画部)
q国宝「洛中洛外図屛風(舟木本)」
国宝「洛中洛外図屛風(舟木本)」の複製は、TOPPANが2019年7月に開発した印刷による複製技術「Refina Graphy(レフィナ グラフィ)」を用いて制作されております。
同館と文化財活用センターの監修のもと、超高精細アーカイブデータを用い、印刷のみで金箔・金泥・絵柄の異なる質感による視覚的な特徴を再現し、奥行き感や華やかさといった作品の持つ本来の美しさを実現しています。
この技術により、金箔を用いた美術作品の豊かな表現を、印刷でより実物に近い状態で複製することが可能になり、国宝や重要文化財をはじめとする貴重な作品等を身近に親しむ新しい鑑賞体験機会の創出を促進します。
Refina Graphy(レフィナ グラフィ)の特徴
金箔用紙に密着性の高いインクを使用し岩絵具等で描かれた作品の絵柄を印刷。さらに、印刷技術を応用した表面加工により、これまで印刷技法だけでは実現できなかった、和紙、金箔、金泥など日本の文化財に特徴的なさまざまな質感を再現しています。
また、従来行っているTOPPANの印刷複製と同様に、高精細なアーカイブデータと高精細な印刷により、微細な表現を実現。独自のカラーマネジメントノウハウにより、本物に対して色調を忠実に再現するとともに、これまで以上の耐久性と優れた耐退色性を実現しています。
※特許登録済 ※商標登録済
製品仕様
・本体価格: 1,000万円 (税抜)
・納期: 約6ヶ月
・形態: 六曲一双
・寸法: 端扇 各縦162.5cm/横54.2cm 中扇 各縦162.5cm/横58.3cm (実物と同寸法)
・印刷仕様: [表]洋金箔用紙にRefina Graphy加工(特許出願中) [裏]和紙にインクジェット印刷
・表具: 日本産杉(カシュー塗装)/和紙貼り/真鍮(時代色/唐草模様)
・制作: TOPPAN株式会社
・監修: 東京国立博物館/文化財活用センター
※売り上げの一部は東京国立博物館の文化財保護・普及・研究活動に役立てられます
q国宝「松林図屛風」
国宝「松林図屛風」の複製は、水墨画に特化した複製技術を用いて制作されております。
東京国立博物館監修のもと、国宝「松林図屛風」(同館所蔵)の描かれた当時の姿を高精細かつ複合的なアーカイブデータの活用と2880dpiの最高品質のプリントシステムで原寸再現。靄(もや)の淡い表現から松の力強い表現まで、作者である長谷川等伯の巧みな筆づかいによる水墨画の本来の姿を鑑賞可能にしました。
本製品の特長
・高精細かつ複合的なアーカイブデータの活用で、水墨画の傑作を描かれた当時の姿に原寸で再現
戦後、国宝に指定され、広く知られるようになった長谷川等伯筆「松林図屛風」。東京国立博物館の監修のもと、高精細デジタルアーカイブデータと肉眼では見えない画像を撮影したデータの分析から、等伯が墨一色で描いた作品を、2880dpiの最高品質プリントシステムで原寸再現しました。
・伝統技法を駆使した表装
精細な筆致のみならず、木枠や裏地、金具などの表装部分にも昔ながらの伝統技法を用いてこだわりました。紙面には作品の奥行きや墨の透明感を再現するために和紙を採用しています。
※特許出願中
製品仕様
・本体価格: 605万円 (税込)
・納期: 約6ヶ月
・形態: 六曲一双
・展示参考寸法(一隻):縦174cm/横 約250cm/奥行 約40cm (原寸大)
・表具: 日本産杉(カシュウ塗装)/和紙・布貼り/真鍮釘
・制作: TOPPAN株式会社
・監修: 東京国立博物館/文化財活用センター
※売り上げの一部は東京国立博物館の文化財保護・普及・研究活動に役立てられます
TOPPANのデジタルアーカイブについて
TOPPANでは人類のかけがえのない資産である文化財の姿を後世へ継承するため、印刷テクノロジーで培った色彩を管理する技術と高精細画像データ処理技術、形状をデジタル化する立体形状計測技術を核に、より精確なデジタルアーカイブを行うため、文化財専用の大型オルソスキャナーを開発するなど、技術開発を積極的に進めています。これまでに、国宝「鑑真和上坐像」(唐招提寺所蔵)、国宝「檜図屏風」(東京国立博物館所蔵)など、国内外の数々の貴重な文化財のデジタルアーカイブに取り組んでいます。さらに、国宝「洛中洛外図屛風」(東京国立博物館所蔵)や重要文化財「東征伝絵巻」(唐招提寺所蔵)など文化財の高品位複製やVR作品の製作など、デジタルアーカイブデータのさまざまな表現手法の開発を推進しています。
URL:https://www.toppan-vr.jp/mt/