WorldCatは、図書館の蔵書を見つけやすく、アクセスしやすくします。WorldCatは、図書館、出版社、OCLCから提供されるメタデータの図書館間での共有を独自の方法で行い、図書館が目録作成とコレクション構築に費やす時間を劇的に短縮することを可能にします。また、冊子体資料のメタデータだけでなく電子資料メタデータのグローバルリーダーであり、135種類の文字種で6,500の言語に対応しています。2024年度、WorldCatは336億回検索され、5,220万件の新規レコードが作成され、1,590万件のレコードが出力されました。
レコードの品質を改善し続ける
今年、WorldCat書誌レコードの22%が品質改善されました。OCLC スタッフが1億2,100万件、図書館コミュニティがさらに230万件のレコードを修正しました。質の向上は、発見しやすさと情報へのアクセス向上を意味します。WorldCatの独自参加型モデルは、個々の機関が単独では達成できない規模でこれを実現することを可能にします。
電子リソース・コンテンツが1億5,000万件に増加
このような取り組みにより、図書館の利用者は価値ある資料を発見しやすくなり、ワンクリックで利用できるようになります。2024年度には、WorldCatサービスには1億2,000万件のオープンアクセス資料が登録されており、フルテキストへのリンクを含む論文メタデータは40億件に達しました。電子リソースは3%増加しました。その内訳は以下の通りです。
- 6,600万冊の電子書籍
- 8,400万点のデジタルコンテンツ資料(電子ジャーナル、電子地図、電子楽譜、電子映像ファイル、ストリーミング音楽、オーディオブック)
ワークフローを合理化するために拡張されたWorldCatナレッジベース
2024年度末現在、この電子資料管理基盤には、677のプロバイダーから提供された29,073のコレクション、8,170万件のレコードが含まれており、コレクション数、レコード数ともに昨年より14%増加しています。図書館は、迅速なアクセス、利用可能な電子資料とコンテンツプロバイダーの継続的な拡大、コレクション管理への革新的なアプローチの育成のためのナレッジベースを活用することで、ハイブリッド、リモート、オンサイトの利用者ニーズの課題に対応しています。
Equinoxとパートナープラットフォーム契約を締結し、我々のメタデータAPIを統合しました。Equinoxはこの契約に署名した最初のパートナーです。メタデータAPIは、OCLCで目録を作成している共通のお客様がWorldCatにアクセスし、サードパーティサービス内からレコードをダウンロードし、更新や所蔵情報をアップロードすることを可能にします。このアクセスは、合理化された作業環境を提供することによって図書館に利益をもたらし、また、メンバーが入力した情報でWorldCatを最新の状態に保つことによってOCLCに利益をもたらします。
世界で最も効率的なクラウドベース図書館サービスプラットフォームの構築
WorldShare Management Services (WMS) では、コミュニティからのフィードバックに基づき、多くの重要な機能強化が行われました。特に注目すべき機能強化には、貸出担当スタッフに対する操作性とアクセス性を向上させた、新しく洗練されたユーザーインターフェイス、図書館スタッフから個々の利用者への臨機応変な電子メールのサポート、タイトルレベルでの電子資料ライセンス取得のための拡張サポート、他のシステムと同期して購入リクエストを作成するための新しいAPIなどがあります。
現在、26カ国の850以上の図書館がWMSを採用、昨年より13%の増加となっています。WMSの新規加入館は以下の通りです。
南北アメリカ大陸 |
ヨーロッパおよび中東 |
Bard College バード大学 |
Fachochschule ファッハホーホシューレ |
Bennington College ベニントン大学 |
Gesundheitsberufe OÖ Gmbh
オーバーエスターライヒ州健康専門学校 |
The British Columbia Institute of Technology
ブリティッシュコロンビア工科大学 |
Fundación Universitaria San Pablo CEU
CEUサンパブロ大学財団 |
The Canadian Nuclear Laboratories
カナダ原子力研究所 |
Haigazian University ハイガツィアン大学 |
Concordia University of Edmonton
コンコルディア大学エドモントン校 |
Heidelberg University ハイデルベルク大学 |
Fermilab フェルミ国立加速器研究所 |
Helmholtz-Zentrum Dresden-Rossendorf
ドレスデン・ロッセンドルフ研究所 |
LIBROS consortium リブロスコンソーシアム |
Royal College of Nursing 英国王立看護協会 |
Morehouse School of Medicine モアハウス医科大学 |
University of Balamand バラマンド大学 |
New York Institute of Technology
ニューヨーク工科大学 |
|
Norfolk State University ノーフォーク州立大学 |
アジアパシフィック地域 |
Northern Lakes College ノーザンレイクス大学 |
Academia Sinica 台湾中央研究院 |
Reinhardt University ラインハルト大学 |
Auckland Institute of Studies オークランド研究所 |
University of Tulsa タルサ大学 |
Canberra Institute of Technology キャンベラ工科大学 |
WISPALS Library Consortium
WISPALS 図書館コンソーシアム |
|
図書館蔵書へのアクセスを加速
検索件数が14%増加したWorldCat Discoveryは、WorldCatと3,300以上の信頼性の高い電子コンテンツ・コレクションを一度に検索することで、利用者が利用館やその他世界中の図書館にある資料を発見し、入手できるようにするものです。どのコンテンツプロバイダーにも偏ることなく結果を提供する検索により、利用者は多種多様なフォーマットやコレクションの資料を特定し、入手することができます。設定によるカスタマイズは、地域ごとのニーズに合った体験を利用者に提供し、継続的な機能強化によって図書館とその利用者のニーズの変化に対応します。
この1年を通じて、WorldCat Discoveryには以下の機能強化が行われました。
- I citationstyles.orgとの統合により、利用者はサポートされているすべての引用スタイルの最新版にアクセス可能
- 利用者が一次著作物 をより簡単に見つけられるよう、検索結果で書評の強調を廃止
- Print Journal/Print Magazineフィルタにより、電子ジャーナルと冊子体ジャーナル両方の検索結果を確認することなく、利用者が希望するフォーマットに絞った検索が可能に
- フルテキスト記事のレコードでのDOIの使用により、ライセンスされたコンテンツへのより正確なリンクを提供
- IEEEオープンアクセスデータベースのオープンアクセスフィルタへの追加により、オープンコンテンツへのアクセスが拡大
- 現代標準アラビア語での検索と並べ替えが強化され、ネイティブスピーカーが期待する体験を提供
私たちは、5つの新しいプロバイダーを含む11のコンテンツプロバイダーから46の新しいコンテンツコレクションをWorldCat Discoveryのセントラルインデックスに追加し、そのコンテンツの発見を確実にしました。2024年度末時点で、OCLCは422の出版社および情報プロバイダーと、これらのグローバルな出版社からの書籍、電子書籍、ジャーナル、データベース、およびその他の資料の3,156コレクションのメタデータをセントラルインデックスに含める契約を結んでおり、これは49億件以上のレコードに相当します。
アラビア語の図書館蔵書へのアクセスを向上させるため、新しいアラビア語ディスカバリー目録を立ち上げました。この新しい目録は、アラビア諸国に所在する図書館の書誌レコードを一つの目録にまとめたものです。この目録には420万以上のアラビア語資料のレコードが含まれており、現在も増え続けているため、アラビア文化に関する最も包括的な情報源のひとつとなっています。OCLCのスタッフはアラビア語で索引を作成し、アラビア文字を使用した直感的でシームレスな体験を提供するために、ソートや検索結果が正確に表示されるようにしました。この作業は、2021年にリリースのスペイン向けに開発された同様の特定地域版目録や、Art Discovery Group Catalogのようなトピック別のディスカバリー目録を踏襲したものです。
ウェブから図書館へ検索者を誘導
WorldCat.orgが、ウェブ上での図書館の認知度を高め、その蔵書を紹介する新しいツールにより強化
- 図書館情報ページに、図書館スタッフが作成したリストが表示されるようになりました。図書館のスタッフが、図書館と提携しているWorldCat.orgのアカウントを使ってWorldCat.orgにリストを作成した場合、そのリストはWorldCat.orgにアクセスしたすべての人に対して、図書館の情報ページに表示されるようになりました。
- 図書館スタッフは、自分の図書館の特集リストを紹介するために、リスト固有のQRコードをダウンロードして共有できるようになりました。QRコードをダウンロードするボタンは、各リストページの上部にある「共有」ボタンの隣にあります。
グーグルと協力し、グーグル検索の結果から図書館目録のレコードに直接リンクするプログラムに参加する図書館と資料フォーマットの数を拡大しました。
- 現在、約1,000のアメリカの図書館がダイレクトリンク・プログラムに参加しています。
- アメリカの図書館向けに、これまで利用可能だった冊子体図書のリンクに加え、電子ブックのリンクを追加しました。
- 2022年4月にGoogleとこのプログラムを発表して以来、Google検索結果から図書館の蔵書対して直接130万回以上のクリックが行われました。
図書館による共同管理コレクション運営を支援する確固とした取り組みを強化
私たちの新しい図書館分析ソリューションであるChoreo Insights®の契約者数が倍増し、機能が拡張されました。ほぼ毎月のリリースペースで、Choreo Insightsは、資料種別の追加、FAST件名標目とCIPコードを使用したより充実した件名検索、タイトルリストのアップロードとマッチング機能、視覚化されたレポート出力のサポートを追加しました。さらに、新しい冊子体資料共同管理の分析機能により、図書館は自館の所蔵タイトルが他館によってどの程度保管されているかを把握し、冊子体資料共同管理プログラムに参加することの利点を分析することができます。
GreenGlass®は、カリフォルニア大学バークレー校やワシントン大学を含むリピーターのお客様にご満足いただき、業界をリードする冊子体管理および除籍管理ソリューションとして引き続きご利用いただいております。カナダでは、連邦科学図書館が当初の図書用GreenGlassのご購入に加え、雑誌用GreenGlassをご契約いただきました。
多様性、公平性、包括性への取り組みを強化
私たちは多様性、公平性、包括性 (DEI) に対する取り組みに全力を注いでいます。自身のコミュニティ内でも、さまざまな業界の企業間でも、その取り組みを示しています。また、メンバー図書館がサービスを提供する地域社会の多様性を尊重することを目的とした研究を進め、テクノロジーへの新しいアプローチ開発を推進しています。
OCLCは、ComputerWorld誌の「IT業界で最も働きがいのある会社」調査で、私たちの多様性戦略プログラムに対し、中堅グローバル企業の中で第1位を獲得しました。これは、OCLCが2年連続してそのクラスにおいて最も優れていると認められたことになります。
私たちのリンクトデータのエコシステムであるWorldCatオントロジーは、図書館コミュニティのリーダー達との広範な協力に基づき、有害または差別的な記述を避け、人々が適正に使用できるように設計されています。
目次へ戻る▲
原文はこちらから>>
2024年度を振り返って–参加館の専門知識を集約する
新たな統治機構によりメンバーの関与拡大を推進
OCLCのグローバル評議会が3月18-20日に開催されました。この会議では、理事選挙が行われたことに加え、新しい評議会組織の設立計画が承認されました。
新しいOCLCリーダー会議は、OCLCの戦略的目標に図書館の視点を反映させ、評議員会に6名の評議員を選出するという明確な目的をもって、来年以降段階的に導入される予定です。これは3つの地域評議会を1つのグループに統合するもので、2つの代表団から構成されます。1つは北中南米のメンバーで構成され、もう1つはヨーロッパ、中東、アフリカ(EMEA)、アジア太平洋地域のメンバーで構成されます。20名以上24名以下の柔軟なメンバー構成となっています。
OCLC グローバル評議会は、2024年3月、オランダのDANS所長であるアニャ・スミット氏を再選し、ノースウェスタン大学チャールズ・ディアリング・マコーミック図書館長王雪茅氏をOCLC評議員に選出しました。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校のノーマン・アンド・アルメナ・パウエル大学図書館の元司書であるジニー・スチール氏が議長に選出され、ネイションワイド小児病院の最高経営責任者であるティム・ロビンソン氏が2023年11月の評議会会合でOCLC理事に就任しました。
2023-2024年 評議会メンバー
OCLC評議会はOCLCのビジョンを導き、その戦略と目標を策定します。評議会はまた、OCLCの共有資産および投資を保護するという受託者としての義務も果たします。さらに、OCLCの社長およびCEOを採用し、協力し、専用の監査プロセスを通して組織を監視する責任を担っています。
前列左から右に: ジャネット・ウォールズ (Delta Blvd社長); サラ・E.・トーマス (元ハーバード大学図書館副館長); ジニー・スティール (OCLC評議員会議長、元カリフォルニア大学ロサンゼルス校ノーマン&アルメナ・パウエル大学図書館司書); スキップ・プリチャード (OCLC 社長兼最高経営責任者); ジョン F. サボ (ロサンゼルス市立図書館司書); テレサ・S・バード (サンディエゴ大学図書館長); バーバラ・リソン (元ブレーメン市立図書館長)
後列左から右に: ピラール・マルティネス (エドモントン公共図書館最高経営責任者); シャーリー・チウ・ウイング・ウォン (香港理工大学図書館司書); デビー・シャクター (カナダ ランガラ大学学生担当副学長); ドワイト・スミス (Sophisticated Systems, Inc.社長兼CEO); バーナデット・グレイ・リトル (OCLC評議会副議長、カンザス大学名誉学長); ブレイディ・J・ディートン (ミズーリ大学名誉学長); アニャ・スミット (KNAW (オランダ王立芸術科学アカデミー) およびNWO(オランダ研究評議会)付属研究所DANS所長); ティム・ロビンソン (ネイションワイド小児病院最高経営責任者)
ジニー・スチールOCLC評議員会議長 (元カリフォルニア大学ロサンゼルス校ノーマン&アルメナ・パウエル大学図書館司書) からのメッセージ
今年もまた、サービス、プログラム、研究において目覚ましい成果を収め、図書館の使命を前進させ、コミュニティを明るい未来へと導く年となりました。OCLCが行っている仕事は、テクノロジーの著しい変化や図書館に対する様々な重圧の中で、私たちのコミュニティが繁栄するための一助となっています。私たちの前には、エキサイティングで意義深い仕事が数多く控えています。
コミュニティセンターを刷新し、メンバーの参加を促進
OCLCコミュニティセンターは、利用体験を最新化し、コミュニティメンバーの皆様の継続的な参加を支援する新機能を提供するために、新しいプラットフォーム上でリニューアルしました。これらの機能の多くは、コミュニティからの提案に基づくものです。
この1年間で、1,800人の新しいコミュニティメンバーが、この新しいスペースで23,000人以上の活気あるコミュニティに加わりました。これらのユーザーは、サイト全体で46,000件以上の投稿にアクセスすることができ、検索オプションが改善されたことで、以前に共有されたコンテンツを簡単に見つけることができるようになりました。
コミュニティーのメンバーが最も気に入り、交流を維持するために使用している機能には、以下のようなものがあります。
- 新しいイベントや録画が投稿されたとき、新しいアイデアが提出されたとき、およびアイデアを製品機能として追加した時に、OCLCから最新情報に関するEメール通知を受け取ることができる新しい購読オプション
- ディスカッションの投稿にEメールから直接返信できるEメール返信機能により、ディスカッションへの参加が容易になりました。また、通知の頻度をカスタマイズできるダイジェストEメール通知オプションもご用意しています。
- Product Insights (製品紹介)、Office Hours (営業時間)、Resource Sharing Conference (リソース共有会議 )、DevConnect (API等の技術的情報を共有するイベント)、WMS Connect (WMSの情報共有イベント)、Cataloging Community Meeting (目録コミュニティミーティング) など、コミュニティセンターで開催されるすべてのイベントにワンクリックで登録できます。
数千人単位の図書館スタッフを対象とした教育イベントや研修の実施
LIBERとの複数年にわたる共同プログラムを開始しました。第1弾は2023年10月から2024年6月まで、最先端の図書館サービスに焦点を当てました。研究データ管理、データ主導の意思決定、そして図書館におけるAIと機械学習に関するものです。最後に行われた全体会議では、参加型ディスカッションから得られた知見が発表されました。5つのセッションを通じ、28カ国から969人が登録し、266人が出席しました。
WebJunction®チームは、公共図書館スタッフのオピオイド (麻薬性鎮痛薬) 使用障害への対処を支援するため、公共図書館のためのオピオイド危機支援キットを開発しました。この新しいキットは、公共図書館が地域社会で進行中のオピオイド危機に対処するための戦略とツールを提供するものです。さらに、ウェビナー「Supporting healthy communities: Public library responses to the opioid crisis (健康的なコミュニティを支える: 公共図書館のオピオイド危機への対応 )」を開催し、支援キットを利用して成功と目的を見出した2つの図書館を紹介しました。
このウェビナーには200人近くの図書館職員が参加し、510人が録画へのアクセス登録を行いました。
WebJunction コースカタログ (WebJunctionの講座紹介ページ) は、図書館職員が専門的な能力開発に従事するための優れた無料継続教育の機会を提供し続けました。受講者数は好調を維持し、前年度から10%以上増加、パンデミック前の数字を上回り続けています。昨年、WebJunctionの講座に参加した学習者は25,500人を超え、コースカタログの利用は堅調に推移しました。この紹介ページには、図書館関連トピックにについての60以上のオンデマンドコースと360のウェビナー録画が含まれています。
WebJunctionの新しい講座 「A Community-Centered Approach to Digital Collections (コミュニティを中心に据えたデジタルコレクションへのアプローチ)」が、既存のDigital Collections Stewardship series(デジタルコレクション管理シリーズ) の一部としてWebJunctionのコースカタログに掲載されました。このコースは、デジタルコレクション管理に関する図書館の学習を支援し、より多様なデジタルコレクションを構築するための学習ツールや提案を提供します。
さらに、危機への対応、対立の解消、燃え尽き症候群への対応に関する新しい講座が開講され、年間利用者数の上位を占めました。これらの講座は、めまぐるしく変化する環境からの重圧、潜在的・経験的な対立、資源に対する制約、燃え尽き症候群のような職場における課題など、現場からの研修ニーズや要求の高まりに応えるものです。
WebJunctionは25のライブウェビナーを開催し、合計21,273人の登録者を集めました。これは昨年度から19%の増加です。WebJunction のウェビナー録画のうち、閲覧数が多かったものを以下に挙げます。
図書館コミュニティと直接、あるいはオンラインでつながる
私たちは日々、図書館の声に耳を傾け、学んでいます。会議への出席、バーチャルおよび対面での会議の開催、調査や個別テーマでのグループ討議実施など、私たちは21世紀の図書館の課題を解決するために協力しています。2024年度は、世界各地で開催された63の会議、162の仮想および対面イベントで、31,000人以上の図書館員とつながりました。ヨーロッパ、中東、アフリカ、アジア太平洋地域では、1年間に6つの言語で67のウェビナーを開催し、5,246人の登録と2,130人の参加者を得ました。
2023年10月25日図書館総合展 (パシフィコ横浜) にて
今年度アジア太平洋地域では、日本、タイ、香港、台湾にていくつかの対面イベントが開催されました。
- 紀伊國屋書店のイベントでは、スキップ・プリチャード社長兼CEOが国際協力のメリットについて講演し、早稲田大学、慶應義塾大学、国際日本文化研究センター (IRCJS ) の代表者も講演しました。
- バンコクでは、タイの販売代理店であるアドバンスト・メディア・サプライズ (AMS) と共同で、成功のためのリーダーシップ戦略、質の高いデータがいかに質の高いサービスにつながるか、コラボレーションと情報管理の両方を通じて図書館がいかに世界的な認知度を高めることができるか、といった内容のセミナーを開催しました。65名の登録、58名の参加がありました。
- OCLC Meridianの立ち上げに伴い、香港と台湾を訪問、リンクトデータ、AI、機械学習に関する最新情報と話題を紹介しました。
目次へ戻る▲
原文はこちらから>>
2024年度決算報告
図書館サービスのプロバイダーとして、OCLCはユニークな存在です。OCLCは世界的な非営利団体であり、すべての収入を図書館の研究、プログラム、製品開発に再投資しています。私たちの目標は、会員によって特定された技術ニーズとサービス要件を満たすことです。
未来を確かなものに
2024年度の図書館サービスの収入は1,390万ドル (6%) 増の2億3,850万ドルでした。この増加には、2024年4月に購入したcloudLibraryの3ヶ月分の売上が含まれる他、WMSとEZproxy®の売上増加、目録およびリソースシェアリング製品の好調な契約更新が含まれます。貢献利益は23年度の2,630万ドルに対し2,190万ドル、ポートフォリオ活動前の営業損益は2023年度の140万ドルに対し970万ドルの赤字となりました。この減益は、賃金や福利厚生など高インフレの経済環境に伴うコスト増に加え、出張や 会議活動の拡大によるものです。
全体として、図書館サービスからの収入と投資ポートフォリオからの収入は、経済が厳しい時期に運営資金、サービス向上、戦略的投資を行うための安定したキャッシュフローを提供しました。
連結事業概要
単位: 百万ドル
OCLC の投資ポートフォリオ
2024年度末の投資ポートフォリオの評価額は2億2,890万ドルで、1,210万ドルの減少となりました。この減少は、最近の買収資金調達のための投資売却によるものです。ポートフォリオは安定した配当収入と利子収入を生み、毎年現金需要に充当しています。
2024年度末現在、OCLCの負債残高は2023年度3の4,270万ドルに対し2,960万ドルでした。
投資ポートフォリオおよび負債
単位: 百万ドル 期末残高
研究および開発
私たちは、地域評議会、グローバル評議会、特定の商品グループ、諮問委員会、調査プロジェクトなどを通じて定期的にメンバーと対話し、図書館専門職を取り巻く動向を把握しています。私たちは、このような対話に基づき、メンバーの皆様が成功に欠かせないと語ってくださった様々な具体的取り組みへの投資を続けています。
2024年度研究開発投資
総額3970万ドル
投資分野は以下の通りです。
■メタデータ作成に関するサービス (14%)
OCLC Cataloging and Metadata Subscription, CBS Services, CONTENTdm®, Contract Cataloging, Dewey Services, WorldCat Entities
■資料提供に関するサービス (14%)
Choreo Insights, FirstSearch®, GreenGlass, ILLiad®, Relais® D2D, Resource Sharing for Groups, Tipasa®, WorldCat Discovery, WorldCat.org, WorldShare Interlibrary Loan
■図書館管理に関するサービス (42%)
BIBLIOTHECAplus™, Capira®, cloudLibrary, EZproxy, LBS, OCLC Meridian, OCLC Wise, SISIS‐SunRise™, WorldShare License Manager, WorldShare Management Services
■データ自体に関するサービス (5%)
BIBFRAME enhancements, WorldCat®, WorldCat® Discovery central index, WorldCat® knowledge base
■WorldShareプラットフォーム (14%)
クラウドサービスを支えるインフラ
■OCLC Research (11%)
研究活動
その他の情報については、以下の資料をご覧ください。
独立した管理委員のみで構成される監査委員会は、財務報告手続きに関する管理委員会の監督を補佐し、特に、独立監査人であるBDO USA, P.C.との間で、監査業務の範囲と結果を検討する責任を負っています。
目次へ戻る▲
原文はこちらから>>
年次報告全文の原文はこちらから>>
(OCLC事業部)