図書館をつくる

OCLC News 41号

2020.07.09

OCLC News 第41
商品情報をはじめ、OCLCに関する様々な情報をご案内致します。

REALMプロジェクト:現状報告

OCLC / 2020年5月20日, 6月3日, 6月17日, 6月22日, 6月26日更新

REALM: REopening Archives, Libraries and Museums 文書館、図書館、博物館の再開

REALMは、OCLC博物館・図書館サービス機構 (IMLS=Institute of Museum and Library Services)、およびバテル記念研究所 (Battelle Memorial Institute) の研究パートナーシップで、新型コロナウィルス (COVID-19) が博物館、図書館、文書館のスタッフ及び訪問者に感染するリスクを軽減するための科学的情報と推奨行動を作成、配信するプロジェクトです。
フェーズ1 (2020年5月~8月)、フェーズ2 (2020年6月~10月)、フェーズ3 (2020年10月~2021年9月) の3段階で行われ、研究結果はツールキットリソースの形で提供されます。

プロジェクトフェーズ1: 文献評価と実験

フェーズ1は、特に米国の公共図書館で一般的に所蔵し、頻繁に処理/貸し出される資料に重点を置いています。

  • 発表済科学的研究文献のレビューを行いました。目的は、以下の問題に関して既存のSARS-CoV-2(COVID-19を引き起こすウイルス)についての研究を収集、評価することです。

1. ウイルスは公共図書館の一般的な実務を通じてどのように拡散するのか?

2.ウイルスは、環境による希釈の影響を受けて物質の表面でどのくらいの期間生存するのか?

3.公共図書館が短期間で容易に行えるさまざまな予防および除染対策は、どの程度効果があるのか?

→ 6月17日、その結果として、システマティック文献レビュー (PDF : 579KB) が公開されました。

  • 実験室でのテスト方法を詳述したバテル記念研究所の技術テスト計画書 (PDF : 405KB) は、6月2日、WebJunctionサイトでリリースされました。
  • バテル記念研究所は、2020年5月13日に最初の素材テストを開始しました。この実験では、公共図書館でよく目にし、大量に貸し出され、返却される事が予想される5つのアイテムが選ばれ、新型コロナウィルスを付着させてから死滅するまでの時間を確認しました。実験のためバテル記念研究所に提供された資料は、コロンバス市立図書館のものです。6月22日発表の実験結果–それぞれの物質の表面で新型コロナウィルスが検出されなくなるまでの日数–は以下の通りでした。
  • バクラムクロスで装丁されたハードカバー表紙 → 1日
  • ソフトカバーの表紙 → 1日
  • 閉じた状態の図書内側ページ → 3日
  • プラスチック保護カバー → 3日
  • DVDケース → 1日

実験は、関連する研究文献のシステマティック文献レビューに基づき、エアコンが効いたオフィスで、標準的な温度・湿度下で行われ、5種類とも3日後にはウィルス未検出であったと説明しています。

実験結果の詳細はこちらからご覧ください。
また6月23日からはコロンバス市立図書館、米国国立公文書館、米国議会図書館障碍者サービス部門から提供された資料を使用し、以下5つの素材実験を行っています。この結果は7月末に公表される予定です。

    • 閉じた状態の点字図書のページ
    • 閉じた状態の図書の光沢紙ページ
    • 閉じた状態の雑誌ページ
    • 閉じた状態の厚紙製幼児用図書
    • 重ねられた状態の保管用フォルダー

また、公共図書館がどのように再開に向けて準備を進めているのかを紹介した公共図書館再開計画集を6月25日に公開しました。

当記事の詳細はこちらから(日々更新されます)>>
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EZproxy Analytics -マンチェスター大学での試験的利用-

マンチェスター大学図書館は、有料シリアル (ジャーナル、定期刊行物、年鑑、新聞、会議議事録) 38,000タイトル以上、584のデータベース、70万タイトル以上の電子書籍という英国最大の学術デジタルコレクションを所蔵しています。これらのコンテンツ全てを管理する事は容易ではありません。マンチェスター大学図書館スタッフは、複数の場所から手動で基本統計を持ってくるのではなく、一箇所で詳細な利用レポートにアクセスするチャンスと考えてEzproxy Analyticsの試験的利用に取り組み、導入を決定しました。

図書館は、試験的利用によりデータの全体像を使用して電子リソースの費用対効果を評価、および伝達するなど、潜在的な可能性に興奮し、導入に値すると結論付けました。 電子資料コーディネーターのティム・オニール氏は次のように述べています。「OCLC EZproxy Analyticsは私たちにとって優先事項であり、来年にはその可能性を最大限に活用することを目指しています。 それは私たちの電子リソースの価値だけでなく、利用者行動や傾向に関する強力なインテリジェンスを私たちに与える事を保証しています。」

Ezproxy Analyticsはクラウド版EZproxyの分析サービス (有料オプション)です。OCLC News 第37号でのご紹介後、日本を含むアジア太平洋地域でのサービスを開始しました。この機会にマンチェスター大学の試験利用ケーススタディ日本語版を作成しましたので、是非ご覧ください。

EZproxy Analyticsの主な機能と特徴は以下の通りです。

      • EZproxyログファイル内の膨大な量の電子リソース使用量データを抽出、濃縮、変換し、理解、伝達、および可視化が容易になるようにします。
      • 電子リソースの使用状況の全体像を把握することができます。プロキシ・サーバーはすべてのアクセス・イベントとセキュリティ・イベントをログに記録するため、EZproxy Analyticsは、コンテンツ・プロバイダーが統計情報を提供していない場合でも、すべてのコンテンツ・プラットフォーム・サブスクリプション全体にわたる電子リソースの使用状況の全体像を提供します。これにより、独立したデータソースが提供されるため、図書館はCOUNTERレポートのギャップを検証して埋めることができます。
      • 意思決定のための豊富な利用データを提供します。図書館は、コンテンツ・プラットフォーム、ユーザー・グループ、リソース・タイプ、ジャーナル、場所などの単位で電子リソースの利用状況を見ることができます。また、ユーザーIDや地域別のログイン試行などのセキュリティ情報に絞ったダッシュボードにアクセスして、不正使用を監視して防止することもできます。
      • OCLCによって完全にホストされています。EZproxy Analyticsでは、最適なデータ容量と処理速度を提供するための作業はOCLCによって行われます。実行するために別途ライセンスや技術をローカルにインストールする必要はなく、データがサーバーに保持される期間は図書館が決定します。
      • すぐに使える豊富なダッシュボードのセットが用意されています。図書館は実装の一環として、コレクション開発、研究サポート、セキュリティなどについての洞察を提供する、最も一般的なダッシュボードのセットへすぐにアクセスできます。
      • カスタムレポートと視覚化を独自に作成する機能があります。図書館は、コンテンツ・プラットフォーム、リソース・タイプ、場所などのデータ・ポイントを参照の上、グラフ、チャート、表、インタラクティブ・マップなどのビジュアライゼーションを作成することができます。
      • ダッシュボードは共有およびエクスポート可能です。ダッシュボード、レポート、ビジュアライゼーションを共有またはエクスポートして、共同作業やさらなる分析に役立てることができます。
      • GDPR(General Data Protection Regulation = 一般データ保護規則)に準拠しています。

マンチェスター大学ケーススタディ (9ページ : PDF : 2MB) はこちらから>>

当記事の詳細はこちらから>>

OCLC News 第37号記事はこちらから>>

―OCLCのリーダーたちが知見や経験を共有するブログ Nextより―
WorldShare Management Servicesで共にイノベーションを

OCLCはリーダーたちの知見や経験を、blog “NEXT”で読者の皆様と共有しています。

今回は、OCLCマネジメントサービス上席役員スコット・リビングストン(Scott Livingston)がWorldShare Management Services(以下WMS)の成り立ちと未来について記した投稿” Libraries innovate together with WorldShare Management Services”より抜粋をお届けします。

” Libraries innovate together with WorldShare Management Services”(WMSで共にイノベーションを)では、WMSの成り立ちがこう語られています。

WorldShare Management Services (WMS)は最初のクラウドベースの図書館サービスプラットフォームでした。そしてそれは新たな技術というだけでなく、変革とも呼べるものでした。WMS以前は、図書館システムは他と連携せず、イノベーションが起こる事は稀でした。世界中の図書館が、孤立して運用されていたシステム同士を連携させ、遅々として進化しない図書館界に、イノベーションを巻き起こすような新たな選択肢をOCLCに求めました。

こうした成り立ちを受け、図書館マネジメントの未来を考えた時、そのキーワードは当初からのWMSの核心である「協力、イノベーション、選択」であると述べています。

協力 -選ばれるWMSとそのユーザーたち-

WMSは常に革新的な図書館を惹きつけてきました。過去3年間だけでも、新たな図書館システムを探している図書館の50%以上が、OCLCのWMSを選択しています。そして現在、世界中で650以上の図書館がWMSを利用しています。また”the Library Perceptions 2020 report”によると、過去二年間で他の統合型図書館システムに乗り換えようとしているWMS利用機関の数は25%減りました。一方、他社製品のユーザーで図書館サービスプラットフォームの切り替え先を探している機関の数は40%増えており、WMSユーザーと明確な対比を成しています。

イノベーション -絶え間ない技術革新-

過去三年間のいずれにおいても、OCLCはWMSに対して200以上の改良・強化を施してきました。OCLC Community CenterとOCLC Developer NetworkというWMS利用機関を繋ぐバーチャルハブは、滾々と湧き出るインスピレーションの源です。これらの活気に満ちたコミュニティは、過去三年で追加された新機能の70%以上をより洗練されたものにしました。持続的フィルタやカスタムサーチボックスは、WMS利用図書館員のコラボレーションに端を発するアイディアです。もとは特定の知識範囲の検索に特化させるために設計されましたが、COVID-19の影響で紙媒体のコレクションを利用できない間、WMS利用機関が利用可能な電子資料とオープンアクセス資料をリサーチするのに、これらの機能が非常に重要であることは、ますます明らかとなっています。

選択 -オープンアーキテクチャとしての利点-

WMSはオープンアーキテクチャとして設計されているので、各利用機関がそれぞれの利用者の要望に応えるツールキットを自作することができます。WorldShare APIに対しては、毎日300万以上のコールが行われます。これは、他の図書館サービスプラットフォームより30%も多いのです。利用機関による素晴らしいイノベーションの多くは、OCLC  Developer Networkを通して全WMSコミュニティと共有されています。

協力しあう未来

この数ヶ月、我々は未来がいかに不確かなものであるか目の当たりにしてきました。COVID-19が図書館界をどのように変えるかに関わらず、また技術、経済、国際政治に、来年もしくは次の10年に何が起きるかに関わらず、我々が協力すれば、図書館界により良い答えを見つける力があることを確信しています。

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(紀伊國屋書店 OCLCセンター)


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