センゲージ ラーニング社Galeが提供するSmithsonian Collections Onlineは、世界最大の博物館・研究機関群スミソニアン学術協会の膨大なアーカイブをデジタル化してご提供するデータベースシリーズです。
Smithsonian Collections Onlineを構成する4つのアーカイブ
- World’s Fairs and Expositions: Visions of Tomorrow
- Trade Literature and the Merchandizing of Industry
- Air & Space and Smithsonian Magazine Archive
- Evolution of Flight, 1784-1991
本稿では、その中からEvolution of Flight, 1784-1991についてご紹介します。
Evolution of Flight, 1784-1991
20世紀初頭、ライト兄弟が史上初の有人飛行に成功すると、アメリカでは飛行技術を商業、軍事面に応用する試みが始まります。商業においては、航空郵便事業、旅客サービス事業が成長します。軍事面では第一次世界大戦への参戦を契機に航空部隊の規模が拡大し、軍用機の生産が本格的に始まります。
民間航空と軍用航空の発展により、1930年代には米国航空史上の黄金時代が到来します。政府が航空分野へ巨額の投資を行ったことにより、航空産業は20世紀の技術革新を牽引していきます。
Evolution of Flight, 1784-1991は、スミソニアン学術協会航空・宇宙博物館附属図書館が所蔵する一次資料をご提供します。飛行設計図、書簡、日記、政府省庁の報告書、航空団体の定期刊行物、航空力学の学術雑誌、新聞記事など多様な資料を収録、特に、一枚物の写真、アルバム、さらに定期刊行物や書籍に掲載された写真は、20世紀航空史を形成した歴代の飛行船、商用機、軍用機、飛行場、操縦士の画像資料として重要です。地域的には米国を中心に、イギリス、ドイツ、フランス、ロシア等のヨーロッパの事例、さらに挿絵入りで気球を取り上げた明治時代の日本の出版物や、東京帝国大学航空研究所の報告など、日本で発行された資料も収録します。
収録コレクション
African Americans in Aviation
航空分野におけるアフリカ系アメリカ人
Air Commerce Bulletins, 1929-1939
米国の航空監督省庁が事業者向けに規制や事故報告など業界情報を提供した公報
米国政府から航空業界への情報発信、規制行政の役割を記録する一次資料です。
1920年代末、操縦士や航空事業者向けに最新の規制や業界情報を一元的に提供することを目的として、米国連邦省庁(商務省航空局、航空通商局、民間航空委員会)が航空通商広報(Air Commerce Bulletin)の発行を始めました。航空産業が新興産業だった時代に、安全基準、政府の監督行政の変更、航空事故の報告など、業界の人々に広く情報を提供しました。民間操縦士が業務を行う上で欠かせない技術情報を、グラフや図版入りで掲載しているのも特徴的です。
The Bella C. Landauer Collection of Aeronautical Sheet Music
ベラ・クララ・ランダウアー航空音楽楽譜コレクション(1,000枚強)
ベラ・クララ・ランダウアーは商業印刷や商業広告、大衆文化を独学した歴史家で、一枚刷りの楽譜の蒐集家でもありました。息子が操縦士になったのを契機に、飛行に関する音楽の楽譜に興味を持つようになり、史上初の飛行に関する音楽として知られるモンゴルフィエ兄弟の熱気球を題材にした歌の楽譜など、多くの楽譜を収集しました。
本コレクションに収録される1,000枚を超える楽譜は、航空が大衆文化や音楽、グラフィックアートの世界におよぼした影響を垣間見せてくれます。
Bulletin of Information
国際航空委員会(1922年設立)の公報。条約批准国の航空行政、国別飛行状況、空港の開閉港等を告知
1919年のパリ国際航空条約の締結を受けて1922年に設立された国際航空委員会の公報を収録します。
公報は週刊で、航空業界に対して、規制と技術に関する情報や、37の条約批准国の規制、航空機の登録状況、空港の開港と閉港、国別飛行状況の通知等の情報を提供しました。批准国における航空関係の新省庁の設立や新しい条約批准国も、公報上で告知されました。新たに認定された操縦士の名前、都市間の運行スケジュール、照明灯の装備状況や安全な着陸を左右する飛行場の草刈り作業の進捗状況など、掲載された情報は詳細かつ多岐にわたります。
ヨーロッパからアジア、アフリカ、南アフリカの各地域の航空産業の実態を明らかにします。
Collections related to Aeronautical Exhibitions and Races
アメリカ航空産業を技術的、人的、資金的に支えた飛行レース・曲技飛行に関するコレクション
飛行レースと曲技飛行は、飛行機のデザイン、エンジンの性能、構造、操縦士の忍耐力を試す場、性能の良い航空機を開発する素地となりました。また、飛行機の研究開発と生産のための資金調達の場でもありました。大衆的ヒーローも生まれ、航空ファンの裾野が広がりました。
本コレクションは、新聞記事、航空日誌、写真を通じて、飛行レースと曲技飛行の歴史とこれらに参加した操縦士やプロモーションを行なった人物や飛行機に新しい光を当てます。
Collections related to Aeronautics
航空工学の歴史に名を残すエンジニア、パイロットのコレクション
科学としての航空工学の歴史に光を当てる以下のサブコレクションを収録します。
- 気球、飛行船、グライダー、飛行機を描いた図版や写真、飛行と飛行機の機体やエンジンに関する初期のイメージを伝える図版、空から撮影された初期の写真。
- 20世紀を通じて飛行機の機体やエンジンや機体制御の改善に貢献したエンジニアの文書。第一次世界大戦時に双発爆撃機と4 発爆撃機を開発したA.フランシス・アルシエ(A. Francis Arcier)、ライト航空会社のために実験製造を統括したエンジニアであるエリック・プリース(Eric Preece)、機体制御のための蛍光塗料を開発したウィリアム・ハマー(William J. Hammer)、MIT の航空学部を統括したジェローム・クラーク・ハンサカー(Jerome Clarke Hunsaker)など。
- パイロットのコレクション。初めて航空便の輸送に携わり、第二次世界大戦中に大西洋上で爆撃機の輸送を行なったアルヴァ・ディガーモ(Alva R. DeGarmo)のコレクション、1930年代の北極横断飛行を記録するロシア航空コレクション、第一次世界大戦中に第24 航空大隊へ参加し、戦後はテスト操縦士時代を経て、民間パイロットになったドワイト・ジマーリー(Dwight S. “Barney” Zimmerley)のコレクション等。
Collections related to Aircraft
著名な航空写真家による航空機の発展を記録する写真コレクション
航空機の技術発展の足跡を記録する写真コレクションです。二人の著名な航空写真家、ハンス・グレンホーフ(Hans Groenhoff)とルディ・アーノルド(Rudy Arnold)の写真コレクション約1,200 枚が収録されています。
さらに、初期の航空機の写真も収録されています。”Bleriot Parasol”, “Nieuport 27”, “British airship R-34”等の写真を収録するジョン・ギー・ジルパトリック(John Guy Gilpatric)のスクラップブック、”Curtiss NC-4”を大きく取り上げるアルバート・リード提督(Admiral Albert C. “Putty” Read)のコレクション、飛行艇”Rohrbach Ro II Roche”のテスト操縦士で、その写真を収集したヴェルナー・ラントマン(Werner Landmann)のコレクション、”Klemm-Daimler L-20”や”Junkers W-33 monoplane”の写真を収録するアルベルト・ゼイペルト(Albert Willibarld Seypelt)のコレクションの中に初期の飛行機の写真が多数見られます。
Collections related to Balloons and Airships
気球や飛行船などガス飛行の歴史を記録する文字資料、写真、ポスター群
1783年11月21日、モンゴルフィエ兄弟がパリ上空で熱気球の有人飛行に成功、10日後にはジャック・シャルルとロベール兄弟が同じくパリで有人ガス気球の飛行に成功しました。以後、時代は気球や飛行船を使ったガス飛行の実験時代に入ります。これらの実験は冒険、探検、通商、気象観測に刺激を与え、南北戦争や20世紀の世界大戦の帰趨にも影響を与えることになります。
本コレクションはガス飛行の歴史の重要な局面を記録する文字資料、写真、ポスターを収録します。飛行船を発明し、開発を重ねたアメリカ人ロイ・クナーベンシュー(A. Roy Knabenshue)、南北戦争時の北軍気球司令部で操縦士を統括したタデウス・ロー(Thaddeus S.C. Lowe)、米軍の気球操縦士ドナルド・カスカート(Donald G. Cathcart)、気象学者で気球飛行の専門家カール・マイヤーズ(Carl Myers)、ジャーナリストで探検家のウォルター・ウェルマン(Walter Wellman)、米国海軍の飛行船母艦で任務を行なったジョージ・ヘンリー・ミルズ(George Henry Mills)らのコレクション、ドイツの飛行船ヒンデンブルク号を記念したコレクション、飛行船による極地探検を記録したコレクション、南北戦争、ボーア戦争、日露戦争、第一次世界大戦のときに使われた気球の写真を収めるコレクションが収録されています。
Collections related to Commercial Aeronautics
個人文書を通して旅客輸送サービスの開始から戦後の成長、80 年代の規制撤廃まで米国商業航空史を通覧
アメリカの商業航空史関連の資料を収録、航空会社の発展と商業航空の発展に尽力した人物に焦点を当てます。航空郵便の輸送から旅客輸送サービスへ移行し、政府の支援と規制の中で成長した時代を経て、1978年の規制撤廃による業界の変化に至るまでの過程が明らかにされます。
ナショナル・エア・トランスポートやトランスナショナル・エア・トランスポートなどの初期の航空会社、アメリカン・エアライン、パン・アメリカン・エアウェー、ニューヨーク・エアウェーなどの旅客サービスを行なった航空会社などが取り上げられています。グレン・カーチス(Glenn H. Curtiss)、ジュゼッペ・ベランカ(Giuseppe M. Bellanca)、エルバート・プロクター(Elbert W. Proctor)、エルトン・ロス・シリマン(Elton Ross Silliman)、モートン・ベイヤー(Morton S. Beyer)らの個人文書は、第一次世界大戦後に劇的に成長し、多くの革新を生み出した航空産業、航空産業と政府の相互関係、業界の要人が果たした役割を活写しています。
Collections related to Military Aeronautics
南北戦争から二つの世界大戦を経て朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争まで軍用航空史を通覧
南北戦争中、北軍の船舶に爆撃弾を落とすために設計された蒸気式ヘリコプターの小型模型の製図と写真、ライト兄弟が陸軍の委託で製造したミリタリー・フライヤー号の試験飛行の写真、米軍の委託を受けてトマス・デウィット・ミリング(Thomas DeWitt Milling)が1912年に行なった航空機による砲火の研究、1913年の耐久飛行により実現した史上初の軍用地図の制作、第一次世界大戦の前線の写真、米陸軍による1924年の世界一周飛行の写真、防空体制の不備を理由に陸軍と海軍を批判して軍法会議にかけられたウィリアム・ミッチェル(William “Billy” Mitchell)の裁判関係記事、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争でのパイロットと武官の文書や写真など、軍用航空の歴史を一覧できる資料と写真が多数収録されています。
Correspondence of Octave Chanute
アマチュア航空技師オクターヴ・シャヌートと世界の航空愛好家、専門家との往復書簡
オクターヴ・シャヌートは土木技師を引退後、趣味の航空技術にのめりこみ、アマチュア航空技師として飛行機や部品の特許を獲得するまでになりました。シャヌートは1890年代から亡くなる1910年まで、世界の愛好家や科学者と文通し、最新の航空技術に関する意見交換を行ないました。1894年、『飛行機の進歩(Progress in Flying Machines)』を出版したシャヌートは、一躍愛好家の間で一目置かれるようになります。本コレクションは航空愛好家や専門家と交わした書簡や電信を収録します。シャヌート宛の書簡には、シャヌートの著作に対する感想や編集者からのフィードバックが収録されています。
複葉機の発明につながる研究を行なったイギリス人技師フランシス・ウェナム(F.H. Wenham)との文通は1890年代に始まります。書簡の内容は、実験結果を共有し、各自の著作の説明を試みるきわめて技術的なものです。シャヌートは、航空術や飛行に関する著作のあるドイツ人武官へルマン・メーデベック(Hermann W.L. Moedebeck)とも頻繁に文通を行ないました。書簡を読むと、シャヌートがライト兄弟の飛行実験を観察していたことも分かります。ライト兄弟の有人飛行が成功した後にシャヌートが送った書簡からは、この快挙を同時代の人々がどのように受け止めていたのかが明らかになります。
National Aeronautical Association Archives
全米航空協会の一般向け広報、学生クラブ、各種イベントに関する書簡、刊行物、写真、報告、手書文書
アメリカにおける航空の発展を促進する私的団体、全米航空協会は、軍や産業における航空の比重が高まるにつれ、それまで娯楽と見なされていた航空に対する一般のイメージを変え、パイロットの免許発行等を通じて業界の高度専門化に貢献しました。
本コレクションは、協会の一般向け広報、学生クラブ、各種イベントに関する書簡、刊行物、写真、報告、手書文書等を収録します。収録されている報告書の中で一般的なものは、協会が主催した飛行レースに関するものです。1952年に開催された第6回女子大陸横断飛行レースに関する報告書は、公式プログラム、飛行ルートの地図を含む刊行物、競技参加者の職歴、広告のほか、競技の運営要項、競技規則、パイロットの資格、飛行機の仕様、懸賞金など協会の内部資料も収録しています。
Official Guide of the Airways
公式航空指針(1929年創刊)。時刻表、運賃、航路地図、航空便の解説等を掲載
1929年2月に発行が始まった月刊誌”Official Aviation Guide of the Airways”はアメリカ商業航空の歴史を記録する資料です。航空業界は、1920年代の胎動期を経て、1920年代末には近代的な飛行機や洗練された操縦術が登場、航空便の輸送で信頼を獲得し、旅客サービスでも成功をおさめます。1926年の時点で年間6 千人以下だった旅客者は3年後の1929年には年間7万人を超えるまでになりました。
本ガイドは各号およそ40ページ、時刻表、運賃、航路地図、航空便の解説などで構成されています。
Reports and Papers of the Civil Aeronautics Board/Civil Aeronautics Board Authority
米国連邦政府の航空監督省庁、民間航空公団と民間航空委員会の分析資料やプレスリリース
米国の民間航空は20世紀の戦間期に誕生し、成長軌道に乗ります。
連邦政府は、1925年に航空郵便法を制定、また、商務省航空局が民間航空産業の監督・運営に責任を負うなど、商業航空とインフラの整備に決定的な役割を担い、商業航空発展の基礎を築きました。1930年代半ばになると、航空郵便事業の契約に関わる汚職の疑いや航空事故の多発を受け、民間航空公団(Civil Aeronautics Authority)を設置、連邦政府の航空監督行政を一元的に担いました。その後、ルーズベルト大統領の下で、航空業界の監督、許認可業務、安全規制の運用、航空路の整備に責任を負う民間航空局(Civil Aviation Administration)と安全規制の法制化、事故調査、航空運賃の規制に責任を負う民間航空委員会(Civil Aeronautics Board)に分割され、連邦政府の航空行政は第二期に入ります。
本コレクションには、民間航空公団・民間航空委員会の下で生み出された資料群が収録されています。民間航空公団・民間航空委員会へ送られた、運賃の値上げ、航空規則の改定、事故調査の報告に関する書簡を受け、報道機関向けに発表されたプレスリリース、郵便貨物の量、航空便の数、航空ルート、飛行距離など、航空会社が提供するデータの分析に基づき運賃や航空規則を決定した際の分析資料が収録されています。
Reports and Papers of the National Advisory Committee for Aeronautics
NASA に業務移管されるまで商業・軍用航空の発展を先導した米国航空諮問委員会の年次報告書
航空工学の研究を行なう連邦機関、米国航空諮問委員会(NACA)の年次報告書(1917年から1940年までに発行された24年分)を収録します。NACAは、解散しNASA に業務が移管される1958年まで、米国の商業航空と軍用航空の発展をリードしました。
NACA は1915年、航空工学の研究と連邦政府への諮問を目的として設立されました。1920年にはラングリー記念航空工学研究所が完成、優秀な技術者を集めました。1920年代前半には議会での法整備に影響力を及ぼすことを試みましたが、1920年代半ば以後は研究活動に専念、商用・軍用を問わず多くの委託研究に従事しました。初期の時代に行なった研究の中には、風の抵抗、気流、ジェット推進力、エンジン構造に関する重要な研究が含まれますが、これらの研究はすべて年次報告書に報告されています。
飛行試験の指針と運用手続を定めたのもNACAです。1929年には、エンジンカバーを開発し、抗力による速度減を減らし、エンジンの冷却を改善した功績により、コリアー賞を受賞しています。1930年代の研究は、対気速度、除氷装置、翼やプロペラのデザインなど、商用・軍用を問わず、応用研究に従事しましたが、戦争が近づくと、操縦しやすさや高度上空での操縦といった軍用目的の研究が重きを置くようになりました。
年次報告書は、大統領の書簡、委員長による前年の活動報告、委員会のメンバー名と研究を監督する技術委員会の名前、予算申請を伴う活動計画、技術委員会の活動報告から構成されています。その年に完成したテクニカルレポートも添付されました。
Samuel P. Langley Papers(サミュエル・ラングレー文書)
航空工学のパイオニア、サミュエル・ラングレーによる有人飛行実験に関する文書。日記、往復書簡も収録
天体物理学者、航空工学のパイオニアであり、スミソニアン学術協会の会長も務めたサミュエル・ラングレー(1834-1906)による初の有人動力飛行機製作の試みを記録します。
1890年代、ラングレーは自力で推進する一連の小型飛行機のモデルを設計、エアロドロームと名付けました。陸軍省の資金を得たラングレーは、飛行用として初の放射状エンジンを設計し、有人の大型エアロドロームを製作、飛行実験を行いました。1903年の10月と11月にポトマック川でエアドロームの飛行実験を行ないましたが、いずれも失敗に終わりました。ライト兄弟が初の有人飛行に成功を収めたのは、ラングレーの最後の実験の9日後のことでした。
エアロドロームのスケッチ、計算式、デザインの覚書、飛行記録、部品や飛行機本体の製造業者らとの書簡など、本コレクションの収録資料は、有人飛行実験の草創期に航空工学の研究に携わった人々が費やした時間とコスト、注ぎ込んだ情熱を生き生きと伝えています。
本コレクションには、天体物理学者やスミソニアン協会会長としてのラングレーの職歴に関わる資料も収録されています。天体物理学者としてのラングレーは、放射線測定機器であるボロメータの発明など、太陽の研究で最も有名です。スミソニアン学術協会会長としての資料には、日記、資料収集に関する書簡、旅費のリストのほか、ラングレーの飛行実験の支援者で友人でもあったアレクサンダー・グラハム・ベルからの書簡も収録されます。
Selected National Air and Space Museum Library Periodicals
米国、ヨーロッパ、ロシア、日本で発行された航空学の定期刊行物と報告書集成
本コレクションは、19世紀後半から20世紀前半にかけてアメリカ、ヨーロッパ、ロシア、日本で発行された航空学の定期刊行物と航空クラブの報告書を収録します。航空郵便、旅客サービス、航空産業、商用機と軍用機の設計と生産、第一次大戦時の軍用飛行機、飛行レースなどに関する記事を収録するほか、広告や写真も多数収められています。
最初期の刊行物である1866年創立のイギリス航空協会(Aeronautical Society of Great Britain)の年次報告書、王立飛行クラブ(Royal Aero Club)により1909年に創刊された、初期の短命雑誌を除けば航空学史上初の雑誌と言える『フライト(Flight)』、『航空学(Aeronautics)』など、20世紀イギリスにおける航空学の足跡を記録する雑誌や英国航空工学委員会(Aeronautical Research Committee)のテクニカルレポートも収録されています。
アメリカの定期刊行物では、オクターヴ・シャヌートやサミュエル・ラングレーら、航空工学のパイオニアたちの論文を収録する『航空学年報(Aeronautical Annual)』、アメリカ飛行クラブ(Aero Club of America)の年次報告書、雑誌『飛行(Flying)』、一般読者向け雑誌の『飛行時代ウィークリー(Aerial Age Weekly)』、『航空学(Aviation)』を収録します。前者は写真やカートゥーンを多用し、読みやすさを追求したのに対して、後者は主に技術的な記事を掲載しています。
U.S. Air Services
航空部隊共済会により創刊された雑誌
本コレクションは”Air Service Clubs’ Association”の公式機関誌として1919年2月に航空部隊共済会(Air Service Clubs’ Association)により創刊された雑誌”U.S. Air Service”(後に”U.S. Air Services”)を創刊号から1939年まで収録します。
本誌が創刊された1919年は、航空部隊の隊員として第一次世界大戦に従軍した退役軍人らによる空軍創設キャンペーンが始まった、アメリカ空軍史上重要な年です。航空部隊共済会には、現役と退役を問わず、航空部隊の隊員や、航空部隊と関係の深かった省庁で要職に就いていた人が参加することができました。その活動範囲には科学が平和に応用される領域と定められています。第一次世界大戦直後から第二次世界大戦開戦前夜までの航空業界と航空学の実情が、軍用・商用航空の専門家により詳らかにされています。
Women in Aviation
航空分野における女性
World War I Collections
第一次世界大戦コレクション
World War II Collections
第二次世界大戦コレクション
Evolution of Flight, 1784-1991の収録コンテンツを通して熱気球、飛行船の時代から20世紀の飛行機の時代に至る飛行の歴史を通覧することができます。とりわけ20世紀の米国航空産業の興隆を通して20世紀の技術革新の核心に迫ります。
(センゲージ ラーニング株式会社)
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