ストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Research Institute、略称SIPRI)により1969年に創刊されたシプリ年鑑(SIPRI Yearbook)は、軍備・軍縮・国際安全保障についての権威ある客観的データを提供するレファレンスとして、世界的な評価を受けています。
このたび発売された最新の2020年版は今の世界をどう捉えているのか、SIPRIウェブサイトのサマリー・ページから探ってみましょう。
核軍縮の厳しい展望
世界全体で保有する核弾頭数は2019年から2020年にかけて若干減少したものの、核保有国は目下いずれも自国の核兵器システムの近代化を推進または計画しており、今後の核軍縮の見通しは極めて厳しいと見ています。
核戦力についての各国の情報開示が不透明であることも背景に、国際情勢の不安定性は増したという見地から、核兵器以外の通常兵器の管理、各地の武力紛争、軍事費、国際武器移転と武器生産などのさらなる論点に分析を進めています。
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国際協調に向けての課題
第51版を迎えた2020年版の序章では、不安定性の増した国際情勢を「中東や南アジアなど世界各地に見られる紛争の火種」「INF条約の失効や新START条約延長協議の難航といった軍備管理の低迷」「気候変動に関わる安全保障課題」「COVID-19をはじめとする世界共通の問題解決に向けた国際協力」の4テーマを鍵として論じています。
→より詳しく(SIPRIウェブサイト)
シプリ年鑑の各版は、それぞれ直近の1年の国際情勢や軍事・安全保障上の主な出来事・問題関心を反映しています。最新版と過去の版とを併せて参照すれば、年を追っての変化をより明らかに把握することが可能です。
シプリ年鑑が提供するデータの客観性・信頼性は、世界中の軍縮問題研究者から、高い評価を得ています。毎年最新版を欠かさずご購入されますよう、お薦め申し上げます。
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