図書館をつくる

OCLC News 42号

2020.08.07

OCLC News 第42
商品情報をはじめ、OCLCに関する様々な情報をご案内致します。

OCLC WorldShare Management Services が図書館システムに関するAPUC Framework Agreement で最高位を獲得

OCLCは図書館マネジメントシステムに関する最新のAPUC Framework Agreementにおいて、最高位のサプライヤーとしてランクインしました。APUC(Advanced Procurement for Universities and Colleges)は、2007年に設立されたスコットランドの大学の為の公共調達センターで、費用節減の為の入札のサポートや、契約面でのサポートなどを行っています。今回のアグリーメントによって、APUCのメンバーになっているスコットランドの機関は、入札を経ずにWorldShare Management Services(以下WMS)を契約できるようになりました。

メンバー機関が入札を行う手間を省くことを目的として、APUCフレームワークは各社の図書館マネジメントシステムを、開発、導入、サポート、機能において詳細に比較しました。OCLCのWMSは、クオリティと価格の双方において高い評価を得て、全ての面で最も高い点数を獲得しました。

クラウドベースの図書館サービスプラットフォームであるWMSは、電子と紙媒体両方の資料を一つのインターフェースから簡単に管理できるので、図書館員の作業負担を軽減します。またWMSは世界最大の共同書誌目録WorldCatを基盤としていることから、世界中の図書館が協力して作成した書誌データを活用でき、図書館業務がより効率的になります。

今回のアグリーメント発効から二年間は、スコットランドの機関にとどまらず、契約を結んでいる他のイギリスの教育機関にも適用されます。

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REALMプロジェクト 2回目の実験結果公開
OCLC / 2020年7月20日

REALM: REopening Archives, Libraries and Museums 文書館、図書館、博物館の再開

REALMプロジェクト、第1段階の一環として、バテル研究所はウイルスの自然減衰テストを実施し、一般的に取り扱われている素材を次に利用するまでにどの程度の期間隔離する必要があるかについて情報を提供しました。テストは、標準的な室温・湿度条件で保管された5つの素材に病原性SARS-CoV-2ウイルス(COVID-19の原因となるウイルス)を塗布して実施されました(テスト計画書[PDF]をダウンロード)。試験に使用した資料には、米国議会図書館障碍者サービス部門*、コロンバス市立図書館**、米国国立公文書館***から提供された以下のものです。

  1.  閉じた状態の点字図書のページ*
  2.  閉じた状態の図書の光沢紙ページ**
  3.  閉じた状態の雑誌ページ**
  4.  閉じた状態の厚紙製幼児用図書**
  5.  重ねられた状態の保管用フォルダー***

各資料からのサンプルにウイルスを塗布し、閉じた本や雑誌の中に入れました。次に、積み重ねられた本の間に置いたり、書棚に差したり、またはフォルダや雑誌の山の間に入れたりして一般的な保管状態を模倣する状態で置かれました。(1回目のテストでは、資料は棚に差したり重ねられたりしていませんでした)

保管用フォルダを積み重ねた状態で2日間検疫を行った結果、SARS-CoV-2ウイルスは検出されませんでした。

点字図書のページ、図書中の光沢紙のページ、厚紙製の本は、重ねた状態で4日間検疫を行ったところ、ウイルスが検出されなくなりました。

雑誌のページでは、4日目に微量のウイルスが検出されましたが、4日目が検疫最終日でした。

この評価では、標準的なオフィスの温度(68℉~75℉°=20℃~24℃)と相対湿度(30~50%)の条件が、これらの素材上に存在する SARS-CoV-2 の自然な減衰を可能にする環境を提供していることが示されました。テスト1の結果と比較して、テスト2の結果は、セルロースベースの紙を積み重ねて使用する場合、SARS-CoV-2が検出されなくなるまでには、若干長い時間が必要であることを示しています。

Test 2 の報告書をダウンロード [PDF]

その他の素材でのテストは進行中です。セット4と5でテストされる項目の詳細とテストセット3の結果は、8月上旬までに公開される予定です。

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OCLC ResearchのブログHanging Togetherより
不確実性の時代のメタデータ管理
カレン・スミス-ヨシムラ

Coronavirus image from WebMD

これは最近、ワシントン大学のエリン・グラント氏、プリンストン大学のジェニファー・バクスマイヤ―氏、オーストラリア国立大学のロクサーヌ・ミシンガム氏、スミソニアン研究所のスザンヌ・ピルスク氏が発起人となり、OCLC研究図書館パートナーズのメタデータ・マネージャー達によって議論されたトピックです。COVID-19の危機は、図書館が利用者にサービスを提供する方法に劇的な変化をもたらしました。多くの図書館は、機関の継続的な研究、教育、学習の要求を満たすために、電子書籍の購入数を増やしました。目録や統合検索サービスを通じた資源の発見は、これまで以上に重要になってきています。また、在宅勤務が「当たり前」になってきていますが、誰にとっても必ずしもそうとは限りません。物理的な資料を処理するスタッフは、自宅で作業をすることができないため、仕事をしていないか、仕事の割り当てが変わってしまったかのどちらかです。メタデータ管理者はこの時期から、将来の危機をどのように考えるべきか、また、スタッフが実際の職場で仕事に復帰した後、どのように異なる運用を行うべきかについて、多くの教訓を得てきました。

ほとんどの図書館は突然閉鎖され、リモートでの作業経験のあるスタッフはほとんどいませんでした。 3つのバーチャル・ディスカッションと9カ国のメタデータ・マネージャーの間で共有された問題(58ページに及ぶ解説)を以下に要約します。

リモートでできる既存または新規のメタデータ作業: オンラインリソースとデジタルコレクションの作業は、在宅での作業に非常に適していました。図書館は請求書をデジタルで請求し、処理することができました。物理的な資料を持ち帰って目録を作成できる目録担当者もいましたが、そうでない者もいました。図書館は、オンラインの新規受入リスト、スプレッドシート、またはデジタルでの代替物として資料の特定のページをスキャンすることで、現物なしでの目録作成に対応するため、新しいワークフローの実験をしなければなりませんでした。シドニー大学では、携帯電話で貴重書をスキャンして、他のスタッフが自宅から目録を作成できるように前処理する様子を写したビデオを制作しました。

パンデミック前から始まっていた「PからEへ」(印刷物から電子版へ)という全体的な変化が加速したのは、キャンパスが閉鎖された図書館がオンライン教育をサポートしなければならなくなったためです。それまで印刷体コレクションの処理に重点を置いていたスタッフは、代わりに電子資料の目録作成をすぐに学ばなければならず、この時期には、主要な図書館サービスをサポートするために必要不可欠な業務を遂行するため、チームへの横断的なトレーニングと再トレーニングが急増しました。このようにオンラインへの移行には、図書館全体でより全体的なアプローチが必要となり、多くの議論や調整、その場その場でのトレーニングセッションが行われました。

この危機的状況の中でサービスをオンラインに移行したことが、メタデータ業務に与える影響: 

  • 一貫性があり、正確で完全なメタデータの価値に注目が集まった
  • レコードを一度に一つずつ編集するのではなく、メタデータを一括編集することの重要性を高めた
  • 付加価値向上活動を遠隔・オフラインで実施するのが適切だという事がはっきりした
  • 管理者に、スタッフがもしもの場合のプロジェクトに取り組むのを妨げている障壁について考える時間を与え、新しい仕事や既存の仕事に取り組むためのより良い方法を考える時間を与えた
  • デスクトップコンピュータの代わりにノートパソコンを導入したり、現場で過ごす時間を減らしてよりリモートワークを多くするよう再検討したり、より多くの人が複数業務を担当する事を認識したりと、図書館がスタッフの仕事の取り決めに対してもっと柔軟になる必要があることを認識させた

メタデータ担当職員が在宅勤務へ移行するための経営的支援に成功: すべての図書館職員は役割を問わず在宅勤務に必要な機器を確保するための経済的なサポートを受けました。メタデータ・マネージャーは全員が記録的な速さで仮想環境に接続できるようにしたITスタッフを賞賛しています。彼らは、定期的に頻繁にチェックインする仮想会議、個人とチームのサポート、図書館管理者からの明確なメールでのコミュニケーション、仕事、家庭、家族の責任のバランスを取ったり、両立させたりすることのストレスを認識することの重要性を強調していました。メタデータ・スタッフは自分たちの生産性に誇りを持っており、管理者は「作成されたレコードの数」に代わる新しい指標やパフォーマンス指標を考え出さなければなりませんでした。すべてのスタッフが評価され充実していると感じられるように職務を平等に分配することが、共通の課題となっています。

全面的仮想環境への切り替えの技術的な課題に取り組む: 図書館スタッフは驚くほど早く全面的仮想環境に切り替えました。 以前に在宅勤務をしていた図書館員はわずか数名でした。全員が在宅勤務に移行するというのは極端な変化であり、管理者にはあらゆる業務活動用のリモートアクセスのシステムを検討する十分な時間がありませんでした。一部の図書館では、職員にラップトップPCやChromebookを提供し、インターネットにアクセスできない、または帯域幅が十分でない職員のためにホットスポットを設置することができました。 また、多くの職員は、リモートワークに必要な技術に慣れていませんでした。管理者はすぐにスタッフ間の「デジタルデバイド(情報格差)」に気づくようになりました。図書館システムの中には、オフサイトでの目録作成作業のための完全な機能を持っていないものもあり、Amazon Web Services上に「リモートワークスペース」をインストールして、ローカルの図書館システムとの基本的な機能をある程度可能にしているものもありました。管理者やITスタッフは、スタッフがVPNやその他のリモートアクセスの仕組みを設定するのに多くの時間を割かなければなりませんでした。このような問題があったため、すべてのスタッフが自宅で仕事ができたわけではありませんでした。

ZoomとMicrosoft Teamsによって仕事や職場のつながりは維持されていました。これらのオンライン会議は、これまでの対面会議よりも効率的だと思うスタッフもいれば、”Zoom疲れ “を感じているスタッフもいました。 バーチャルな「井戸端会議」は、チームのつながりの場、目的意識を持たせる場、評価される場、スタッフが困難な状況でもお互いに助け合う場を提供していました。 同僚が解雇されたり、予算が大幅に削減されると予測されているため、士気が下がりつつあったのです。

スキルギャップとトレーニングへの対応:スタッフのトレーニングとその開発は、この期間のメタデータ業務の成功への核心部分となっていましたが、その結果、対処すべきスタッフのスキルのギャップが浮き彫りになりました。一部のメタデータスペシャリストの技術的スキルを更新するためにトレーニングコースを早急に実施し、電子書籍のメタデータ処理に関するチーム全体のスキルアップを図る必要がありました。物理的コレクションにアクセスできないと仕事ができないスタッフは、新しい仕事に再配置されなければならず、それには多数のトレーニングと指導とが必要でした。米国のHathiTrustのメンバーは、Hathi Trustの緊急一時アクセスサービス(ETAS)を利用して、物理的コレクションに相当する資料へのオンラインアクセスを合法的に提供しています。インターネットアーカイブは、大学、学校、図書館が2020年6月16日まで閉鎖されている間、緊急の遠隔教育、研究活動、独立した奨学金を支援するための一時的な図書コレクションNational Emergency Library (NEL)へのアクセスを提供しました。管理者は、従来のワークフローに対してプロジェクト管理のアプローチを取らなければなりませんでした。具体的には、キャンパスがオンライン教育、オンラインサービスのみを提供しているため、電子書籍の購入者が急増していることへの対応に重点を置いてタスクに優先順位をつけ、スタッフの能力を無数の新しいプロジェクトに適応させなければなりませんでした。メタデータ管理者は以前からクロストレーニングを増やしたいと考えていましたが、今回の危機はそれを加速させました。また、ILL、電子資料、研究支援、IT サービスなどの他部門との連携も強化されました。

ワークフローとコレクションの再考:管理者が機敏で迅速なアプローチを取ることで、ワークフローが見直されました。今では非現実的で古臭いと思われる、時間のかかる手作業のプロセスは新しい方法に置き換えられました。例えば、以前は真っ赤なフォルダにファイルされていたライセンス書類は、審査、注釈、署名のため、組織の指揮系統の上下に持ち運ばれていましたが、「仮想の赤いフォルダ」になり、ライセンスの審査プロセスが大幅にスピードアップし、合理化されました。面倒なステップがなくなり、ジャンルや件名標目の編集、その他のメタデータの追加編集がバッチ処理に移行しました。これらのメタデータ強化プロジェクトにリモートで取り組むことで、メタデータスペシャリストは、カタログ作成者としての見方だけではなく、ディスカバリー・レイヤーを通した目録利用者の見方を理解するようになりました。また、メタデータスペシャリストは、物理的なコレクションを参照することなく、データの品質管理や処理の初期段階でより良いメタデータにしておく必要性をより深く理解できるようになりました。

この時期の最も根本的な変化は、図書館が自分たちのコレクションを考えることから、自分たちの機関の壁をを超えて電子リソースへのアクセスを拡大することへと移行したことです。図書館はすぐに、HathiTrustの貴重なするETASやInternet ArchiveのNELを利用しても、学術関係者が必要とするすべてのコンテンツがデジタルで利用できるわけではないことを知りました。

ポストパンデミックのメタデータ・ワークフローに持ち越すべき変更点:スタッフが自宅のみで仕事をしていた3ヶ月間の経験から、メタデータ管理者は、新型コロナウィルス感染拡大期間中にしなければならなかった変更点について次のように考えています。その内の第一は、業務配置に対する柔軟性をアップする事です。この期間は、多くのメタデータ作業がリモートで行えることを実証しました。通勤時間の長いスタッフは、少なくとも週に数日自宅で仕事をする機会がある事を歓迎するでしょう。メタデータ管理者は、メタデータの取得や作成に従事するスタッフには、今後もテレワークの機会が拡大していくと予想しています。「テレワークはすっかり生活に浸透したものとなっています。」

メタデータ管理者は、この危機から得たポジティブな経験の影響として以下のようなものを挙げ、引き続き期待しています。

  • スタッフの技術スキルの向上と新しいスキルを学ぼうとするスタッフの意欲の向上
  • 仲間や他部門とのコミュニケーションの増加、研究支援など他部門のプロジェクトへのメタデータの関与増加
  • 直接行う必要のある業務のみに特化した現場作業
  • 他人の境遇への深い思いやり
  • フォーマットに特化した専門分野のみ行う事を減らし、スタッフが複数のフォーマットに対応できるスキルを持つ
  • ベンダーのメタデータとバッチプロセスへの依存度を高め、手動でのメタデータレコードの作成とメンテナンスへの依存度を下げ、物理資料の取り扱いを減少させる
  • デジタル代替物からの目録作成を拡大
  • 研究管理支援、調査データ、研究者ID管理など、スタッフの柔軟性を高め、新たな業務の受容
  • 物理的な会議に代わる、または物理的な会議を補完する、分散したスタッフ間のチームワークを促進するための継続的なビデオ会議
  • 利用者が資源を発見するためのメタデータ、リンクの維持管理、デジタル化活動、データベースの維持管理の重要性について機関としての認識を向上させる

すべてのメタデータ作業を自宅で行うことができるわけではなく、複雑な作業を伴うことから、混成的作業モデルが将来的に必要になることが予想されます。効果的なチーム編成には、対面とオンラインの相互作業が混在していることが必要となるでしょう。

この時期に電子・デジタル資源への依存度が高まったことで、これまで物理的な形でしか利用できなかった古文書や特徴的なコレクションをより多くデジタル化したいという研究機関の欲求が加速するでしょう。コレクションへのオンラインアクセスの重要性は、このCOVID-19 危機の時ほど説得力を持って示されたことはありません。教養課程がオンラインで提供され続ける可能性が高いため(この記事を書いている時点では、対面授業がいつ再開されるかはまだ不明です)、より多くのスタッフがデジタルリソース、つまり図書館が入手したもの、図書館の物理的なコレクションからデジタル化されたもの、および他のコレクションから利用可能なもの、にシフトする必要があります。世界的なパンデミックの経験を共有したことで、メタデータは研究のためのアクセスをサポートするだけでなく、教育や遠隔学習を支援するための重要な活動であるという考え方が再び勢いを増してきました。

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OCLC Research オープンコンテンツに関する新たなリポートを発行

7月7日にOCLC Researchの新たなリポート「Open Content Activities in Libraries: Same Direction, Different Trajectories—Findings from the 2018 OCLC Global Council Survey」が発行されました。このリポートでは、現在の大学・研究機関におけるオープンアクセスにまつわる活動の広がりや、将来の方向性に関する知見を提供しています。

このリポートはOCLCメンバーに対する「全世界の図書館におけるオープンアクセスにまつわる活動やオープンアクセス資料の現況は?」という質問への答えを集積したものです。この調査はOCLC Research とOCLCグローバル評議会の協力のもと、2018年から2019年にかけて行われました。この調査の図書館のオープンアクセスにまつわる活動の幅広い定義とグローバルな視野は、これらの活動の発展状況や多岐にわたる内容を明らかにし、図書館コミュニティに新たな視点を提供してくれます。

以下、リポートの抜粋をご紹介します。

  • 調査に回答のあった国のうち、69ヶ国はオープンアクセスにまつわる活動に大いに関わっており(97%)、大多数は活動をステップアップさせ、新たな内容も予定している。
  • オープンアクセスにまつわる各活動において、活動への参加が10–18%増えることが予想される。
  • 将来的に成長が予期される新分野は、オープンリサーチデータの管理と、統計的手法・機械学習を通したデジタル化されたオープンコレクションとの相互作用。

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OCLCが今年もBest Places to Workにランクイン

OCLCは今年もBest Places to WorkのIT・小規模組織部門において16位にランクインしました。OCLCが選出されるのは、11回目になります。

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(紀伊國屋書店 OCLCセンター)


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