『イラストレイテッド・ロンドン・ニュース』で辿るイギリスの歴史
『イラストレイテッド・ロンドン・ニュース』(以下ILN)の記事を通じて19世紀以降のイギリスの歴史を辿る連載の第2回目は、1866年から1881年にかけての出来事を、印象的な図版と共に辿ります。
1866 キャノン・ストリート駅開業
サウス・イースタン鉄道の新しいターミナル駅として、シティーのテムズ川沿いに開業したキャノン・ストリート駅(September 8, 1866)
1868 外務省新庁舎完成
完成途上の外務省ビルのセント・ジェームズ・パークに面する正面。
設計はゴシック・リヴァイヴァルを先導した建築家ギルバート・スコット。
ゴシック様式による設計案がパーマストン首相の不興を買うと、外務省ビルの建築家としての名前を後世に残すために、涙を飲んでルネサンス様式で設計した(October 6, 1866)
1870 ディケンズ死去
(March 19, 1870)
1871 アルバート・ホール完成
アルバート・ホール開館。設計はフランシス・フォークが行ない、その死後、ヘンリー・スコットが引き継いだ
(April 8, 1871)
1871 バンクホリデイ始まる
バンクホリデイのハムステッド・ヒース (May 25, 1872)
1875 マッシュー・ウェブ初めてドーバー海峡を泳いで渡る
月明かりの中、コーヒーを受け取るウェブ (August 21, 1875)
1875 タクシー運転手の休憩所、ロンドンに設置
セント・ジョンズ・ウッドのアカシア・ロード (February 20, 1875)
1878 遊覧船プリンセス・アリス号、テムズ川で沈没
遊覧船プリンセス・アリス号が月明かりの中テムズ川を遊覧中、石炭運搬船と衝突、大破して沈没、乗客 600名以上が犠牲になり、史上最悪のテムズ川での水難事故となった(September 14, 1878)
1877 ローン・テニス選手権(ウィンブルドン選手権)第1回大会
ローン・テニス選手権の決勝戦 (July 24, 1880)
1879 ロンドンに電灯
ロンドン市長公邸前の電灯 (April 9, 1881)
1879 オーガスタス・ハリス、ドルーリー・レイン劇場の支配人に就任
ハリスの時代のドルーリー・レイン劇場はクリスマスのパントマイムとスペクタクルな演出が特徴。
上は「ロビンソン・クルーソー」のパントマイム(January 6, 1894)
下は「ホワイトヘザー」の水中決闘シーン。照明とカーテンがスペクタクルな効果を高めた(October 2, 1897)
1879 スコットランドのテイ橋、列車走行中に崩落
1年前に完成したばかりのスコットランドのテイ橋が列車走行中に強風のため崩落、乗客 75人が犠牲となった(January 10, 1880)
1879 グラッドストーン、ミドロジアン・キャンペーン
地元のエジンバラの群衆に向けて演説をするグラッドストーン。
選挙民に直接語りかけるその選挙戦術は、大衆社会の時代の選挙を先取りするものだった(April 10, 1880)
1880 オーストラリアから冷凍船での冷凍肉の輸送始まる
オーストラリアからの冷凍肉の荷揚げ作業 (November 19, 1881)
1881 ディズレーリ死去
(April 23, 1881)
次回は1882年から1900年にかけての図版を取り上げます。
(センゲージ ラーニング株式会社)
- The Illustrated London News Historical Archiveについて詳しくはこちら
- The Illustrated London News Historical Archiveの他の記事はこちら
- 『イラストレイテッド・ロンドン・ニュース』小史(センゲージ ラーニング株式会社作成)はこちら
- お問い合わせはこちら