2021年8月31日、文部科学省より、「令和3年度 全国学力・学習状況調査」の結果が発表されました(*1)。調査は、全国の小学校第6学年・中学校第3学年を対象とし、国語、算数・数学の教科調査とあわせて、児童生徒向け、学校向けの調査質問紙による生活習慣や学習環境等の調査が行われました。
ここでは、その調査からいくつかご紹介した上で、本に触れる機会創出のためのご支援として紀伊國屋書店の取り組みをご紹介いたします。
家にある本の冊数が多い児童生徒ほど,教科の平均正答率が高い傾向がみられる
その調査報告書では、「家にある本の冊数が多い児童生徒ほど,教科の平均正答率が高い傾向がみられる」ことが報告されています(*2)。
児童生徒質問紙での質問22「あなたの家には,およそどれくらい本がありますか(雑誌,新聞,教科書は除く)」の回答結果と、教科調査の学力のクロス分析によると、家にある本の冊数が多いほど、国語、算数・数学の各教科において、学力調査での平均正答率が高くなる傾向がみられました。
質問22に対する回答(①~⑥)と、各教科の平均正答率(%)は以下の通りです。
本やインターネット、図書館資料などを活用した授業の増加
また、この調査報告書では、「調査対象学年の児童生徒に対して、本やインターネット、図書館資料などを活用した授業を計画的に行いましたか」の質問(学校質問紙調査 質問40)に「週に1回程度、または、それ以上行った」「月に数回程度行った」と回答した割合は、平成29年度の回答から小中学校ともに増加しており、授業における資料の活用機会が増えていることが読み取れます(*3)。
【小学校】
・週に1回程度,または,それ以上行った 10.5%(平成29年度)→20.8%(令和3年度)
・月に数回程度行った 32.1%(平成29年度)→49.2%(令和3年度)
【中学校】
・週に1回程度,または,それ以上行った 1.7%(29年度)→9.8%(3年度)
・月に数回程度行った 10.0%(平成29年度)→30.8%(令和3年度)
ICTを活用した学習状況
なお、ICTを活用した授業の頻度は増加しており、「ほぼ毎日実施した」と回答した小中学校の割合は50%以上となっています。また「学習の中でコンピュータなどのICT機器を使うのは勉強の役に立つと思いますか」との質問については、肯定的に回答した児童生徒の割合は90%を超え、高い割合となっています。
一方で「あなたは学校で、コンピュータなどのICT機器を、他の友達〔生徒〕と意見を交換したり、調べたりするために、 どの程度使用していますか」という質問については、「ほぼ毎日」と回答した児童生徒の割合は約10%、「ほぼ毎日」 と「週1回以上」をあわせると約40%でした(*4)。
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かつて詩人の長田弘は、「世界は1冊の本」と表現しました。紙の本はもちろん、電子書籍、雑誌や新聞、それらを搭載したデータベースなど、その扉は多様な形で広く開かれています。移動やコミュニケーションに制限がある今こそ、本が繋いでくれる世界と出会ってみませんか?
(紀伊國屋書店 「教育と研究の未来」編集委員会)
出典:
*1. 「令和3年度 全国学力・学習状況調査 報告書・調査結果資料」(国立教育政策研究所)
(https://www.nier.go.jp/21chousakekkahoukoku/)
*2.「令和3年度 全国学力・学習状況調査 報告書」、p. 125-126 (国立教育政策研究所)
(https://www.nier.go.jp/21chousakekkahoukoku/report/data/21qn.pdf)
*3.「令和3年度 全国学力・学習状況調査 報告書」、p. 72 (国立教育政策研究所)
(https://www.nier.go.jp/21chousakekkahoukoku/report/data/21qn.pdf)
*4.「令和3年度 全国学力・学習状況調査の結果(概要)」、p. 13 (国立教育政策研究所)
(https://www.nier.go.jp/21chousakekkahoukoku/21summary.pdf)