人文社会系研究

激動の時代を見つめる:JKBooks「The ORIENTAL ECONOMIST デジタルアーカイブズ」【後編】

2021.01.12

戦前・戦中・戦後を通し、51年間途切れなく刊行された英文経済誌「THE ORIENTAL ECONOMIST」をジャパンナレッジが提供する電子書籍プラットフォームJKBooks上にてご利用いただける「The ORIENTAL ECONOMIST デジタルアーカイブズ」。後編では1982年から1985年の期間で、トピックスとなる記事をピックアップしてご紹介します。

同誌の歩んだ歴史と学術的資料価値に迫る前編はこちら


1985年1月号ピックアップ記事

編集部が選定した、日本を代表する100人のエグゼクティブにアンケートを依頼し、日本のビジネス界をリードする大手企業、誰にも負けない財務状況や収益力を誇る優れた企業、不屈のフロンティアスピリットを持ち若々しい活力に溢れた企業などについて、独自調査した結果を発信した記事です。

 


1985年4月号 ピックアップ記事

新生NTTの首脳人事について、政府、与党の自由民主党と財界、産業界で利害が複雑に絡み合う中で、一旦は、北原副社長、阿部副社長が公に稲山経団連会長から記者発表されたものの、その2日後に阿部副社長が病気を理由に辞退するなど、74歳になる真藤社長の後継者をめぐる混乱ついて詳報した記事です。

 


1985年9月号 ピックアップ記事

後に総理大臣となる石橋湛山が「世界に日本の実情を伝え、東洋と西洋の架け橋となろう」と宣言してローンチした、日本で最古の英文経済誌であるThe ORIENTAL ECONOMISTの歴史的な意義と、1986年1月からTOKYO BUSINESS TODAYとして、新しいフォーマットで生まれ変わることを伝えた記事です。


1985年9月号 ピックアップ記事

520人の犠牲者を出した、日本のナショナルフラッグキャリアである日本航空の123便墜落事故について、日本航空でこのような悲惨な事故が起きる要因を分析するとともに、これまで様々な問題を抱えながらも受けてきた政府からの強力な庇護を、いつまでも享受することはできないだろうと報じた記事です。


1984 年 8 月 9 月合併号 ピックアップ記事

1934年の創刊から50周年を迎え、代表取締役の高柳弘が、これまでのThe Oriental Economistの歩みを振り返り、石橋湛山がこの英文経済誌をローンチしようと決断した経緯や、第二次世界大戦の直後にGHQのクレーマー大佐がロンドンのエコノミストと同じくらい重要なメディアであると述べたエピソード等を紹介し、先人が掲げた高尚な理想を堅持しながら、正確な情報と偏見のない分析を提供し続け、日本が世界で十分に理解されることを願っていると語った記事です。


1984 年 12月号 ピックアップ記事

キッコーマンの海外マーケット開拓状況について、「世界で最も美味しい調味料」として醤油の認知度を高めることを目的とした、国際的なマーケティング戦略が成功していて、すでに米国の醤油市場で最大のシェアを持っているが、重要な目標である豪州や東南アジアをはじめ、今後は欧州にも焦点を当てる可能性が高いことを報じた記事です。

 


1983年12月号 ピックアップ記事

本田技研工業の創業者であり社長であった本田宗一郎と、新エンジンの開発をめぐって対立していたエンジニアの久米是志が、困難に直面し一時は退職の旨を伝えながらも会社に戻り、世界で初めて厳しい排気ガス規制をクリアしたCVCCエンジンを誕生させ、その14年後に、Hondaイズムの継承者として3代目社長に就任したことを伝える記事です。


1982年12月号 ピックアップ記事

11月に誕生した自民党の中曽根政権について、国内では政府の財政赤字がすでに危険な水域に膨れ上がる中で長引く不振に陥っているため、行政改革を実行する必要があり、米国や欧州との貿易においては、最悪の事態を何らかの形で回避する必要がある等、新政権が直面している厳しい状況とその内幕を詳報した記事です。

 

(株式会社東洋経済新報社)


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