令和2年(2020)4月に植草学園大学(学校法人 植草学園)保健医療学部リハビリテーション学科の「作業療法学専攻」が開設されました。
平成20年(2008)4月開設の「理学療法学専攻」に加え、養成する人材の幅を広げ社会のニーズに対応します。
整備が一段落しました専用校舎であるT(ティー)棟の施設をご紹介します。
作業療法学専攻専用校舎 T棟の概要
2020年(令和2年)3月竣工
■所在地:千葉県千葉市若葉区小倉町1639番3
■構造・規模:S造 地上2階建 延床面積840.69㎡ (増築)
保健医療学部 リハビリテーション学科「作業療法学専攻」の概要[4年制]
2020年(令和2年)4月開設
〇入学定員:40人 〇収容定員:160人
〇取得可能資格:
●作業療法士国家試験受験資格
●音楽療法士(2種)
●おもちゃインストラクター ●社会福祉主事任用資格
●レクリエーション・インストラクター資格
●ピアヘルパー資格 等
アート&サイエンス
保健医療学部リハビリテーション学科作業療法学専攻では、音楽や創作活動、ロボットテクノロジー、ニューロサイエンスなどを活用した“アート&サイエンス”な先端的作業療法を学びます。
保健医療学部では、従来のリハビリテーションのみならず、ロボットリハビリテーションなどの先端技術についても教育内容に取入れ、社会のニーズに応えます。さらに、困難をもった人が社会の一員としてその人らしく生活できるよう支援する教育を重視します。“身体だけではなく心の痛みにも寄り添うことのできるあたたかい理学療法士、作業療法士”として、インクルーシブ社会を実現するために、情熱をもって努力を惜しまない人材の育成をします。
※インクルーシブとは、障害や困難のある人もない人も区別なく包み込むこと。
▼T棟 1階
■■アート・ラボ (基礎作業実習室)
音楽療法・レクリエーション・感覚統合・座位保持装置適合技術などの演習で使用します。
・天井の丸パイプは感覚統合器具のスイング類をロープで吊り下げるためのものです。
●手織機 さをり織り・・・
・手織機SAORIから、織機の構造、成経、経糸通し、緯糸通し、織などの工程を演習。身体的側面の分析、精神的側面の分析を体験します。
■サウンドプルーフルーム
「作業療法士+音楽療法士」ダブルライセンスの強み・・・
・音楽は作業の一つです。作業療法士が音楽療法士の資格を有することにより、音楽の作業的特性を深く 理解でき、対象者に音楽をより効果的に活用できるようになります。
■Bスタジオ
精神機能・認知機能・発達機能と作業療法評価・作業療法治療についての各種資料・検査装置等の機材を設置しています。
▼ T棟 1階 Cテラス
■Cスタジオ
陶芸電気窯をテラスに設置
・電動ロクロ、手回しロクロ等陶芸 機材を備えます。
・陶芸の基本知識と技能を身につけます。演習を通して,身体的側面の分析、精神的側面の分析を体験します。
▼(別棟 B棟 3階)
■被服工芸室
・電動ロクロ、手回しロクロ等陶芸機材を備えます。
・おもちゃの制作を通して、作業療法の木工技術を学びます。
・陶芸機材も用意されており、Cテラスと連動して作業を行います。
・作業療法の臨床現場での導入頻度の多い、革工芸や紙工作などの技法を学ぶとともに、臨床での活用法を学びます。
▼ T棟 2階
■■サイエンス・ラボ (測定室・評価室)
リハビリテーションとロボットテクノロジー、福祉工学・・・
身体の動きを運動学的、生理学的に分析する演習・研究で使用します。
・Sスタジオ、生活空間実習室を有します。
・テニス競技用、バスケットボール競技用、陸上競技用等、様々な機能の車いすを揃えています。オーダーメイドで製作します。
■Sスタジオ
各種計測装置・検査装置、シミュレータ、3Dプリンター、大型プリンター等を備えます。
●ドライビングシミュレータ リハビリテーションタイプ
運転操作能力検査及び身体機能検査用運転シミュレータ
・身体機能に障害のある方や高齢者に対しての身体能力、認知機能の検査やリハビリテーションに活用します。
●自己運動錯覚誘導システムKiNvis
ソフトウェアにより視覚誘導性自己運動錯覚を実現
・あたかも自身の四肢が動いているような感覚が引き起されます。
●各種測定評価機器
測定・検査のための装置システム
■生活空間実習室
自助具や障害体験グッズを用いた調理活動の作業分析と介入法の演習で使用します。
・冷蔵冷凍庫や電子レンジなどは、AIスマート家電を導入しています。音声操作や遠隔操作といった次世代の家電操作法を学びます。
~学校法人 植草学園のご紹介~
植草学園は明治37年千葉市内に「千葉和洋裁縫女学校」の創設を始まりとして現在大学、短期大学、高等学校、認定こども園、保育園を運営し、誰もが豊かに共に歩んでいける共生社会の実現拠点となることをめざしています。
植草学園大学では、大学構内に造成された「植草共生の森」での専門的な学びと活動を通じて、共生社会の実現を目指しています。また、地域の中高生のために学生ボランティアが運営する居場所「W(わら)」を立ち上げ、地域貢献のため日々学生自らが活動をしています。「植草共生の森」はビオトープコンクール2021にて「日本生態系協会長賞」受賞しました。