人文社会系研究

音楽専門事典の最高峰MGGがついにオンライン化

2017.11.16

「音楽の歴史と現在」の名を持ち、MGGの愛称で知られる世界最高峰のドイツ語音楽専門事典Die Musik in Geschichte und Gegenwart。1949年から1968年にかけて、全17巻からなる第一版が刊行されました。冊子体の現行版は、1994年から2007年にかけて発行された第二版です。3,500名以上の寄稿者、1万9千以上の項目で構成されるこの第二版をベースとしたオンライン版MGG Onlineが、Bärenreiter社とJ.B. Metzler社およびRILMの共同開発により、2016年11月にリリースされました。世界中の著名な音楽研究家によって執筆された項目を、最新の検索・操作機能を搭載したインターフェイスでご提供するMGG Onlineは、世界中の音楽研究機関、教育機関にとって欠かすことのできない重要なレファレンスデータベースです。

最新の知見を反映するオンライン版

MGG Onlineは、継続的な更新、増補、新規立項で、最新の知見を提供します。原則として、最低100件の主要項目を毎年改訂・増補を実施(major update)、毎年5-10件以上の項目が新たに立項されます。主要項目以外も、適宜改訂を実施しています(minor update)。これらの項目は、編集長と著名な音楽研究家で構成される国際的な編集顧問陣の共同作業で選定され、音楽学や関連する学際分野の視点の変化と拡大を反映し、特に、ポピュラーミュージック、ジャズ、現代の作曲家や演奏家の分野が拡大しています。

トップページ
新しい記事や大幅に改定された記事が表示されます。
また今日生まれた/亡くなった人物や日替わりのお勧め記事などを表示し、 利用者の好奇心を掻き立てます。

第二版以降の改訂履歴を提供

改訂前の内容は、ワンクリックで表示を切り替えることができます。改訂項目の公開年とあわせて、冊子体第二版以降の記事をMGG Onlineで参照することができます。

ドイツの作曲家カールハインツ・シュトックハウゼンの項目(旧版では存命中、2007年逝去)。
画面右のOTHER VERSIONS欄「2006(MGG2)」をクリックすると、旧版項目を参照することができます。

主題別項目

美学、音楽理論、時代、ジャンル、国、地域、都市、楽器などを網羅しています。古代以降の音楽史の領域は勿論、民俗音楽、舞踏、現代音楽、ジャズ、ロック、ポップスなどの項目も充実しています。

人名項目

16,000件の人物項目により、世界の作曲家、理論家、演奏者、印刷業者、音楽出版社、楽器職人など、古代から現代まで、古今東西の音楽に関わる人物を網羅します。

Prince (1958-2016)。2017年10月に新規立項されました。
デビュー当時の音楽業界事情、Warner等の大手プロモーターとアーティストの関係、
インターネットによるアーティスト自身による新たな販路構築などが詳述されています。
こうした記事は音楽産業やインターネット時代の新しいプロモーションの手法など
文化経済学、マネジメントの研究にも材料を提供します。

翻訳機能

MGG Onlineの収録コンテンツはドイツ語で書かれていますが、インターフェイスは、ドイツ語、英語の2種類が用意されており、ワンクリックで切り替えることができます。またGoogle翻訳機能を搭載しており、英語をはじめとした各国語への訳文を表示することができます。該当部分にカーソルを置くと、ドイツ語原文がポップアップで表示され、訳文がわかりにくい場合の確認に便利です。

Google翻訳機能で英語を指定。
コンテンツの任意の箇所にカーソルを置くと、ドイツ語原文がポップアップ表示されます。

オンラインならではの多彩な機能

さらにオンライン版ならではの様々な機能を搭載、調査をサポートします。

検索結果一覧

検索結果一覧画面。
画面左には、絞り込みメニューが用意されており、記事のタイプ(全ての記事、特定の人物、一族、主題)、著者、 職業(作曲家、ピアニスト、指揮者、音楽学者、教育家、オルガン奏者 他)で 検索結果を絞り込むことができます。

引用情報

画面右のCITEボタンをクリックすると、引用情報が表示されます。

ブラウズ画面

人物項目の職業ブラウズ画面。
他にも記事タイトル順、執筆者のブラウズ画面が用意されています。

※MGG Onlineは、大学等教育機関向けに年間購読契約でご提供する法人向けサービスです。

(紀伊國屋書店 データベース営業部 伊佐)
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