女性研究の貴重な歴史資料を電子化して提供するセンゲージ ラーニング社Galeのデータベース・シリーズWomen’s Studies Archive。これまでのパートでは主として、女性参政権運動・女性解放運動関係資料、女性平和運動関係資料、産児調節・家族計画・優生学関係資料を中心に電子化して提供してきました。
19世紀の女性参政権運動にはじまり、20世紀後半の第二波フェミニズム運動にいたるまで、草の根団体、労働運動、平和運動、宣教活動、産児制限、優生学、女性雑誌など様々なテーマをカバーする15種類のコレクションを世界有数の女性史関係コレクションからデジタル化します。
女性雑誌や女性出版物協会の刊行物、女性による著作群、第二波フェミニズム運動におけるマイノリティー人種、女性運動の初期活動家たちの個人文書、男女平等実現のための諮問委員会文書など、様々なテーマをカバーする15種類のコレクションを世界各国のコレクションからデジタル化します。
<2022年3月リリース予定>
ニューヨーク公共図書館ションバーグ黒人文化センター、トゥレーン大学アミスタッド研究センター、スミソニアン学術協会、米国議会図書館、ロンドン大学図書館、英国国立公文書館、英王立看護協会等の諸機関が所蔵する定期刊行物、個人文書を通して、奴隷制廃止、監獄改革、女性参政権、教育、医療、性教育、産児制限、マイノリティの権利擁護、大衆文化、広告等の分野で先駆的な活動を行なった女性に光を当てます。
Women’s Studies Archiveの第三弾、Rare Titles from the American Antiquarian Society, 1820-1922は、視点を女性作家に据え、アメリカ古書協会が所蔵する女性作家の著作約6,000冊(100万ページ以上)を電子化して提供します。
※Voice and Visionにもアメリカ古書協会の女性作家の著作約3,000冊を収録しているため、合計冊数は約9,000冊になります。
蒸気式印刷技術という技術革新による印刷コストの低価格化と識字率の向上による印刷物への需要増大という追い風の中、19世紀には多くの女性が作品を世に送り出しました。その多くはその後の公式の歴史の中で忘れられることになりましたが、アメリカ古書協会の地道な蒐集作業の結果、完全な忘却を免れることになりました。
本データベースは、1812年の創設以来のアメリカ古書協会による蒐集作業の賜物を電子化して提供するもので、収録タイトルは1820年から1922年までの約100年間に刊行されたものです。
収録文献は、小説、詩、歴史小説、児童文学から自伝、評伝、回想録、書簡、日記、礼儀作法書、料理書、家事論、教育論、社会批評、歴史書、民族誌、科学、医学まで、多様な領域に及び、当時の女性が幅広い分野で著作を残していたことを示しています。
これらの女性作家は、一部の女性作家を除き、男性中心のカノンが形成される中でその著作が忘れられてきただけでなく、女性作家の書誌すら作成されてこなかったため、これらの作家がかつて存在したことすら忘れられてきました。生涯に1冊の本しか書かず、自らを作家と認識していなかった女性も多く、大多数は忘れられる運命にありました。アメリカ古書協会は早くから、著者同定作業を行ない、「女性作家(Women Authors)」の分類の下に女性の作品を蒐集してきました。
本データベースは、「女性作家」の分類が付与された文献を電子化しています。収録作家はアメリカの作家のみならず、カナダ、イギリス、アイルランド、フランス、ドイツの作家も含まれます。フランスとドイツの作家の作品は、原語の作品も一部ありますが、多くは英訳です。アメリカ以外の作家の作品は大半がアメリカで刊行されたものです。書誌すら作成されてこなかった女性作家の作品の作品名、版次、出版年、出版地、出版社名に関する情報を含む本データベースは、女性作家に関する信頼できる書誌情報を提供するものです。
加えて、原本を手に取った古書協会の司書によってカタログに記入された製本、印刷、挿絵、寄贈者、物理的形状等に関する注記も再録されており、個々の作品の身元情報を伝える情報として貴重なものです。
単なる女性作家の作品の電子コレクションではなく、アメリカ古書協会という米国随一の歴史文献所蔵機関の信頼できる書誌情報を備えた電子コレクションとして、Women’s Studies Archive: Rare Titles from the American Antiquarian Society, 1820-1922は今後の女性作家研究、文学研究に不可欠のリソースとなるでしょう。
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