商品カタログ

【洋古書】ポステル《世界の和合について 》初版

世界の改宗のためのキリスト教宣教計画を開陳したポステルの大著

関連ワード:キリスト教 ルネサンス 古書 宣教 布教 洋書  更新日:2025.09.06

ノルマンディー出身のポステルは、パリで出会ったイエズス会創立者たちとの親密な交流、古典語と東洋諸言語(アラビア語、ヘブライ語、シリア語、その他)の習得、フランソワ一世によるオスマン帝国スレイマン一世外交使節団通訳としての活躍、各地で蒐集したアラビア語、ヘブライ語等の写本の翻訳・注解の出版などで知られるルネサンスの異才でした。本書はそのポステルによる「世界改宗計画」を述べた大著。

*お見積り、お問合せは弊社各営業所、またはこちらまでご連絡ください。

—以下、「紀伊國屋書店 古書目録 2020」より—

ポステル《世界の和合について》初版
POSTEL, Guillaume. De orbis terræ concordia libri quatuor, mvltiivga ervditione ac pietate referti, quibus nihil hoc tam perturbato rerum statu uel utilius, uel accommodatius potuiße in publicum edi, quiuis æquus lector iudicabit. [Basel, Johann Oporinus, 1544].

¥880,000

Folio, pp. (8), 427 (i.e. 447), (1) blank; eight- or nine-line historiated woodcut initials at the beginning of Epistola nuncupatoria and Book 1, smaller woodcut initials at the beginning of Book 2 to 4; occasional Greek and Hebrew letters; minor printing fault to the initial three words of the first line on p. 59 (sense traceable); initial two leaves lightly creased, occasional faint foxing and browning, but a very good sound copy, bound in eighteenth-century English calf, covers panelled in blind, rebacked with the original red morocco title label restored, corners repaired, covers with light soiling and scracthes. VD-16 P4481; Adams P2020; Sabin 64524; Graesse V. 423; Cioranescu 17815; Smitskamp 242; Postel pp. 35-37.

ギヨーム・ポステルの主著であり、キリスト教世界の再構築を目指すその壮大な企図を明らかにした大著。

「ポステルの生涯の目標は『和合』という一語で表された。これは彼の最も重要な著作の標題において鍵となるものであり、彼の思惟の基調を成すものであった。この言葉の世俗的な意味は人類の平和を指す。だがポステルにとってこの語は様々な意味が絡み合い、思想的な複合体の全体像を示すものだった。彼はその直接的な政治的意義を知りつつも、実のところは十字軍の主唱者であり、単なる世俗的な平和主義者ではなかった。『世界の和合について』は宣教師のための手引書であって、『和合』には宗教的な意味がある」(ブースマ)。

世界の改宗のための宣教計画を開陳した本書は四部からなり、哲学的論拠に基づきキリスト教の教義を根拠付けた第一部に続き、独自の翻訳による『コーラン』からの引用を数多く含むイスラーム批判(第二部)、世俗・宗教の二つの法に依拠しながら世界共通の原理を導き出し(第三部)、虚偽の信仰を平和裡に真の信仰へと変える道筋を示しています(第四部)。

「神はその愛を注ぐのに分け隔てなく、『真の宗教』もあらゆる人々を対象に含むものとなる。ポステルは普遍的な宗教と普遍的な国家の必要性を訴えた最初の人物の一人である。神のもとに統一化された世界を築こうとするポステルの計画は、『普遍主義の父』とされるジャン・ボダンの著作より二十年以上も先行するものだ」(マリオン・カンツ)。

ポステルは本書の第一部のみをパリのピエール・グロモールから1543年に自費で刊行、また一部を敷衍した小著 Sacrarum Apodixeon ならびに De Rationibus Spiritus Sancti の二点も同年に上梓しました。彼はパリ大学に本書を提出して認可を求めましたが得ることなく、バーゼルのヨハン・オポリヌスから全四部が刊行されたのは翌年のこと。

十八世紀の牛革装(背に補修)。保存状態は良好。

(学術洋書部)