ワイリー・デジタル・アーカイブ-英国科学振興協会アーカイブ、刊行前特価キャンペーン開始!
世界各国の有力な学協会・図書館・史料館などと提携し、彼らが所蔵する歴史的に価値の高い一次資料をデジタル化してご提供する電子コレクションWiley Digital Archivesに、新たにThe British Association for the Advancement of Science (BAAS)-英国科学振興協会アーカイブが加わりました。
本アーカイブは2020年6月にリリース開始、2021年3月に全コンテンツの搭載を予定しています。ワイリーでは本アーカイブのリリース開始を記念し、2021年3月末までの期間限定で、本アーカイブを15%引でご提供する刊行前特価キャンペーンを実施します。
維持費がかからない完全買切でのご提供です。ぜひこの機会に購入をご検討ください。
キャンペーン期間:2021年3月末まで
英国科学振興協会アーカイブとは
英国科学振興協会(BAAS:British Association for the Advancement of Science)は、英国における科学全体の枠組と基盤を提供すべく、活動してきました。分野を超えて各分野の科学者や機関が一堂に介し、それぞれの研究成果を共有するという学際的な性質が反映された同協会の所蔵資料には、極めて多岐にわたる分野が取り上げられています。
それぞれの時代における最も影響力を持つ科学者たちの業績、思索、相互作用を関連づけた唯一のアーカイブであり、種の形成理論を構築したダーウィンから希ガスの発見でノーベル化学賞を受賞したラムゼーまで、1830年代から1970年代にかけての英国科学史を、分野や大学を横断して記録します。
本アーカイブは、BAAS所蔵の資料や英国有数の複数の大学コレクションから、英国科学史の著名な研究者チームが選定した選りすぐりの資料群を収録します。収録コンテンツの9割以上が、これまで目録化・電子化されたことがないものです。
英国科学振興協会と提携しているコンテンツ・パートナー例
※( )内はコレクション名と分野他。
- University of Liverpool
(Oliver Lodge Papers(物理学))
- University College London
(Papers of William Ramsay(化学) / Papers of John Burdon-Sanderson(医学))
- University of Cambridge
(19th and early 20-century scientists: Maxwell, Thompson, Stokes, Herschel, Newton
(物理学、天文学))
- University of St Andrews
(David Forbes Collection(電気、気象学、BAAS関連文書))
- University of Exeter
(Papers of the pre-eminent astronomer, Norman Lockyer(天文学。Lockyerは、BAASの会長を務めていた))
- The Sedgwick Museum of Earth Sciences
(Unpublished notebooks Adam Sedgwick, (Sedgwickはイギリスの地質学者))
- Univesity of Leeds
(BAAS関連文書)
- University of Glasgow
(Papers of William Thomson, the great 19th century physicist.(Thomsonはイギリスの物理学者))
分野例と対象年代
- 科学・物理学 1864-1967年
- 化学 1837-19678年
- 地質学 1837-1958年
- 動物学 1888-1974年
- 経済学・統計学 1888-1956年
- 工学 1888-1947年
- 文化人類学 1889-1962年
- 生理学 1894-1954年
- 心理学 1921-1960年
- 植物学 1899-1947年
- 教育学 1902-1975年
- 農学 1910-1912年
- 関連分野 1922-1970
ハイライト・コンテンツ
チャールズ・ホイートストンの明晰な知性
チャールズ・ホイートストン卿は、科学分野で博識な起業家、発明家、教師であり、常に「もしも」と問いかけ続ける明晰な知性の持ち主でした。彼の家族はロンドンで音楽関連のビジネスを手掛けており、父親はフルートの製作、手ほどきをし、兄は製作の一部を担いました。
ホイートストンの初期の発明品が、音楽や音に焦点をあてていたのも自然なことで、コンサーティーナ(手風琴)、魔法の竪琴―竪琴を真似た共鳴箱で、上階で演奏している楽器の伝響板をワイヤーでつないで音を送る―を発明しました。
科学に関する正規の訓練を受けていなかったものの、King’s College in Londonの実験哲学の教授となり、電気分野で先駆的な実験を行いました。
この種のものとしてはロンドンで初となる通信機器の電気通信、ステレオスコープ、偏光で時を告げる時計、海底ケーブルなどを共同開発しました。
Draft by Sir Charles Wheatstone. Source: King’s College London Archive.
ハーバート・チャトリーの多彩なキャリア
土木技師ハーバート・チャトリーは、知識欲が旺盛で、聡明な知性の持ち主でした。21歳の時に、” Problems of Flight, a Textbook of Aerial Engineering”(飛行の諸問題:航空工学教書)を執筆しました。Municipal College in Portsmouthで講師を2年間つとめた後、中国北部のTongshan Engineering Collegeの土木工学の教授となり、その後25年間、中国に滞在しました。
上海に移ると黄浦江管理委員会で働き、湾浦河口や長江河口の泥、沈泥を調査し、地域の浚渫プラント建設を監督しました。
中国やエジプトの天文学、中国の密教にも関心を持ち、関連トピックに関する数々の論説を発表しました。
第二次世界大戦勃発に伴い、ロンドンに戻ったチャトリーは、マルベリー港(連合国軍侵攻中、ノルマンディ沖に停泊していた補給線保護のために使われた浮体式人口港)で働くために海軍本部に入り、その功績によりフランス政府からレジオンドヌール勲章を与えられました。
From the Chatley collection at UCL Senate House Library.
ウィリアム・ラムゼーとノーベル賞
ウィリアム・ラムゼーは、University College London(UCL)の科学部長となり、窒素酸化物やその他の非反応気体の研究に着手、ジョン・ウィリアム・ストラット(レイリー卿)と共に、ノーベル賞を受賞しました。
2人共、化合物中の窒素が大気中の窒素より軽いという観測から、大気中の窒素より重いガスがあると考え、この観測がアルゴンの発見につながります。アルゴンは、不活性の性質から「怠け者」を意味するギリシア語の単語から名づけられています。
そのちょうど1年後、ラムゼーは、発見後12年間にわたり大気中にのみ存在すると考えられていたヘリウムを分離します。その後、現在元素周期表第18族の希ガスとして知られるキセノン、ネオン、クリプトン、ラドンを発見します。
Correspondence between William M. Ramsay and Dr. Keltie. Source: RGS.
ヘリウムの発見
ジョセフ・ノーマン・ロッキャーは、そのキャリアを20代の時に戦争省の文官からはじめましたが、いつも空を見上げており、天文愛好家から先駆的な天体物理学者となります。
望遠鏡に分光器をとりつけることで―それ自体も革命的な進歩でしたが―日食を待たずに白昼に太陽大気を調べることができるようになりました。これによって彼は、太陽のスペクトルの中に未知の元素を特定し、これがヘリウムの発見につながりました。5000マイル離れたところで、ピエール・ヤンセンがインド遠征中に日食を見ながら同様の観測を実施します。
両科学者の観測を詳述した論文が、フランス科学アカデミーに同日に到着したことから、この発見は、両者のものとなりました。
Lockyer, Sir J. Norman. J. Norman Lockyer, Norman Lockyer, et al., Special Collections, 1863-1913. Source: Royal Geographical Society (with IBG)
英国科学振興協会が、150年間の歴史の中で蓄積してきたこれらの資料類は、科学的発見、科学の中心としての英国の台頭を記録するとともに、協会内部の視点を提供します。Wiley Digital Archives – The British Association for the Advancement of Science (BAAS)を通じて、これらの類まれな資料類をぜひご活用ください。
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(書籍・データベース営業部 伊佐)