OCLC News 第57号
商品情報をはじめ、OCLCに関する様々な情報をご案内致します。
目次
OCLC Capiraが2022 The Modern Library Awardsで各賞受賞
OCLCの図書館関連サービス群であるCapira(CapiraMobile、 CapiraCurbside、CapiraReady、LendingKey、MuseumKey)は、図書館の新技術や設備の導入、コレクション構築に関する意思決定を支援する団体Library Worksの主催する2022 The Modern Library Awardsで以下の賞を受賞しました。
The Modern Library Awardsは、図書館業界の優れた製品・サービスを評価・表彰する為に創設され、2015年より授与されています。
※2022年3月時点でCapiraの日本での提供予定は未定です。
プラチナ賞(Platinum Award)
CapiraMobile
3年連続でプラチナ賞を受賞したCapiraMobileは、利用者が携帯電話を利用して図書館のイベントやサービスについて知り、所蔵資料を検索することができます。またデジタル利用者カードの機能があり、自動貸し出しを行うこともできます。図書館からも、利用者にイベントのお知らせなどを通知することができます。
CapiraCurbside
同じくプラチナ賞を受賞したCapiraCurbsideは、利用者が図書館に入ることなく、予約した書籍などを受け取ることを助けます。図書館システムとシームレスにつながるこのアプリは、利用者に予約した資料が準備出来ている事、どのようにピックアップするか伝えることができます。
LendingKey
LendingKeyは、図書館が本以外の物を貸しだすプロジェクト” Library of Things”の最高のソリューションです。カメラやアウトドア用品、楽器などの貸し出し対象を管理し、利用者がそれらを予約することを可能にします。
金賞(Gold Award)
CapiraReady
金賞を受賞したCapiraReadyは、一から作らなくても自館向けにカスタマイズをするだけで利用者に図書館アプリを提供することができます。
銀賞(Silver Award)
MuseumKey
銀賞を受賞したMuseumKeyは、ウェブサイトを通じて簡単に美術館・博物館のチケット予約をしたり、美術館ごと・日付ごとのレスポンシブなカレンダーを見られるようにしたりします。
OCLCのChief Technology及びInformation Officer のバート・マーフィー(Bart Murphy)は以下のようにコメントしています。
「我々は、製品のパフォーマンスに基づいてこれらの製品を評価してくれたお客様、及び賞を与えてくれたLibraryWorksに感謝しています。パンデミックが続いている中で、これらの製品は図書館の外にいるお客様との繋がりを深め、利用者が資料を入手することを可能にしました。私たちは、これらの製品やサービスを進化させ続け、フレキシブルなソリューションを提供し、図書館がコミュニティに一番良い方法でサービスを提供するのに必要なテクノロジーを確実に使えるようにしていきます。」
The Modern Library Awardsはバイアスのかかっていないフォーマットで図書館業界の優れた製品・サービスを評価・表彰する為に創設されました。製品・サービスは簡単な申請で応募することができ、プライベートサイトに詳細な解説文と付帯資料とともに掲載されました。その後小さなグループに分けられ、LibraryWorksの8万以上の公立図書館、幼稚園から高校までの図書館、学術図書館、その他特別図書館などからなるデータベースに送られました。
審査にあたっては、これらの製品・サービスを使用した経験が豊富な顧客のみが評価を行うことが許され、機能、価値、カスタマーサービスなどの設問に対して1~10点で点数付けを行い、公正な結果がもたらされました。
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OCLCグローバル評議会のArea of Focus 2022:図書館とオープンエコシステム
世界的な図書館共同体であるOCLCは、OCLCメンバーより評議員を選出します。3つの地域の評議会から更に選出されたOCLCグローバル評議会員は、OCLCにとって重要な問題や、将来的な戦略を検討します。
そのOCLC グローバル評議会は毎年、世界中の図書館が直面する課題に合わせ、注力する重点分野を選定しています。このテーマに対し、OCLCメンバーの皆様は、図書館の地理的な場所やタイプ、また図書館スタッフとしてのキャリアレベルも越えて、OCLCコミュニティに声を届けることができます。
2022年の評議会はOCLC Researchと提携し、地域のエコシステム(収益活動協調体制)における図書館の幅広い影響、つまり図書館が所属するコミュニティの社会的、教育的、情報的、環境的インフラと図書館の共生について探求していきます。
詳しくは、是非OCLCメンバーシップのページより、Global Council Area of Focusをご覧下さい。
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電子リソースの予算を確保、増額するためのデータ分析5つの課題–EZproxy Analitics利用で解決を
ジャスティン・パーカー
(以下は2020年3月OCLCのブログNextに投稿されたものです。日本でのEZproxy Analyticsご紹介を機に掲載いたします。)
マンチェスター大学図書館 購読担当課長 ジャスティン・パーカー
マンチェスター大学図書館 電子資料コーディネーター ティム・オニール
マンチェスター大学の購読担当課長と電子資料コーディネーターである私たちの仕事のひとつに、大学が電子資料への投資で最良の取引ができるようにすることがあります。しかし、「最良の取引」とは、実際には何を意味しているのでしょうか。最も安い資料という意味でしょうか?安い購読料でも、まったく利用されないのであれば、よい買い物とは言えません。また、無料のオープンソースコンテンツであっても、それを利用できるようにするための目録、ディスカバリー、コース管理システムに関連するコストがかかります。
課題は、私たちが提供する電子資料から学生、教師、研究者が得る価値をより良く評価する方法を見つけることです。そして最終的には、教育機関の持つ上位目標の中で図書館資料の重要性を正確に伝えるため計画を改善することです。しかし、どうやってそこに到達するのでしょうか?最近、私たちは電子資料の利用経路を追跡することに時間を費やしましたが、その結果からいくつかご提案します。
いつ、なにを、だれが、どのように・・・
単独で存在しているデータ、例えば文脈情報がない物差しには、重大な欠点があります。そのため、電子資料の利用状況を全体的に把握し、学生や研究の成功、ひいては全体の価値と結びつけることが難しくなります。以下は、電子リソースデータの全体像を評価し、改善するのに役立つ5つの質問です。
あなたのレポートが最も効果を発揮するのはいつですか?タイミングが重要です。例えば、パッケージ内のオープンアクセスリソースの比率が上がっているのに、コストが下がっていない場合、それはなぜでしょう?経時的な変化に関する適切な情報があれば、料金の交渉も可能になります。
実際、何にお金を払っているのですか?優れたメタデータが重要です。私たちは、優れたメタデータが発見と利用を促進する鍵であり、それが学生や教員にとっての価値を高めることにつながると考えていました。デジタルコレクションのメタデータ専門家を任命したところ、一次資料の中には非常に簡素なMARCレコードでしかサポートされていないものがあることが分かり、驚かされました。私たちは、長年所蔵してきた資料で利用可能なMARCレコードのレベルについて議論し、新しいデジタル化プロジェクトの計画開始時にメタデータの提供を真剣に検討するよう、主要なサプライヤーすべてとの一連の話し合いを開始しました。私たちは、これがディスカバリー体験を向上させ、利用率を劇的に向上させると信じています。
コンテンツを利用しているのは誰ですか?利用者を特定しましょう。購入したコンテンツがどのような人に利用されたかを把握する必要があります。匿名化されたレポートでは、どの利用者グループがどの論文やデータベースを閲覧しているかが分からない場合、少人数で利用する高価なパッケージは契約損のように思われるかもしれません。しかし、特定の分野や重要な集団に属しているまさにその資料に適切な学生が、学部が意図したとおりにそれらを使用しているのであれば、それは実際には成功と言えるのです。
ROI(費用対効果)を全面的に向上させるにはどうすればよいのでしょうか。普段の活動にマーケティングを追加してみましょう。コストを測定し、利用促進キャンペーンを行い、その効果を分析します。驚くべきことに小さな利用促進活動でも、利用率を高めることができるのです。そして、新しいクリックが増えるたびに、全体の利用単価が下がります。
なぜ図書館の予算が増えるのでしょう?データは嘘をつかないからです。どこでデータを入手するかにかかわらず、重要なのは、ターゲットとする読者に関する具体的な分析を適切なタイミングで行い、図書館の予算について論拠を挙げて説明することです。私たちにとって、OCLC EZproxy Analyticsのパイロット図書館になれたことは、本当に喜ばしいことで、一元化された情報源から素早くデータを取得できるようになったことは、大きな前進でした。
ボーナス質問: どこで?
マンチェスター大学にはオフサイトの管理センターがいくつもあり、今後、これらの整備が進めば、世界中の学生にそのメリットを実証していきたいと考えています。EZproxy Analyticsでは、新しいデータとマッピングツールを組み合わせて、私たちの世界的影響力を視覚化することができます。これは、ゲートカウントやクリック数、ヒット数をはるかに超える、強力な観点を提供します。
私たちにとって、データに文脈や比較を織り交ぜることは、サクセスストーリーを見つけ、検証し、伝えることを後押しするものです。そして、これらのストーリーは、電子資料の費用対効果を説明するものです。
そこで、あなたの図書館の電子資料データに潜む「価値の物語」について、同じように自分に問いかけてみてください。もしあなたがその質問に答え、そのストーリーを語ることができれば、あなたの図書館の予算と影響力について、これからはもっと強く訴えることができるようになるでしょう。
マンチェスター大学図書館のEZproxy Analytics試験運用についてもっと知りたい方は、ケーススタディの全文 (英文) をこちらからダウンロードできます。
ケーススタディ日本語版はこちらから≫
SKEMA ビジネススクール (フランス、リール)のEZproxy Analytics導入について (英文) はこちらから≫
ブリュッセル王室図書館 (ベルギー)のEZproxy Analytics導入について (英文) はこちらから≫
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