図書館をつくる

OCLC News 45号

2020.11.17

OCLC News 第45号
商品情報をはじめ、OCLCに関する様々な情報をご案内致します。

―OCLC ResearchのブログHanging Togetherより―
コロナ禍におけるILL資料返却と期限超過の対応について
―SHARESコンソーシアムの例から―

2020年9月14日 デニス・マッシー

2020年3月に、COVID-19の影響によりほとんどの図書館が閉館し、図書館員がリモートワークを行い、全てのサービスをデジタルで行うような努力を余儀なくされて以降、私はリソースシェアリングコンソーシアムSHARESのメンバーと毎週リモートでミーティングを行っていました。過去半年で、ひと月に平均して6つのセッションを行いました。毎回のミーティングで、パンデミックによってもたらされたこの未曽有の危機に立ち向かい、ILLサービスを提供し続ける方法を模索すべく、情報を交換していました。我々の議論は、リソースシェアリングに携わる人々が直面する課題のあらゆる面に及んでいました。

このブログ投稿と今後の投稿によって、我々の対応策や、未だに手を煩わせている事柄の詳細について知ってもらうことが、より大きなILLコミュニティの役に立つことを願いつつ、SHARESのメンバーと行われた議論のフレッシュなハイライトをご紹介します。(SHARESのボランティアがこのハイライトをFAQにまとめる作業中ですので、今後の投稿でご紹介するつもりです。)

コロナ禍における期限を超過した貸借資料と督促の対応

何か月も在宅で働いたのち、図書館員たちは図書館に戻って、感染予防の為の安全策を導入し、サービスを強化し、場合によっては利用者を図書館内に再度受け入れ始めています。紙媒体の所蔵資料も再び利用可能になりました。そして図書館が突然閉館し、数か月も閉まったままになった後に待っているのは、非常事態宣言が出された3月以降宙ぶらりんになっていた、山ほどのILLされた本の処理です。

この課題には、注意せねばならない点が多くあります。また、一万もの”座礁”した本を受付館に返却するというミッションを達成するにあたって、やるべきことは一つではありません。SHARESのメンバーは最近のミーティングで、コロナ禍における依頼館・受付館双方の返却プロセスを行うに際して持っておくべき、最も建設的な視点を議論しました。そして期限切れの通知と返却督促を行う最善の―少なくともSHARESコンソーシアムにとっては最善の―フィロソフィーに関するコンセンサスにたどり着きました。(SHARESは大中小の学術図書館、法律や芸術に特化した特別図書館、一館の大規模な公共図書館の集合体で、5つの国にある70以上の機関の、全部で約100の図書館から成ります。)貴館にとって有効な方法はSHARESのそれと異なるかもしれませんが、私どもの質問や、私どもが取っているアプローチが、グローバルなリソースシェアリングシステムのあちこちで行われているであろう会話に貢献することを願っています。

SHARESのメンバー間で、パンデミックの間のILL資料返却や期限超過の通知に関するコンセンサスはあるのか?

あります。原則として、SHARESメンバーは更新依頼の送信、または期限超過通知への応答よりも、貸借資料を受付館に返却することを優先させることを決定しました。これにより、以下の推奨事項に関する合意に至りました。

  • 我々はリソースシェアリングコミュニティ全体でお互いに対する思いやりを持ち、皆困難な状況下で最善を尽くしていると考えるべきである。
  • 時間がかかったとしても、貸借資料の大部分は受付館に戻ってくると考えるべきである。
  • 依頼館は貸借資料を受付館に返却することを優先させるべきであり、それらに対する更新依頼は時間の余裕がある時にだけ行うべきである。
  • 受付館は自動の期限超過通知はオフにするべきである。
  • 受付館は期限超過通知を送付するまでに最低30日は待つべきである。パンデミック下においては、60日待てるとなお良い。
  • 受付館は期限超過通知もしくは更新にかかるスタッフの時間を減らす為に、是非12週間以上もしくは16週間以上の貸し出し期間もしくは更新期間を検討すべきである。
  • 受付館が特定の資料を早く返却してもらう必要がある場合は、期限超過通知よりも督促の方が有効だと思われる。
  • コロナ禍に先んじて既に期限超過となっていた資料は、コロナ禍の最中に期限切れとなった資料とは事情が異なる。受付館がコロナ禍に先んじて期限超過となっていた資料を返却してもらうことにより緊急性を感じるのは当然である。

コロナ禍におけるILL資料の返却と期限超過通知に関するSHARESのコンセンサスの背景にある考えは?

いくつもの要因とメンバー館で共有されている仮説を基に、SHARES参加館はコロナ禍におけるILL資料の返却と期限超過通知に関する最善の方法に合意しました。

  • スタッフは図書館に戻りつつあり、返却された書籍を慎重に分別し、Physical ILL Return and Lending Status Mapで返却可能な館を確認しながら受付館に返却する優先順位をつけている。
  • 全ての館においてスタッフが館内に戻ることが許可されているわけではない。しかもスタッフが館内に戻っていても、多くの館は最小限の人員しか戻していない。
  • 多くの利用者はいまだにキャンパスから遠ざかっており、また多くの図書館は利用者から資料を返却してもらえるまで、まだ長い道のりがある。中には利用者に返送用の前払い済みの荷札ラベルを提供しているところもある。
  • 受付館から期限超過通知を山ほど受け取っても、依頼館には何の助けにもならない。
  • 受付館は、依頼館は最善を尽くしており、貸借資料は数か月後には戻ってくると考えるべきである。
  • SHARESメンバーは受付館としてこのやり方に基づいで行動している。

図書館関係のフォーラムなどでは、世界各地のILLスタッフから、資料が依頼館から無事帰ってくるだろうかと懸念する声が聞かれます。資料が必ず帰ってくると保証してもらいたい館もいれば、貸出中の資料を、地域の利用者がすぐに利用したがるのではないかと予想している館もあります。もちろんこれらは、もっともな心配です。コロナ禍におけるSHARESのアプローチは、依頼館の作業量をむやみに増やさないよう、緊急性の高くないケースについては期限超過通知やインボイスを送付するのを延期したりする一方、特定の資料が速やかに返却される必要がある場合に、受付館が資料を取り戻す負担を軽減する為にあります。リソースシェアリングは、寛大さ、信頼、目的を共有しているという信念に基づいており、返却と期限超過へ対応するためのこのアプローチは、SHARESのこの信念と一致するものです。

貴館、もしくは貴館の所属するコンソーシアムでは、現在、どのようにILLの期限超過通知と返却に対応していますか?意見を聞かせて下さい。

当記事の詳細はこちらから≫

REALMプロジェクト5回目の実験結果及び6回目の実験内容とツールキット公開

OCLC / 2020年10月14日, 10月22日

REALM: REopening Archives, Libraries and Museums 文書館、図書館、博物館の再開

5回目の実験報告: REALM プロジェクト研究の一環として、バテル研究所は、文書館、図書館、博物館で一般的に使用されている資料でウイルスがどのくらいの期間生存するかについて5回目の自然減衰実験を行いました。現在のところ、COVID-19感染の主な原因は汚染された物体(媒介物)とは考えられていませんが、感染経路をよりよく理解するためにはさらなる研究が必要とされています。この実験は標準的な室温(68°F~75°F;およそ20℃~24℃)と相対湿度(30~50%)の条件で保存された5つの資料に病原性SARS-CoV-2ウイルスを塗布して行われました。実験材料は、以下のものです。

実験材料 素材 用途 重ねて置くかどうか 結果
革の表紙 皮革(1861年位のもの) ハードカバーの図書の表紙 重ねない 8日後にウイルスを検出
合成皮革 発泡ポリ塩化ビニル 椅子生地 重ねない 8日後にウイルスを検出
ポリオレフィン織物 100% ポリオレフィン 椅子生地 重ねない 1時間後のみウイルスを検出
綿織物 100% 綿生地 椅子生地、玩具、衣装 重ねない データの採取・報告不能
ナイロン製ウェビング
(テープ状の生地)
ナイロン織物 群衆整理用テープ状バリア 重ねない 1時間後のみウイルスを検出

*革製本は個人寄贈、ナイロンウェビングはアメリカ自然史博物館、その他は業者から調達したものです。

実験結果の詳細(PDF:1,213 KB 英語)をダウンロード>>

システマティック文献レビューの結果:

また、2020年8月中旬までに発表されたSARS-CoV-2研究のレビューも公開されており、ウイルスの広がり方、物質や表面上での生存、さまざまな予防・除染対策の有効性についての現在の研究をまとめています。

この新しい知見では、ウイルスは濃厚接触者(米国疾病管理予防センターの定義: 感染者の発症2日前–無症状の場合は検査検体採取の2日前–から隔離されるまでの24時間の間に感染者から6フィート(約1.83メートル)以内に累積で15分以上いた者)間で、ウイルスを含む呼吸器飛沫を介して最も一般的に拡散し、エアロゾル(空気中に漂う微細な粒子)が感染の一因となる可能性があることを示す証拠が増えていると強調しています。また、ソーシャルディスタンスの取り方、マスク、新鮮な空気、紫外線、手洗いの有効性についても詳細が記載されています。これらから、COVID-19について、(1)感染に必要なウイルスの量、(2)感染者がどの程度のウイルスを放出するか、(3)人が物や表面に触れることで感染するかどうか、などの重要な「既知の未知」が残っていることが明らかになっています。

文献レビューはこちらから>>

6回目の実験内容:

文書館、図書館、博物館の家具や展示品によく見られる5つの素材が、第6回REALMラボテスト用に選ばれました。バテルの研究者は、感染可能性がある量のCOVID-19ウイルスをそれぞれの実験材料に塗布し、その後、標準的なオフィスの温度と相対湿度を維持し、余計な光や空気の流れがないテストチャンバー内に積み重ねない状態で配置しています。この実験では、この環境条件の下で、1時間後、2日後、4日後、6日後、8日後にどれだけのウイルスが残っているかを測定します。実験6の結果は、これらの材料を含む家具、機器、展示物を扱う際の予防と除染の戦術に役立つでしょう。

大理石は国立公園局から、粉体塗装スチールは米国議会図書館から、ラミネートはメトロポリタン・ニューヨーク図書館協議会から提供されました。その他の資料は、業者からサンプルとして調達したものです。

実験材料は以下の通りです。

  • 大理石(フローリング、カウンター)
  • 粉体塗装スチール(ロッカー、棚、ブックトラック、展示品)
  • ラミネート(カウンタートップ)
  • 真鍮製の建具、手すり
  • ガラス(窓、ディスプレイケース)

実験は2020年10月8日に開始されました。11月下旬には結果が発表される見込みです。

ツールキットで利用できるリソース:

REALMプロジェクト資料の理解と使用を支援するためにツールキットを公開しました。用意されているのは以下のようなものです。

– REALM 101(COVID-19とプロジェクトについて)
– 意思決定のためのチェックリスト
– これまでの全ての実験結果を比較するビジュアルエイド

ツールキットリソースを見る>>

この記事の詳細はこちらから>>

REALM Projectの詳細とこれまでの実験結果はこちらから>>

―OCLCのリーダーたちが知見や経験を共有するブログ Nextより―
図書館員の時間旅行、シェアード・プリント(紙媒体資料の共同管理)、図書館同士がよい存在であること

2020年10月15日  マット・バーンズ

映画「ビルとテッドの大冒険」の中で、2日前に紛失した鍵が必要だと嘆くシーンがあります。しかし、彼らはタイムマシンを持っているので、鍵をなくす前の時間に遡り、後で取りやすいよう”今”いる場所のすぐ近くにその鍵を置いておくことができるのです。

おかしな話ですが、でもこれはある意味賢明な方法でもあります。将来誰かがやってくれると期待してもよいとしたら、それに基づいて現在の計画を立てられるという事ですから。ポイントは、それぞれがお互いの計画を知っている必要があるということです。

ビルとテッドは、自分たちの計画を達成するために未来(過去)の自分たちに頼ることができますが、図書館のスタッフは、共同管理コレクション全体に渡って共有されているデータと共通の合意済シグナルに頼らなければなりません。

共同管理コレクションの運用化

図書館はこの何十年、コレクションに関するデータを共有してきました。OCLCは50年以上前に、書誌データを共有することで、図書館が知識をよりよく共有し、費用を節約することができるという2つの考えに基づいて設立されました。共有されたデータを戦略的に利用することで、図書館は書誌レコードのコピーカタロギング、資源の共有、グローバル・ディスカバリー、およびあらゆる種類の管理とサービスの作業を行うことができるようになりました。

しかし、これらの作業のほとんどは、コレクションについて何が既に購入されているのか、昨日のメタデータに基づいた結果今日ここにどのような資料があるのか、というデータに依存しています。明日のための運営戦略を計画するためには、多少の時間旅行が必要なのです。

どうやってそれを達成する?ビルとテッドを見習って、より慎重に自分の意思を貫くことです。

共同管理コレクションは、地域の政策や決定を集約した「見えざる手」によって導かれていました。コレクションは歴史的に個々の図書館の中で自律的かつ局所的に発展しました。この共同資源に対する責務は冊子体資料に関わる大規模な流通がもたらした良性の副作用でした。図書館が冊子体資料のコレクションを縮小し、冊子体資料の共有モデルを模索し、コレクションをデジタル化するにつれ、この「見えざる手」によるアプローチは適切ではなくなってきています。

ローカン・デンプシーの2019年8月20日付ブログ

「見えざる手によるアプローチは適切でなくなってきています。」私の同僚、ローカンのこのシンプルな言い方が気に入っています。今や自分の図書館のために正しいことをして、時間をかけてすべてがうまくいくことを願うだけでは足りません。私たちはもっと明確に計画を立てる必要があるのです。

2パーセントは膨大な数

2018年、OCLCとCRL(北米図書館研究センター)はメロン財団から「OCLCのWorldCatデータベースとCRLのPrint Archives Preservation Registry (PAPR)の基礎となるインフラを強化し、共有された冊子体逐次刊行物管理のための実用的なデータを収容し、アクセス可能にする」ための助成金を授与されました。このプロジェクトは今年の6月に完了しています

なぜこれが重要なのでしょうか?それは、図書館や公文書館が学術的・文化的記録の保護者であるからです。しかし同時に、より効率的になることや、新しい教育・学習モードに合わせた電子優先戦略への転換を図り、物理的なスペースを再利用しなければならないというプレッシャーにも直面しています。これら2つの一見相反する目標に対峙するということは、私たちがグローバルに(共同で)考え、私たちの資料、資源、予算についてローカルに行動(運営)する必要があるということを意味しています。

例えば、OCLCが米国の322の学術図書館がGreenGlassプロジェクトのために提出したデータを検討したところ、そのコレクションの2%は国内の5機関以下でしか所蔵していない資料であることが分かりました。ここで、図書館コミュニティの外にいる人は、「2パーセントなんてたいしたことない」とか「5冊あれば十分だ」と思うかもしれません。しかし、図書館業界内で考えると、これは少し怖いことなのです。分析した322の図書館での2パーセントは276万冊の単行本が危険にさらされていることを意味しているからです。

図書館では、ほとんどの場合、ある資料がどれくらいの頻度で貸し出されているのかなど、その図書館での判断に基づいて除籍対象を決定しています。あるいは、その資料がどれくらい古いか。あるいは、その資料が古びて見えたり、擦り切れていたり、今ではあまり教えられていない研究テーマだと思われる場合もあります。しかし、それが国や世界で5冊しかないうちの1冊だったらどうでしょうか?最後の一冊だったら?恐ろしいことです。

また一方で、他の図書館がそのコンテンツを保存することを約束していると分かっていたらどうでしょうか?その資料が将来的にも利用できると確信して、それに応じた計画を立てることができます。

コラボレーションによる時間旅行

共同管理コレクションの運用化についてのローカンの議論は、『進化する学術記録の管理: 見えざる手から意識的な調整へ』の中のブライアン・ラボアとコンスタンス・マルパスの研究を引用しています。この報告書の中で、彼らはより意識的な調整に向けた動きを示す方法として、「システム全体を意識すること」と「明確に責任を持って取り組むと約束すること」を挙げています。私たちのシェアード・プリントに関する取り組みは、この両方を支援するものです。

18,000以上の図書館がWorldCat上でデータを共有しています。多くのWorldCat参加図書館は単行本やセットものの図書を登録していますが、メロン財団の助成金による最近の機能強化のおかげで、個別のあるいは多部編の逐次刊行物について保存義務を登録することができるようになりました。私たちは、保存情報データの一括ダウンロードを可能にするCollection Manager、登録された保存義務にリアルタイムでアクセスするためのWorldCatメタデータAPI、そして通常の図書館ワークフローの中で共有された冊子体資料保存義務を探すためのFirstSearchConnexionWorldShare Record Managerなどの製品で、この作業の運用を支援してきました。

肝心なのは、図書館が過去のコレクション決定についてのデータだけでなく、未来の運営に関するデータを簡単に共有できるようにすることです。これらすべてが、より良い戦略的計画を可能にし、学術記録の完全性を保護し、大規模な効率化を可能にします。

将来の保存義務を登録しておくこと――図書館がお互いによい存在である (To be excellent to each other: 「ビルとテッドの大冒険」のセリフで「ヨロシク」のような意味のスラング
)ための1つの有効な方法です。

当記事の詳細はこちらから>>

―OCLC ResearchのブログHanging Togetherより―
メタデータは次世代へ移行する

2020年10月1日 カレン・スミス-ヨシムラ

何年もの間、私はOCLCリサーチ・ライブラリー・パートナーシップでのメタデータマネージャーのフォーカスグループディスカッションの要約をブログに書いてきました。公開されたばかりのOCLC Researchレポート「Transitioning to the Next Generation of Metadata(次世代メタデータへの移行)」で、過去6年間(2015-2020年)の議論をまとめました。

メタデータは、現在や将来の形式に関係なく、すべての発見の根底にあるという確固たる信念が、フォーカスグループのすべての議論に浸透しています。しかし、メタデータは絶えず変化しています。図書館員はさまざまな種類の今までよりはるかに多くのリソースにメタデータを提供し、より少ないスタッフで機関または複数機関のプロジェクトに協力する事を要求され、図書館の技術革新はメタデータ管理の実践に対しプレッシャーをかけてきています。

このレポートで取り上げられているのは次のことです。

  • なぜメタデータに変化が起きているのか?
  • メタデータ作成プロセスはどのように変化しているのか?
  • メタデータ自体はどのように変化しているのか?
  • これらの変化は将来の図書館職員の要件にどのような影響を及ぼすのか?また、図書館はどのように準備できるのか?

私はすべてのフォーカスグループの議論を5つに分類しました。

  • リンクトデータと識別子への移行:永続的な識別子の使用は、現在のメタデータから将来の方法へ移行するためは非常に大事なことです。リソース (著作、個人、団体、場所、イベント) で実体を記述し、それらの間の関係を規定してリンク付けする方法へ移行することで、現在、機関内の孤立したドメイン内にある名称の様々なバリエーション形へ橋渡しができるかもしれません。識別子は、図書館と言語の違いにより取り残されているコミュニティとの問題に対処するのにも役立ちます。
  • 「内部から外部へ」のコレクションおよび「ファシリテートされた」コレクション(利用者のニーズに合わせて構成されたもので、図書館の内と外、またはコラボレーションサービスを調整して組み合わせたもの)の説明:コンソーシアムと共有される可能性のある機関資源の創造、キュレーション、発見性 (図書館が外部の提供者から資料を購入またはライセンスする「外部から内部へのコレクション」とは対照的) を支援することへの移行は、アーカイブ・コレクション、アーカイブされたウェブサイト、オーディオ・ビデオ・コレクション、画像コレクション、研究データなど、いくつかの特定のフォーマットに対する課題と問題点を浮き彫りにしています。
  • 「サービスとしてのメタデータ」の進化:優れたメタデータはすべてのリソースの発見可能性の基礎となるため、メタデータの作成は従来の図書館目録を超えて新しいサービスにまで拡大しています。これらには、新しい基準、図書館および研究プロジェクトの初期段階でのコンサルティングに対する需要の高まり、新しいアプリケーションと視覚化、計量書誌学、およびセマンティックインデックスが含まれます。
  • 将来の人員配置要件への準備:変化する状況では、この分野に参入する新しい専門家と熟練した目録作成者の両方に新しいスキルの組み合わせが必要です。書誌作成だけに誇りを持っていることから、メタデータ作業への新しいアプローチを学び、探求し、試す機会を大切にすることへと文化の転換が必要です。フォーカスグループは、学習の機会、新しいツールと必要なスキル、自己教育へのアプローチ、およびスタッフの離職に対処する方法を明らかにしています。
  • 影響:次世代のメタデータは、機関コレクションのレコードベースの記述ではなく、実体にさらに重点を置くようになります。2020年に開始されたOCLC共有実体管理インフラストラクチャ(Shared entity management infrastructure)プロジェクトによって提供されるような信頼できる永続的な識別子が持つ影響力はグローバルであり、図書館員とアーキビストがどのようにコレクションを説明するかに影響を与え、「サービスとしてのメタデータ」を新しい方法で提供する原動力となり、将来の人員配置要件を左右するでしょう。

個人的には、OCLC Research Partnersのメタデータマネージャーフォーカスグループとのやり取りから大きな恩恵を受けており、次世代のメタデータへの移行において小さな役割を果たしていることを嬉しく思います。レポートへのフィードバックをお待ちしております。

当記事の詳細はこちらから>>

レポート”Transitioning to the Next Generation of Metadata” (PDF:7,432 KB) はこちらから>>

 

(紀伊國屋書店 OCLCセンター)


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