皆さん、こんにちは。英語学習用の週刊英字新聞『The Japan Times Alpha』編集長の高橋敏之です。
「英字新聞を読んでみたいけれど、どのように活用したらよいのか分からない」
「興味はあるけれど、挫折してしまいそう」
という方のために、私がお薦めする英字新聞の活用法を6つのポイントに分けてご紹介しましょう。
1)興味のある記事だけ読む
時々、読者の方から
「Alphaを1週間で全部読み切れない」
というお便りを頂くことがありますが、全部読む必要はありません。日本語の新聞や雑誌でも、隅から隅まで全ページ読むことは、おそらくないですよね。英字新聞でも同じこと。見出しを見て、興味を引かれた記事だけ読むようにしましょう。
「その記事が日本語で書いてあったら読みたいか」
という基準で読む/読まないを決めてしまって構いません。自分が「読んでみたい」と思った英文は、結構スラスラ読めるもの。興味のない記事を無理して1本読むよりも、興味のある記事を3本読んだ方が英語力は伸びますよ。
英字新聞を購読する目的は、あくまで記事を通じて英語に触れることであって、決して全部読むことが目的ではないということを覚えておいてください。
2)分からなくなったら飛ばす
興味があって読み始めても、思いのほか難しくて内容が分からないということも、残念ながらあります。そんな時は、読むのをやめて別の記事を読むようにしましょう。
「この記事を読解するには、まだ自分の実力が足りていなかった」
と謙虚に割り切ることも大切です。
3)辞書は引かない
英文記事を読んでいれば、当然知らない単語が出てきます。それでも、まずは辞書を引かずに読んでみましょう。これにはいくつか理由があって、一つは辞書を引きながら読んでいると、どうしても面倒くさくなって、結果的に英文を読むことそのものをやめてしまいがちです。多少分からない箇所がでてきても、あまり細部にはこだわらずに記事全体の内容を理解することに主眼を置きましょう。ちなみにAlphaでは、難しい単語には日本語の注が付いているので、これを見れば解決する場合がほとんどです。
もう一つの理由として、単語の意味を文脈から推測する力を養うためです。英語はわれわれにとって外国語。どうしたって、知らない単語に出合うことは避けられません。未知の単語を文脈から「こんな意味ではないかな」と推測する力や、知らない単語がいくつかある状態で意味を理解する力も、英語の大切なスキルなのです。
英文中にどうしても意味が気になる単語が出てきたら、印だけ付けておいて、最後まで読み終わった後に辞書で確認するとよいですよ。
4)「じっくり読む記事」を決める
毎週1本、自分が最も興味を引かれた記事を選びましょう。すぐ上で「辞書は引かない」と書きましたが、この記事だけはしっかり辞書を引いて完璧に理解するように努めてください。このように、
「辞書を引かずにサラッと読む」+「辞書を引きながらじっくり理解する」
といった2方向からの活用をすることで、さらに力がつきますよ。
どの記事をじっくり読むかは、ご自身で決めていただいて結構ですが、私のお薦めはAlphaの1面記事。ここには、その週の最も重要なニュースを掲載しています。さらに、Alphaのウェブサイトでは日本語訳に加えて、私が1面記事の読解ポイントをじっくり解説する「編集長の英文読解術」という講座も提供しています。つまり、記事を理解する際に生じた疑問点も、サイトでしっかり解消できるというわけです。
5)最新号が届いたら処分
最新号が届いたら、前の号は処分してしまいましょう。こうすることで、
「捨てる前に、ある程度読まないともったいない」
という具合に、自分自身にプレッシャーをかけることができます。
6)どうしても読む時間がない時は…
忙しくて読む時間がとれない時には「記事の一文目」だけ拾って読むようにしましょう。英文記事は、冒頭で一番重要なことを伝えて、その後で細かい補足情報を徐々に出していくスタイルで書かれるのが普通です。つまり言い換えれば、最初の一文目に記事の要旨が集約されているため、ここを読むだけで記事の概要をつかむことができるのです。これなら仕事などの予定が立て込んでいるときでも、多少は英文記事に触れることができますね(※最初の1文目に最重要情報を書くのは、いわゆる「ニュース記事」のみです。それ以外の「読み物記事(旅行案内やインタビューなど)」はその限りではないので、ご注意ください)。
いかがでしたか? ここに挙げた6箇条を意識して、無理なく自分のペースで英字新聞を活用していきましょう。
執筆者PROFILE
高橋敏之
英語学習に特化した週刊英字新聞「The Japan Times Alpha」編集長。英語講師、英語教材編集者などを経て、2012年より現職。自身も英字新聞で英語力を飛躍的に高めた経験から、実用性と娯楽性を兼ね備えた新聞を作ることを日々追求している。
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