図書館をつくる

5月に世界で最も読まれた博士論文は?~世界最大の学位論文データベースProQuest Dissertations and Theses Global~

2018.07.17

ProQuestが提供する学位論文データベース

ProQuest Dissertations and Theses Global (PQDT Global)は、世界3,100以上の大学とパートナーシップを結び、450万件を超える学位論文(博士、修士論文)を収録しているデータベースです。年間約20万件の情報が追加されており、内容は今後もさらに充実していく予定です。本稿ではこのPQDT Gloablにおいて、今年5月に世界中で最も読まれた博士論文を10点ご紹介します。

2018年5月に最も読まれた学位論文

1.Determinants of anomie: A cross-national study
 アノミー(無規範状態)の決定要因:国境を越えた研究(犯罪学)
Zhao, Ruohui, University of Nebraska at Omaha, 2007, Ph.D.
1955年に国際連合が出版したWorld Values Surveyのデータを参考に、アノミー理論に関して分析します。

2.The Impact of Texting and Social Media on Students’ Academic Writing Skills
学生の学術面での執筆力に及ぼすテキストとソーシャルメディアの影響(教育行政)
Risto, Angela, Tennessee State University, 2014, Ed.D.
学生がテキストメッセージやソーシャルメディアをコミュニケーションに利用することで、アカデミックなライティングスキルに及ぼす影響の種類を記述します。

3.Measuring corporate social responsibility through organizational values:
A scale validation study
組織価値を通じた企業の社会的責任の測定:スケール検証研究(職業心理学)
Toliver, Adria Denise, The University of Texas at Arlington, 2013, Ph.D.
企業の社会的責任の構築は数十年前から行われていますが、最近の公企業の不祥事により、再び議論に上ることが多くなりました。本研究では現在の社会的責任のモデルに関する問題点などを取り上げています。

4.Perceptions of executives from seven selected companies of the use of social media in marketing practices
マーケティングにおいてソーシャルメディアを使用する有効性について(マーケティング)
Alameddine, Abir, Pepperdine University, 2013, Ed.D.

5.Boy builders and pink princesses:
Gender, toys, and inequality over the twentieth century
ボーイビルダーとピンクプリンセス:20世紀のジェンダー、おもちゃ、不平等(社会学)
Sweet, Elizabeth Valerie, University of California, Davis, 2013, Ph.D.

6.Public relations campaigns in 2002 Korean presidential election:
Functional analysis of political discourse and media effects of agenda setting and favorability

2002年韓国大統領選挙の広報キャンペーン:議論とメディアのアジェンダ設定による好感度の機能分析(ジャーナリズム)
Lee, Cheolhan, University of Missouri – Columbia, 2004, Ph.D.

7.Closing the digital divide: An assessment of urban graduate teacher education students’ knowledge of information literacy and their readiness to integrate information literacy into their teaching
デジタル格差の解消:都市部の大学を卒業した教員養成学生を対象に、情報リテラシーに関する知識やその教育の準備に関して(カリキュラム開発)
Cannon, Tyrone Heath, University of San Francisco, 2007, Ed.D.

7.Information Literacy as a Student Learning Outcome:
As Viewed from the Perspective of Institutional Accreditation

学生の学習成果としての情報リテラシー:機関認定の視点から(図書館学)
Saunders, Laura, Simmons College, 2010, Ph.D.

8.The impact of organizational culture, structure, and strategy on knowledge management effectiveness and organizational effectiveness
組織の文化、構造、戦略が知識管理と組織の有効性に与える影響(経営学)
Zheng, Wei, University of Minnesota, 2005, Ph.D.

9.The impact of activity-based costing on organizational performance
活動基準原価計算が組織のパフォーマンスに及ぼす影響(会計学)
Sanford, Robin A., Nova Southeastern University, 2009, D.B.A.

9.Resistance to Authority:
Methodological Innovations and New Lessons from the Milgram Experiment

権威への抵抗:Milgram実験からの方法論的革新と新しい教訓(社会学)
Hollander, Matthew M., The University of Wisconsin – Madison, 2017, Ph.D.

10.Social Media Addiction among Adolescents in Urban China: An Examination of Sociophysiological Traits, Uses and Gratifications, Academic Performance, and Social Capital
中国都市部のソーシャルメディア依存症:社会生理学的特性、用途と充足感、学術成果、社会資本の検討(マスコミュニケーション学)
Huang, Hanyun, The Chinese University of Hong Kong (Hong Kong), 2011, Ph.D.

11位以下は下記のProQuest社サイトにてご覧ください。
https://www.proquest.com/products-services/dissertations/ProQuest-Most-Accessed-Dissertations-and-Theses.html

PQDT Globalを象徴する3つのキーワード:Trust/Access/Reach

〈Trust〉~高い信頼性~

PQDT Globalはその信頼性の高さから、1951年にAmerican Research Libraries(アメリカ研究図書館)より学位論文を保存するためのデータベースとして指定され、また1998年には米国議会図書館から正式に学位論文のレポジトリ先として認められました。また、学位論文は通常7~8名の研究者によって査読されているため、信頼性の高い先行研究として、また、論文の構成や要素のモデルとして使用されています。

〈Access〉~幅広い分野をカバー~

PQDT Globalは多様な研究分野で書かれた450万件(内225万件は全文掲載)を超える論文へのアクセスを可能にします。複数のレポジトリから必要な情報を取捨選択するには時間と手間がかかりますが、PQDT Globalであれば世界中の論文が収録されているおり、研究分野に関連する情報を一括で検索、入手できます。また、PQDT Globalには毎年20万件の学位論文が追加されており、最新の話題やマイナーな分野に関しても何千もの学位論文を見つけ出すことができます。投稿基準や文字数制限などにより、掲載内容が限定された学術雑誌よりも細かな研究内容が学位論文に記載されていることも少なくありません。このアクセスできる範囲の幅(Breadth)と深さ(Depth)にPQDT Globalの価値があります。

〈Reach〉~コンテンツを世界中へ~

PQDT Globalは、世界中の3,000以上の機関で契約され、400万人以上の研究者に利用されています。また、ProQuest社はGoogle Scholarとパートナーシップを結んでおり、その利用者を含めると閲覧者は億単位に達します。学位論文の著者は個人でも自身の論文をPQDT Globalに投稿し、その論文をOpen Accessにするかどうかを選択することができます。Open Accessを許可すると、PQDT Grobalを契約していない機関に所属している方にも研究成果を届けることができます。

論文紹介

Spencer, C. Evans , et al. (2018). “Are you gonna publish that?” Peer-reviewed publication outcomes of doctoral dissertations in psychology. PLOS ONE, 13(2)

ここで“PLOS ONE”に掲載されている興味深い論文をご紹介します。著者であるハーバード大学のSpencer C. Evans氏は、PQDT Globalから心理学に関する学位論文を無作為に910件抽出し、それらが学術雑誌に掲載されているかを調査しました。その結果、約4分の3もの学位論文が学術雑誌には投稿されていないことが判明しました。この調査では、PQDT Globalにはそのような学術雑誌で未発表の研究成果が数多く収録されていることを証明しています。

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