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英領インド人の旅した世界

英領インド上流・知識人階級の人々による英文旅行記を精選

関連ワード:Edition Synapse インド史 オリエンタリズム 大英帝国史 文化人類学 旅行 英語文学 観光史  更新日:2022.12.15

英領インド人の旅した世界(復刻集成・全5巻)
Indian Travel Writing

Edited by Pramod K. Nayar, Dept. of English, University of Hyderabad.
2016年12月刊行 全5巻 約2,300頁    ISBN:978-4-86166-193-8

published by Eureka Press / Edition Synapse

大英帝国による実質的な植民地化が進んだ19世紀半ばのインドでは、西洋の近代的教養を身につけた上流・知識人階級の人々がインド版グランドツアーともいえる海外旅行を始め、その見聞録が英語で出版されるようになります。宗主国イギリスやヨーロッパ大陸だけでなく、アメリカや日本、アジアを旅したこれらの著者の、旅の目的はそれぞれですが、支配されている国の支配階級である彼(女)が西洋を旅した際の内からでも外からでもない視線、そして中近東、極東アジアなど非西洋文化圏へ旅したときに抱く西洋人とは異なるエキゾティシズムなど、複雑な植民地言説がこれらの旅行記の中に読み取れます。

本コレクションは、19世紀~戦前期にインド国内や英米で出版されたインド人による海外旅行記を精選し、それらの抜粋を地域別に編集し復刻にて収録します。王族、政治家、法律家、社会改革家、商人、スポーツ家や芸術家など女性を含む多様な著者の著述で、各地の風俗、地理はもとより、文学・芸術、政治制度、人権、階級といった社会問題など、異なる問題意識が特徴的にあらわれている文献を広く集めています。英国・ヨーロッパを2巻、北米、極東・オセアニア、中東・アフリカ・アフガニスタンをそれぞれ1巻にまとめ、各巻に編者の解説を付します。

植民地史、帝国史やオリエンタリズム、西洋と非西洋間だけでなく非西洋文化圏での文化接触も含めたグローバル史など、近代史にまつわるより深い調査、研究に大変貴重な原資料集です。また、英領インドにおける19、20世紀英語文学のコンテクスト研究にも興味深い資料となります。

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(学術洋書部)

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