図書館をつくる

Cambridge University Press – Read & Publishモデルのご紹介

2020.09.16
Cambridge University Pressのロゴ

ケンブリッジ大学出版では、2019年8月に大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)様とRead & Publish(R&P)モデルの提案合意を致しました。こちらは、従来のサブスクリプションモデルの枠にとらわれない、全く新しい形のご提案になります。今回は、R&Pとはどのような契約なのか、そして、弊社のオープンアクセス(以後OA)への取り組みをご紹介させて頂きます。

Cambridge Open Access

Cambridge University Pressのオープンアクセス論文を含むジャーナル

Read & Publish(R&P)とは

R&Pとは、従来のサブスクリプション(Read)とOA出版(Publish)の2つの側面を兼ね備えた機関契約モデルです。R&Pモデル契約機関に所属する著者は、契約内容に応じて、OAの懸案の一つである論文のArticle processing charge(APC)を個別に支払うことなくOA出版が可能となると共に、契約コンテンツにもアクセスすることができます。

JUSTICE様では初めてのR&Pモデルの合意となり、ケンブリッジ大学出版においてもアジア初の契約となりました。

2020年7月現在、世界でおよそ20ヶ国、26のコンソーシアム/機関様とR&P契約が結ばれており、その数は日ごとに増えています。また、日本国内では、R&P契約にご賛同いただいた機関様との契約が2020年1月よりスタートし、多くの機関様において、昨年のOA論文数を上回っている状況で、今後も更に増えていくと見込まれます。

ケンブリッジ大学出版におけるオープン・リサーチおよびR&Pモデルの重要性

ケンブリッジ大学出版は、世界最高水準の教育と学術研究のソリューションの提供により社会に貢献することをミッション(使命)に掲げております。オープンツールを使用してアクセシビリティや学術コラボレーションを促進し、効率性や学術的影響度(インパクト)を高めるオープン・リサーチは、私たちのミッションに直結する活動だと確信しています。その為、オープン・リサーチは私たちにとってとても重要と考えております。

R&Pモデルは、著者や彼らの所属機関および資金を提供する人々に変わって完全なOAへの持続的にかつ責任をもって移行していく最前線にあるというケンブリッジ大学出版の決意を示しています。R&Pモデルのご提案は、オープン・リサーチへの長期的な取り組みの1歩であり、学術出版へのアクセス強化および学術コミュニティーの持続性と品質を確保していくことへとつながると考えております。

R&P対象の論文のプロセス方法

論文の投稿に際しては、通常の投稿と同じプロセスを踏んでいただくことなります。R&Pモデルご契約機関様に所属する研究者の方がOA出版を希望した場合、出版決定後に、ご契約内容に応じて、APC決済を代行するプラットフォームRightslink®にて手続きをさせて頂きます。

OA論文のAPC処理状況ならびに必要な対応について、著者ならびに図書館様へ適宜メールで通知されます。メールのリンクをクリックすれば該当する画面に直接アクセスでき、APC決済処理ができるシームレスな環境となっております。

対象となる皆様には、図書館様および弊社から、APCのご負担がない旨ご案内させていただいておりますが、弊社のHPからも、対象機関様が分かるようになっております。詳しい流れにつきましては、日本語のガイドを準備しておりますので、弊社総代理店紀伊國屋書店もしくはケンブリッジ大学出版日本オフィス(japanacademic@cambridge.org)までお問い合わせください。

オープンアクセス出版をするメリット

CUPジャーナルをオープンアクセス出版する利点

Cambridge University Pressのジャーナルをオープンアクセスで出版する利点

OA論文は、誰でも自由にアクセスが出来、高品質で査読済の内容を閲覧できる大変重要な出版方式である一方で、OA出版に対しては、論文は品質が悪いものではないか、また、著者には何もメリットがないのではないかという心配の声も耳にします。しかしながら、それは全くの誤解です。弊社に提出されたOA論文および図書は、non-OA投稿と差異のない厳密な査読と出版プロセスが行われます。

また、OAコンテンツはオンラインで誰でも無料で閲覧が可能なため、論文の見つけやすさや、利用率、被引用数及びダウンロード数は従来より大幅に上がると言われております。そのため、著者の皆様にとっても非常にメリットのある出版様式と言えます。

更に、研究支援をされている機関様にとりましても、より影響力があるOA論文が増えることにより、国際的な評価の向上に寄与されるとも言われておりますので、研究者ならびに機関共に相乗効果が期待されております。

前述の通り、オープン・リサーチへの移行は、私たちケンブリッジ大学出版にとって最も重要なミッションの1つであると考えており、ミッションを実現する活動においてアジアで初めてのR&Pモデル契約をJUSTICE様とさせていただいたことは大変嬉しく思っております。R&Pモデルは、オープン・リサーチを今後長期的に進めていくために不可欠であり、また機関様の学術研究成果の更なる発展に寄与するものだと考えておりますので、是非多くの機関の皆様にもご賛同いただき、新しい学術界を共に作っていきたいと考えております。

Read and Publish Agreements
https://www.cambridge.org/core/services/open-access-policies/read-and-publish-agreements

Publishing Open Access
https://www.cambridge.org/core/services/authors/journals/publishing-open-access

(ケンブリッジ大学出版株式会社 佃由佳子)