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ジョサイア・コンダー編『世界旅行者大全 』 The Modern Traveller by Josiah Conder

19世紀前半の英国人著作家によるグローバルな地理情報の集大成を完全復刻!現代世界が抱える民族、宗教、領土をめぐる紛争などの歴史的経緯を知る書としても有用

関連ワード:19th Century Travel Books British Empire Btitish Empire History of tourism オリエンタリズム 世界旅行 大英帝国 比較文化 英文学・文化史  更新日:2020.10.13

ジョサイア・コンダー編 世界旅行者大全(復刻版・全30巻)
The Modern Traveller : A Description, Geographical, Historical, and Topographical, of the Various Countries of the Globe by Josiah Conder

底本:London: James Duncan, 1830 (2nd edition) [1st edition 1825-1829]

2012年~2015年刊行 全5回配本・全30巻  *各配本内容、詳細情報は以下をご覧ください。

監修・解説: 原田範行(慶應義塾大学教授)
(Eureka Press/Edition Synapse)-JP-

『世界旅行者大全』は、19世紀前期の英国で、The Eclectic ReviewやThe Patoriot紙の編集者として活躍していたジョサイア・コンダー(鹿鳴館の建築などで著名なコンドルの祖父)が、自ら執筆・編集した浩瀚な世界旅行案内です。

本集成では、多数の図版、折り込み地図を含めて、完全復刻しています。

  • 蒸気機関の発明による交通革命時代の直前、1825年から数年にわたり出版された本書は、それまでに多く出版されていた空想的外国旅行記や航海記の内容とは一線を画し、地球が小さくなりなり始めていたこの時代の旅行者や一般読者に、最新の客観的情報を出来る限り広く提供する方針で、中東諸国、アジア、アフリカ、南北アメリカなどを旅する際に有用な、各国の地理、歴史、政治状況、文化、風習、そして主要都市や旅行ルートに沿った名所旧跡、景勝地などを詳細に解説。携帯可能なポケット版で刊行。(本復刻版では、読みやすさを考慮し、B6版にて復刻。)
  • 18世紀の旅行・紀行の出版スタイルを残しつつも、本書より約10年後に刊行が始まるマレーの旅行ハンドブックなど、今日につながる各国別の旅行ガイドを予感させる出版物で、近代ツーリズム史の研究にはもちろん、19世紀英国文化研究資料としても貴重な文献。
  • 各配本に監修者による詳しい解説(英文および和文)付き。

コンダー編『世界旅行者大全』(復刻版)第5回配本:中南米・南米(全6巻)
Part 5 : Mexico, Guatimala, Colombia, Peru, Brazil & Buenos Ayres


2016年9月刊行  ISBN 978-4-902454-71-0  6 vols. 2,170p. 19 plates & 4 folded maps

出版社によるカタログはこちらをご覧ください。
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Vol. 25: 『メキシコ①』Mexico 1, c. 382 p.
Vol. 26: 『メキシコ②、グアテマラ』Mexico 2 & Guatimala, c. 332 p.
Vol. 27: 『コロンビア』Colombia, c. 366 p.
Vol. 28 : 『ペルー』Peru, c. 372 p.
Vol. 29: 『ブラジル①』Brazil 1, c. 358 pp.
Vol. 30: 『ブラジル②、ブエノスアイレス』Brazil 2 & Buenos Ayres, c. 354 p.

Part5の中南米、南米は、編集・刊行当時、ヨーロッパの宗主国からの独立戦争、革命、内戦の続く激動の時代を迎えていた中南米が取り上げられています。
イギリスによるラプラタ「侵略」を破り、スペインからの解放を求める五月革命(1810年)を経て自治を宣言したブエノスアイレスがどのように扱われているか、あるいはナポレオン侵攻によりリスボンからリオデジャネイロに遷都したポルトガルが支配したブラジルとその後ほどなく独立した帝政ブラジルはどのように記述されているのかといったことも興味深い部分です。大西洋を軸にしたヴィクトリア朝直前の世界が、コンダーという非国教徒を代表する著作家、反奴隷制運動の中心人物を通じてどのように捉えられていたのかも、これら旅行案内には映し出されています。

コンダー編『世界旅行者大全』(復刻版)第4回配本:アフリカ、北米 (全5巻)
Part 4 : Africa & North America 


2015年6月刊行  ISBN 978-4-902454-70-3  5 vols. 1,850p. 16 plates & 3 folded maps

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Vol. 20: 『アフリカ①』 Africa 1, c. 384 p.
Vol. 21: 『アフリカ②』 Africa 2, c. 364 p.
Vol. 22: 『アフリカ③』 Africa 3, c. 336 p.
Vol. 23: 『北アメリカ①』 North America 1, c. 383 p.
Vol. 24: 『北アメリカ②』 North America 2, c. 342 p.

奴隷貿易の禁止にもかかわらず奴隷制度の残る19世紀初頭にあって、前世紀に三角貿易の中心となっていた英国はアフリカをどのように描いたのか、アメリカ独立の経緯やその後の様々な英米間の衝突、そして植民地カナダに対する「近代」イギリスの視線、等々、ヴィクトリア朝直前の英国と世界との複雑な関係を映しだす格好の同時代資料。

コンダー編『世界旅行者大全』(復刻版)第3回配本:トルコ、ギリシャ、ロシア、スペイン、ポルトガル(全6巻)
Part 3 : Turkey, Greece, Russia, Spain, & Portugal


2014年3月刊行  ISBN 978-4-902454-69-7  6 vols. 2,185 p. 20 plates & 3 folded maps

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Vol. 14: 『トルコ』 Turkey, c. 368 p.
Vol. 15: 『ギリシャ①』 Greece 1 & The Morea, c. 382 p.
Vol. 16: 『ギリシャ②』 Greece 2 (The Morea & Hellas), c. 352 p.
Vol. 17: 『ロシア』 Russia, c. 348 p.
Vol. 18: 『スペイン①』 Spain 1, c. 379 p.
Vol. 19: 『スペイン②およびポルトガル』 Spain 2 & Portugal, c. 352 p.

西側諸国とイスラム圏の接点であった5地域を中心に6巻を復刻。帝国主義の時代に、さまざまな国際紛争の舞台となるこれらの地域への、19世紀初期の英国人の関心や理解を探る資料としても貴重な文献。

[トルコの記述に充てられた第14巻は、『大全』の他の諸国や地域に見られる彼の一般的な記述とは著しく異なる点が少なくない。まず、各都市や地域に関する地誌的記述が、コンスタンティノープルを除くとほとんど欠落しているということが挙げられるし、アナトリアの古代文明や東ローマ帝国支配の時代などの歴史的記述もきわめて少ない。そしてその代わりに第14巻の大半を占めていると言ってよいのが、オスマン・トルコ帝国の歴史とその専制政治に関するコンダーのいささか批判的な言説であり、また特にその衰退の原因に関する考察である。もちろん彼は、この帝国の「優秀さ、偉大さ」にも言及してはいる。だがそれは直ちに衰退の歴史に吸い込まれてしまう。](監修者による解説本より抜粋)

コンダー編『世界旅行者大全』(復刻版)第2回配本:インド、ビルマ、ペルシャ、中国 (全7巻)
Part 2: India, Birmah, Persia, & China


2013年2月刊行 ISBN 978-4-902454-68-0   7 vols. 2,670p.  25 plates & 3 folded maps

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Vol. 7-10: 『インド』 India c.1,545 pp.
Vol. 11: 『ビルマ』 Birmah, c. 387 pp.
Vol. 12: 『ペルシャ』 Persia 1, c. 376 p.
Vol. 13: 『ペルシャ、中国』 Persia 2 & China, c. 356 p.

インドおよびビルマ、ペルシャ、中国を対象に、英国の一般読者へ向けてこの時代の「最新情報」を紹介。特に支配力を強めていたインドには4巻を費やし、ヴィクトリア朝直前の英国人のインド像を語る文献としても重要資料。

[全30巻の『大全』において、記述が4巻に及んでいるのはインドだけである。19世紀初頭のイギリスにあって、海外に目を向ける『大全』の読者の大きな関心がこの地域にあったことは明らかである。(中略)なかでも圧巻なのは、イギリス支配下のインドの歴史を記した”History of British India”の項目で、第8巻全372ページにとどまらず、第9巻の前半にまでわたっている。1757年、インド東部のカルカッタ北部にあるプラッシーで起きた戦いに勝利した後、イギリスは急速にインドの実効支配を強めていく。(中略)プラッシーの戦いにおいて、敵対するベンガル太守とフランス東インド会社の軍を撃退したロバート・クライブをはじめ、1772年、イギリス東インド会社のベンガル総督となって、法律や徴税制度、軍隊の整備を進めたウォーレン・ヘイスティングズ、上級裁判所判事としてカルカッタに赴任しつつも、アジア協会を設立してサンスクリット語や古代インドの文化研究を飛躍的に発展させたウィリアム・ジョーンズ、イギリス国教会の主教としてカルカッタに赴任し、短い期間ながら熱心に布教活動を行ったレジナルド・ヒーバーなど、イギリスによるインド支配の歴史を考える上で欠かせない人物が、『大全』には続々と登場している。](監修者による解説本より抜粋)

コンダー編『世界旅行者大全』(復刻版)第1回配本:中東諸国編- パレスチナ、シリア、小アジア、エジプト、ヌビア、アビシニア(全6巻)Part 1: Palestine, Syria, Asia Minor, Egypt, Nubia, & Abyssinia

2012年3月刊行     ISBN 978-4-902454-67-3    6 vols. 2,250 p. 18 plates & 6 folded maps

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Vol. 1: 『パレスチナ』 Palestine, c. 382 p.
Vol. 2: 『シリア』 Syria 1, c. 360 p.
Vol. 3: 『シリア&小アジア地域』 Syria 2 & Asia Minor, c. 370 p.
Vol. 4: 『アラブ諸国』 Arabia, c. 372 p.
Vol. 5: 『エジプト』 Egypt 1, c. 374 p.
Vol. 6: 『エジプト、ヌビア&アビシニア』 Egypt 2, Nubia & Abyssinia, c. 376 p.

(学術洋書部)