図書館をつくる

OCLC News 46号

2020.12.25

OCLC News 第46号
商品情報をはじめ、OCLCに関する様々な情報をご案内致します。

『OCLC News』一覧 >>

目次

  1. REALMプロジェクト6回目の実験結果及びツールキット・リソース更新と生データセット公開
    OCLC / 2020年11月19日
  2. ケベック州大学図書館連合がWorldShare Management Servicesを利用開始
  3. WorldCatを通したオープンアクセスの教育コンテンツへのアクセス支援
  4. ―OCLCのリーダーたちが知見や経験を共有するブログ Nextより―
    図書館をオープンアクセス・コンテンツのハブに

REALMプロジェクト6回目の実験結果及びツールキット・リソース更新と生データセット公開
OCLC / 2020年11月19日
REALM: REopening Archives, Libraries and Museums 文書館、図書館、博物館の再開

REALMプロジェクトの研究の一環として、バテル研究所は6回の自然減衰研究を実施し、公文書館、図書館、博物館で一般的に置かれている資料で感染性ウイルスがどのくらいの期間生存するかについての情報を提供してきました。COVID-19ウイルスで汚染された物体(媒介物とも呼ばれる)を介した拡散は、現在のところ、主要な感染経路ではないと考えられていますが、感染経路をよりよく理解するためには、さらに研究を行う必要があります。実験は、標準的な室温(68~75℉、22±2℃)及び相対湿度(30~50%)の条件で保管された5つの材料に病原性SARS-CoV-2ウイルスを塗布することによって実施されました。6回目の実験材料は、以下のものです。

実験材料 素材 用途 結果
ガラス ガラス 窓, ドア, 陳列ケース 6日後

ウイルス未検出

大理石 ダンビー大理石 床, カウンター, 柱 2日後

ウイルス未検出

ラミネート材 ラミネート加工された裏打ちパーティクルボード カウンタートップ 6日後

ウイルス未検出

真鍮 260真鍮 什器, 手摺 2日後

ウイルス未検出

粉体塗装スチール 粉体塗装スチール ロッカー, 書架, ブックトラック, 展示物 6日後

ウイルス未検出

大理石は国立公園局、ラミネートはメトロポリタンニューヨーク図書館協議会、粉体塗装スチールは米国議会図書館から提供されました。その他の材料は、業者からサンプルとして調達したものです。

6回目の実験で使用された5つの材料はすべて非多孔質表面であり、適切な液体消毒法が検疫法よりも迅速な除染を促進する可能性があります。
SARS-CoV-2への使用に関してEPAの基準を満たしている消毒剤および表面洗浄剤のリストを見る。

第6回の実験結果は2020年11月19日に発表されています。

6回目の実験結果を見る

データファイル 過去5つのREALM実験結果の生データセットが利用可能になりました。これらのデータセットには、各日に各実験材料で検出されたウイルス量の詳細と、テストされた各素材のウイルス減衰を示すチャートが含まれています。実験データは、他の研究者による分析を支援するために提供されています。

1回目からの実験結果を見る

ツールキット資源

REALMプロジェクトのツールキット・リソースが更新され、テスト6の結果と新しいグラフィック、フェーズ2文献レビューの視覚的解釈が追加されています。これらはダウンロード可能なファイルで、REALMプロジェクトの結果を共有したり、COVID-19パンデミックに関連した方針決定、手続きの開発や発展について議論する際にお使いいただけます。

リソースを閲覧する

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ケベック州大学図書館連合がWorldShare Management Servicesを利用開始

ケベック州の大学連合であるthe Bureau de coopération interuniversitaire (BCI)の図書館関係の分科委員会となっているケベック州大学図書館連合(Québec university libraries、Québec university=ケベック州大学連合の図書館からなる組織の呼称であり、特定の一館を指すものではない。)は現在、WorldShare Management Services (WMS)上の総合目録でコレクションを管理しています。

The Québec university library partnership (QUL)はBCIとOCLCの協力のもと、ケベック州大学連合所属の18館の総合目録をWMSに移行させました。英語に加えてケベック州の公用語であるフランス語にも対応したインターフェースを持つWorldShareプラットフォームは、QUL内の共同作業を更に拡大・レベルアップさせ、18館分の総合目録を基盤としてユーザーエクスペリエンスを強化することを可能にしました。

またケベック州大学連合の学生と教職員は、検索ツールとしてSofiaが利用可能になりました。SofiaはWorldCat Discoveryのように紙媒体、電子媒体問わず様々な資料を一つの検索ボックスから検索でき、18の図書館全てのコレクションを検索することが可能です。Sofiaはリアルタイムでケベック州大学図書館連合のコレクションから簡単に資料を探し出すことができ、また該当の資料をどの機関がどの言語で所蔵しているか表示したり、各機関のユーザー規約に従いながら、Sofiaを通して資料へのリクエストを送信したりすることも可能です。

BCI図書館分科委員会議長、兼HEC Montréal 図書館館長のBernard Bizimanaは以下のようにコメントしています。

この10年でデジタルリソースが堅調に増えていることが、図書館の環境を根本的に変えました。こうしたことから、18のケベック州大学連合が力を結集して、シェアードクラウドコンピューティングのサービスプラットフォームをセットアップし、コレクションへのシンプルで直感的なアクセスを提供できるようにしたのです。WorldShare Management Servicesは私たちに、多岐に渡るフォーマットや言語のリソースをシームレスに共有することを可能にしてくれると信じています。

WorldShare Management ServicesはWorldCatを基礎としたクラウドベースの図書館サービスプラットフォームで、業務をより効率的にする為に、世界中の図書館が協力して作成したデータや作業成果を引用することができます。WMSはまた図書館スタッフが全てのフォーマットの資料をよりよく管理し、ユーザーが図書館コレクションと世界の知識により簡単にアクセスすることを可能にします。

OCLC副社長、図書館サービス部門アメリカ担当のBruce Croccoは、以下のようにコメントしています。

WorldShare Management Servicesは世界の図書館と協力し、より効率的に業務を行うことで、ケベック州大学図書館連合がゴールを達成するのを助けています。我々は北米研究図書館協会(ARL)、全ての規模の学術図書館、バイリンガルの図書館グループに仕えるOCLCの能力を発揮する為に、フランス語と英語が使われるケベックの大学図書館のこの大きなグループと協働する機会を得られて光栄です。OCLCとケベック州大学図書館連合の成功したパートナーシップは、これらの偉大な機関の学生と教職員に今後大いに寄与するでしょう。
この新たな総合目録をWMS上に作成するにあたっては、ケベック州大学図書館連合とOCLCのスタッフが緊密に連携することが必要でした。新型コロナ流行に伴う種々の制限が、この努力をより難しくしました。コロナ禍にあるにも関わらず、プロフェッショナル達が予定通りにプロジェクトを完了させるために、献身的な努力を捧げました。

ケベック州大学図書館パートナーシップの為のWMS図書館サービスプラットフォームは秋学期に先駆けて、この夏から利用されています。

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WorldCatを通したオープンアクセスの教育コンテンツへのアクセス支援

コロナ禍において、オープンアクセス(OA)の教育コンテンツの価値は更に高まっています。
OCLCはWorldCat Discovery や WorldCat.orgを通じて無料でアクセスできる、ハイクオリティなOAコンテンツで図書館、研究者、教育者、学生をサポートしています。

OCLC理事、事業開発・出版社管理部門担当のSuzanne Kempermanは以下のようにコメントしています。

図書館において、コンテンツ管理におけるオープンアクセスの学術出版管理の比重はますます高まっています。WorldCatにOAコンテンツとopen educational resources (OER)を取り込むことは、これらの価値ある学術資料に対するディスカバリとアクセスを増やし、情報を求める人たちに対するバリアを取り払います。

OCLCはコレクションを増やし、ユーザーフレンドリーなディスカバリサービスを提供することで、OAコンテンツをより発見しやすく、アクセスしやすくしています。

バークベック・カレッジ文学部教授、兼デジタルエデュケーションチームの技術、出版、ストラテジー部門リーダー、Martin Paul Eve は以下のようにコメントしています。

OAコンテンツは重要です。しかし、発見できなければ、何の意味もありません。我々のOCLCとのパートナーシップは、(人文科学分野のOA誌プラットフォームである)Open Library of Humanitiesのタイトルが世界規模の図書館カタログに取り込まれることを確実にし、今後ずっと誰にでも無料でアクセスできる我々のOAモデルを披露します。

The Open Library of Humanities (OLH)は)著者が論文掲載料を支払う必要がない、OAの研究成果の出版を行う慈善組織です。OLHは28誌の査読付きジャーナルを出版しており、学術出版をより公平に、よりアクセスしやすくし、デジタル化が進んだ将来に向けて厳重に保管するというミッションに携わる、約300の図書館からなる国際的なコンソーシアムによって資金を提供されています。OLHは今まで2020年度AOP Small Digital Publisher of the Year、2019年度the Coko Open Publishing Awardを受賞したほか、2020年度the ALPSP Award for Innovation in Publishingにおける優秀賞なども獲得しています。

OAの教育リソースを含めたOAコンテンツは、特にコロナ禍において、リモートで教え、学んでいる間に教職員や学生に大いに必要とされる学術情報をオンラインで提供することができます。

Open Education Network (OEN)の出版部門理事のKaren Lauritsenは以下のようにコメントしています。

キャンパスのサポートが充実していくおかげで、多くの講師たちはopen educational resources (OER)をカリキュラムに含めることに興味をもっているか、既に含めるようカリキュラムを変更しています。入手しやすさを含めた恩恵、アクセス、フレキシビリティは、今年において特に重要です。これを念頭に置いて、OERが発見可能になるよう働くことは、学生の学びをサポートするにあたっての重要なステップです。

Open Education Network (OEN) はミネソタ大学の教育学部のオープン教育センターを拠点としています。OENのコミュニティには1,200以上のキャンパスが含まれています。ともにオープン教育プログラムを作成するための共有ストラテジーを開発し、またオープンライセンスの高等教育用教科書の包括的なリソースであるOpen Textbook Libraryをサポートしています。Open Textbook Libraryには現在800以上の教科書があり、ビジネス、法、医学、社会科学といったキーとなる分野をカバーしています。全て無料で、ほとんどは査読済みです。

現在、多様なOAコンテンツがWorldCatを通じて、伝統的出版社からも、代表的なOAプロバイダからも入手可能です。

OCLCは400以上の出版社・コンテンツプロバイダとパートナーとなっており、積極的に事前に所蔵が付与された書誌レコードを収集しています。これにより図書館コレクションが、最新の状態に保たれます。これは、急速に変化するeタイトルとeコレクションにとって重要なことです。

OCLCは世界最大の図書館組織のパワーを大規模なOAイニシアチブの支援にもたらします。出版社とコンテンツプロバイダに対しては、OAコンテンツの可視性をもたらします。図書館とそのユーザーに対しては、最適なディスカバリとアクセスの為に、OAコレクションを優先する手助けとなります。

OCLCのOAイニシアチブについての詳細は、こちらのページをご覧ください。

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―OCLCのリーダーたちが知見や経験を共有するブログ Nextより―図書館をオープンアクセス・コンテンツのハブに

トーマス E.フィリップス

私が管理を任されている図書館、オープンアクセス・デジタル神学図書館(OADTL)には明確な使命があります。私たちの目的は、質の高い宗教学のオープンアクセス・コンテンツを、世界中のコミュニティが単一の収集、整理された検索体験を通じて、発見できるようにすることです。手の届かない目標のように思われるかもしれませんが、あなたの機関でも同じようなミッションを書くことができるのではないでしょうか。

以下の[ ]を埋めてください。

私たちの図書館は、[(私たちの専門分野)]の高品質なオープンアクセス・コンテンツを、単一の収集・整理された検索体験を通じて、世界中のコミュニティで発見できるように尽力しています。

想像するだけで気分がいいでしょう?さて、私がお伝えしたいのは、ほとんど間接費をかけず、スタッフを増やさずに、その目標を達成する方法です。

全てのピースはそこにあり、それらを一緒に置くだけです。

何度も経験したことがあると思います。あるテーマについて誰かのために情報を探しているときに、素晴らしい、非常に具体的な作品を見つけ、それがたまたまオープンアクセスになっていたとしましょう。おそらく、リンクを提供することで煩わしい手間が減ることを知っているので、ほっとするのではないでしょうか。ペイウォールもなく、認証の心配もありません。そして、あなたは考えます。「もし誰かがこのテーマについての高品質なオープンアクセス資料をすべて一箇所にまとめて、簡単にアクセスできるようにしてくれたら、素晴らしいことでは?」

それはまさに私たちがやっている事、そしてあなたにもできる事なんです。私たちにとってのパズルのピースとは、

  • 特定の主題(宗教学)
  • 電子コレクションの目録化・作成を容易にする技術
  • 研修カリキュラムと指導者
  • 大学院生の就業体験単位取得へのニーズ

でした。

オープンアクセス・コレクションに入れる「良いもの探し」は、図書館学の大学院生でもできるということに気付いたのが、私たちの「そうか、分かった」の瞬間でした。私のスタッフにとっては高価で反復的な雑用だったものが、若い司書にとっては目的意識を満たす、興味深く有益な宝探しになったのです。

インターンのネットワーク、データのネットワーク

多くの場合、優れたオープンアクセス・コンテンツはすでに利用可能であり、図書館、博物館、学術団体、機関リポジトリ、文書館によって目録化されています。ただ、簡単に発見できるような方法で収集・管理されていないだけです。

このプロセスを開始するにあたり、OADTLのチームは、図書館科学の大学院生が、すでにWorldCatで目録化されている価値のあるオープンアクセス・コンテンツをどのようにして探し出すかについて、迅速な対応ができるよう、いくつかの簡単なトレーニング資料を考案しました。宗教学の分野においても、私たちは学生たちに、彼ら自身の興味に基づいてコレクションを作成するため、可能な限り自由裁量の余地を与えました。例えば、特定の歴史的な時代を専攻している学生が、その時代の資料を見つけることができるかもしれません。あるいは、特定の言語、地理的地域、宗教的伝統に精通している人は、そこに集中して資料を見つけるかもしれません。どういう事かお分かりですね。

そこで私たちは、共有可能なWorldCatナレッジベースコレクションを作成するために、WorldShare Collection Managerの正しい目録作成プロセスについてトレーニングを行いました。また、大学院生たちは検索者がWorldCat.orgの「オープンアクセス」ファセットを使ったときに、レコードが正しく表示されるように、856フィールドの設定も行いました。

私たちがどのようにしてこのプロジェクトのインターンを見つけたか、ですか?単純に、他の機関で図書館学講師をやっている仲間に連絡を取っただけです。私は、学生たちが単位が取得でき、履歴書に載せることができるような職業体験を常に求めていることを知っています。WorldCatのような高評価で人気のあるプラットフォームを使って、主題別のカスタムオープンアクセス・コレクションを作成する能力は簡単に売れるのです。

ウィンウィンウィンウィンウィンの関係

新しいコレクションが完成すると、検索エンジンで誰でもアクセスできるようになります。これは、このようなプロジェクトのほとんどの最終目的であり、私たちの使命と一致する部分です。しかし、私たちが実際にどれだけ多くの「勝利」を得ているのかを知って驚きました。

  • エンドユーザーは、質の高いオープンアクセス資料にアクセスすることができる
  • 公平性の問題に関心のある教育者は、コミュニティを支援することができる
  • 学生は実践的なコレクション構築と技術的能力を身につける事ができる
  • 図書館、文書館、博物館は、自分たちの既存の電子コンテンツをより注目させる事ができる
  • 図書館は、整理されたオープンアクセス・コンテンツを利用することにより、時間と費用を節約できる
  • 図書館は出版社とより有利な取引ができる

最後の1つに驚きましたか?私たちも驚きました。自分たちが持っているオープンアクセス・コンテンツの量をしっかりと把握し、信頼できる分野別リストを作成するようになってから、図書館はコンテンツ・プロバイダーの購読見積もり対し、自分たちが既に利用可能であることを知っているオープンアクセス・タイトルのキャンセルを依頼することができるようになりました。場合によっては、50%近くの節約になることもありました。

今度はあなたの番です

以下の3つの質問に自問自答してみてください。

  • あなたの教育機関の教育的使命、名声、経済的提案にとって重要な分野を持っていますか?
  • このようなプログラムのための初期プロジェクト管理やトレーニングを行うことができるスタッフはいますか?(仕事そのものではなく、学生が成功するように設定すること)。
  • オープンアクセスの資料は、公平な教育と学習を提供する上で重要な役割を果たすと考えていますか?

3つすべてにイエスと答えたなら、すぐに始められます。

オープンアクセスの資料は、図書館、文書館、博物館にあります―目に見えていてもなかなか見つからないこともあれば、どこかに隠れていることもあります。学習者、学生、市民は、それらを見つけたいと思っています。私たちには、それらをより早く、容易に発見できるようにするためのツールがあります。また、今日の図書館学の学生には、これらをつなげるための意欲、興味、探索のスキルがあり―そして、単位を必要としています!

私たちが最も得意とすること … 一致協力、をしましょう。もっと価値のある無料のコンテンツを、それを最も必要としている人たちが簡単に利用できるようにするために。


もっと詳しく知りたい方は、オープンアクセス・デジタル神学図書館がWorldCatとWorldShareをどのように使用しているかについての記事、または、トーマスと彼の同僚であるドリュー・ベイカーが録画したウェビナーをご覧ください。

当記事の詳細はこちらから≫

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(紀伊國屋書店 OCLCセンター)


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