商品カタログ

フランス・デパート商品カタログ:1920-1929年

「消費の殿堂」パリの百貨店から世界に発信された夥しい数の商品情報を再現!

関連ワード:Athena Press アティーナ・プレス デパート フランス 商業史 文化史 通販カタログ  更新日:2023.01.14

アティーナ消費文化資料集:フランス・デパート商品カタログ
Athena Sources in Consumer Culture
FRENCH DEPARTMENT STORE CATALOGUES : 1920–1929

1920年代フランスの主要な百貨店のカタログがアティーナ・プレスより復刻されました。アティーナ消費文化資料集:フランス・デパート商品カタログでは、名門デパートのボン・マルシェ(Bon Marché)、ルーヴル(Grands Magasins du Louvre)、プランタン(Printemps)、ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)、サマリテーヌ(Samaritaine)、そのほかの百貨店のカタログを収録します。春夏号と秋冬号の年 2 回発行される総合カタログだけでなく、臨時発行の特集号―高級服、特売、リネン類、家具や室内装飾品、玩具を含む年末の贈り物など―も加えています。商業史、経済史、デザイン史、消費文化論、社会文化論など、幅広いジャンルにおいて重要な一次資料です。

1920-1929年カタログ各巻内容

Volume 1: Au Bon Marché ボン・マルシェ
2021年11月刊行  ISBN 978-4-86340-319-2 • B4判 • c. 420 pp., incl. 19 col.
(Athena Press) -JP-

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Volume 2: Au Louvre ルーヴル
2021年11月刊行  ISBN 978-4-86340-320-8 • B4判 • c. 430 pp., incl. 28 col.
(Athena Press) -JP-

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Volume 3: Au Printemps
2022年11月刊行  ISBN 978-4-86340-354-3 • B4判 • c. 400 pp., incl. 16 col.
(Athena Press) -JP-

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Volume 4: Aux Galeries Lafayette
2023年1月刊行   ISBN 978-4-86340-355-0 • B4判 • c. 400 pp., incl. 10 col.
(Athena Press) -JP-

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商品カタログについて

日々の集客が業績に大きくかかわる百貨店は、新聞などへの一連の宣伝、特売や展示会の開催、独自の広告宣伝物、例えば店のパンフレット、ポスター、スケジュール帳、絵はがきや子供向けの絵入りカード、そして何といっても通販用の商品カタログの配布を通じて顧客に購買行動を促していました。
1 月末から 2 月初旬にリネン類、4 月から 5 月に夏物、10 月から 11 月に冬物、9 月には家具や室内装飾品、そして 12 月になれば玩具やプレゼント品といった具合に、一年を通して取り組みがなされ、さらに冬物、夏物のクリアランスセールの時期も設定されるようになるなど、こうした百貨店の販売キャンペーンは顧客たちの暮らしに年間を通じて織り込まれていきました。
通販部門は収益の上で重要で、総売上の 4 分の 1 を超える額をもたらすケースがあったとされます。商品カタログは毎年数百万部が作成され、パリ、地方、植民地など海外へと広く発送されました。

パリのデパート

パリの多くの百貨店は第二帝政期に創業しました。ナポレオン三世時代のセーヌ県知事ジョルジュ=ウジェーヌ・オスマンによるパリの整備事業によって新設、また拡張された大通りにそのほとんどが面しています。こうした大型百貨店のなかではまずボン・マルシェが 1852 年セーヌ川左岸の古くからの大通り沿い店舗を構えましたが、他店はセーヌ川右岸、特にオスマンのパリ改造における最初の大型事業で 1854 年に完成したリヴォリ通り沿いに多くできました。ルーヴル、ベー・アッシュ・ベー(BHV、Bazar de l’Hôtel de Ville)、サマリテーヌなどがそうです。またここより北のサン = ラザール駅の近くにできた店もあり、特にオスマン通りにはプランタンが、1890 年代になってギャラリー・ラファイエットが開業しました。サン = ラザール駅は郊外路線の中でも乗降客が多く、パリ近郊の最富裕層が住む地区につながる路線の終着駅でした。
大通りの整備に象徴されるオスマンの都市改造にはじまり、万国博覧会の開催があり、鉄道駅、中央市場、高級専門店や、大型の劇場、ホテル、カフェ、レストランなどが続々と開業、19 世紀後半から 20 世紀前半にかけてのパリはまさに商業と娯楽の都でしたが、こうした「パリ新時代」において百貨店は「消費の殿堂」としてその象徴的存在でした。商材の多様化、商業上のスケールメリット、自宅配送や通販、増加し続ける来店客を飽きさせない店の仕掛けによって、本シリーズが扱うこの時期に多くの百貨店は飛躍的に大きくなります。こうした中、ボン・マルシェ、ルーヴル、サマリテーヌ、プランタン、ギャラリー・ラファイエットはビッグ 5 と称されるほどの売り上げを誇っていました。
第二次世界大戦の後、特に 1970 年代に入ってから業界の繁栄に陰りが出て、ビッグ 5も例外ではありませんでした。ルーヴルが 1974 年に、サマリテーヌが 2005 年に閉店となり、ともに今は高級な複合施設に再開発されており、他の 3 店も今は高級ブランドに特化した業態に変わってきています。

⇒推薦文、商品チラシを含む詳細はこちらをご覧ください。

(学術洋書部)

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