米国の非営利学術出版社Annual Reviewsのオープンアクセス推進のための年間購読モデル「Subscribe to Open」プログラムについて、Annual Review of Cancer Biologyに続き、Annual Review of Public Healthが年間購読からオープンアクセスへ移行が決定、公開開始いたしました。
Annual Reviewsによるプレスリリースはこちら
現在、COVID-19の世界規模の流行による研究支援として3月13日より4月末まで全コンテンツを開放中ですが、開放終了後もSubscribe to Open プログラムとして公開した2誌(Cancer Biology および Public Health)は引き続き公開されます。残り3誌(Environment and Resources, Nuclear and Particle Science および Political Science)については刊行時に改めて発表されます。
Annual Review of Public Healthについて
公衆衛生学各分野での研究動向を俯瞰して把握できるレビュー・ジャーナルです。Annual Reviews編集による招待制により高品質なレビューを提供します。(1980年創刊、eISSN: 1545-2093、2018年インパクトファクター:10.776)
本誌は慈善団体の寄付金により2017年にオープンアクセス化を実現しましたが、寄付金の終了に伴い2019年は再び年間購読モデルに戻りました。今回のSubscribe to Open成功により再び公開される運びとなりましたが、発行年によりライセンスが異なり、詳細は以下の通りです。
・1980~2016:free to read (公開していますが、再利用・二次配布は不可です)
・2017~2018:CC-BYライセンスによるオープンアクセス
・2019:free to read (公開していますが、再利用・二次配布は不可です)
・2020:CC-BYライセンスによるオープンアクセス(発行日:2020.04.02)
編集のUCLA特別教授ジョナサン・フィールディング博士(前職は米カリフォルニア州ロサンゼルス郡の公衆衛生局長)によれば、今回の公開により、年間購読費用の捻出が難しい低・中所得国を含む新しい読者を獲得し、特に集団医学(population health、米国を中心に注目されている分野)といった学術振興に寄与することを期待しています。(前回公開時のPaywall有無によるアクセス数推移は、こちらの”2.Annual Review of Public Healthの事例”として紹介しています。)
Annual Review of Public Health
https://www.annualreviews.org/journal/publhealth
キーワード:疫学 / 生物統計学 / 労働環境および労働衛生学 / 社会環境と行動学 / 公衆衛生政策と実践 など
Annual Reviewsとは
米国カリフォルニア州パロアルト市にある非営利の学術出版社です。1930年にスタンフォード大学の化学研究者であったJ.ミュレイ・ラック教授により創始されました。代表的なタイトルのAnnual Review of Biochemistryは1932年にラック教授により創刊され、2020年4月現在、51分野での年次レビューを刊行しています。高レベル・高品質なレビュー論文は Reviews with Attitude(姿勢を持ったレビュー)と呼ばれています。
Reviews with attitude on Vimeo(日本語字幕あり)
https://vimeo.com/326859334
日本向け「老年学」関連特設サイト(4月末まで再度公開中)
https://www.annualreviews.org/page/gerontology
過去の分野別特設サイト(4月末まで再度公開中)
https://www.annualreviews.org/page/collectionarchive
本件についてのお問い合わせについては最寄りの紀伊國屋書店営業所もしくはこちらの問い合わせフォームからお願いいたします。
(紀伊國屋書店 雑誌営業部 江崎)