近年、日本の大学政策では「世界で競い成長する大学」の実現が掲げられ、研究力強化や国際的な研究発信力の向上が重要なテーマとなっています。
その中核には、「論文力の向上」と「研究時間の確保」という構造課題があります。実際、日本の論文力は国際的に低調とされ、教員の研究時間も減少傾向にあることが指摘されています。
【世界で競い成長する大学経営のあり方に関する研究会 中間とりまとめ(概要):経済産業省】
https://www.mext.go.jp/content/20260422-mxt_gakkikan-000049009_2.pdf
こうした課題に対し、京都大学が開始した英語論文作成・投稿支援エコシステム「かがやく」は極めて示唆的な取り組みです。
本取り組みでは、教育プログラムやメンター制度、投稿支援などを含む包括的な研究支援体制が構築されており、研究者の英語論文執筆から投稿までを支援しています。また、その構成要素の一つとして、エディテージが提供するAIによる英文執筆支援ツール「エディテージPLUS」が活用されています。
【英語論文作成・投稿支援エコシステム「かがやく」の運用を開始しました:京都大学】
https://www.research.kyoto-u.ac.jp/news/news20260511/
注目すべきは、英文校正や英文執筆支援が単なる補助業務ではなく、研究成果の国際発信を支える研究支援基盤の一部として位置付けられつつある点です。政策面でも、論文数や被引用数は研究活動の重要な指標の一つとされており、研究成果を世界へ発信するための環境整備が重視されています。
京都大学の「かがやく」は、研究者が研究活動そのものにより多くの時間を充てられるよう支援するとともに、研究成果を国際社会へ効果的に発信するための仕組みとして整備されたものです。その背景には、研究成果の社会実装や産業活用のみならず、知の蓄積、人材育成、国際的な知的ネットワーク形成など、大学が果たす多様な役割があります。
英文執筆支援はもはや“最後の工程”ではなく、研究者の負担軽減と研究成果の発信力向上を支える重要な研究インフラへと進化しつつあります。京都大学の取り組みは、その新たな方向性を示す好例といえるでしょう。
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