これからの学び

Wiley Digital Archives 新たなデジタル・ライフへ

2020.09.09
wiley digital archives

世界で最も影響力を持つ学協会アーカイブへのアクセスを実現

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イノベーションの推進とは、出版された研究業績を超えること

ここ10年あまりの電子化のとりくみなどにより、学術的なコンテンツへのアクセスはかつてないほど容易になりました。最新の雑誌記事や歴史的なバックファイルから学術書、一次資料のアンソロジーまで、今日の研究者は研究を支援する膨大な量の情報源を活用することができます。

では足りないものは?

学協会や関連学術団体は、集積された歴史を引き継ぐ最も堅固なアーカイブの一部を保有していますが、学術的な記録の共有から不釣り合いに欠落しています。手稿、私文書、フィールドワークから図版、地図、写真にいたるまで、これらのアーカイブの中で保管されているオリジナルコレクションの大半は未調査のまま残され、今日の研究者にその存在を知られていない場合もあります。

では、もしわれわれが二次・三次資料源、またはアンソロジーやオンラインでの再出版によって収集された一次資料を参照することができるのであれば、それで事足りるのでしょうか。

本稿は、機関アーカイブ独自の性質と、これらのコレクションを広く活用できるようにすべく行われてきた歴史の中で奮闘、そしてこれらの資料を日々の研究に組み込めるよう現在も行われている努力を調査したものです。

アーカイブ・コレクションの意義

情報源からの直結

アーカイブ資料は、あらゆる種類と形式を備えた重要な一次資料群であり、特定の場所、時、出来事、主題、組織に関する当事者による資料を提供します。

単語、描画、芸術品、品物の数々を通じて、アーカイブ資料はそこで生き、経験してきた人々の視点を通して歴史のユニークな一面を垣間見ることを可能にします。

生の歴史を経験

アーカイブ資料は、私文書、手稿、写真、地図、書簡、会議録、エフェメラ他を含む唯一無二の資料を探求する機会を提供します。

アーカイブは、歴史を詳述するにもかかわらず、歴史から少なくとも一度は取り除かれたものです。これらの資料は、外部による注釈や分析といった仲介がない状態で、研究者と出版された資料類との溝を埋めるものです。

全体を俯瞰

アーカイブは、個々の資料とは反対に、特に集合体としてのコレクションの価値に重点を置いています。各資料は密接に関係しており、1つの資料を調べるだけでは、もともとの用途や創作意欲を定義づける統合された歴史的文脈は失われるでしょう。

確固たる基盤をつくる

歴史的な文脈は、微妙なつながりをとらえるのに非常に重要であるが故に、今日入手可能な再出版された一次資料は新たな発見を促すには十分でないことがままあります。

“Archives are important because they provide evidence of activities and tell us more about individuals and institutions. They tell stories. They also increase our sense of identity and understanding of cultures. They can even ensure justice.”

(アーカイブが重要なのは、個人や機関について活動の証拠を提供し、我々により多くのことを教えてくれるからです。アーカイブは物語を伝えます。そしてまた、我々のアイデンティティの感覚や文化理解を深めてくれます。正義さえ保証してくれます。)

Brooks, Rupert. “Why are archives important?” Accessed February 10, 2018.

http://www.kings.cam.ac.uk/archive-centre/introduction-archives/definition/why-important.html

学協会アーカイブを探求する

学協会や関連学術団体は研究コミュニティの中で独自の役割を果たしています。多くの場合、長い歴史をもち、明確な使命と目標を掲げた機関であり、教育、支持、知識の普及を通じてその専門分野の進歩を推し進めています。これらの機関はよく引用される学術研究を数多く発表しており、図書館員や研究者にもよく知られています。

以下に、機関アーカイブの他資料との重要な相違点を何点か挙げます。

目的のもとにつくられたコレクション

学協会は、特定の目的の下にアーカイブ資料を収集しており、学協会の歴史だけでなく、その価値、アイデア、意見の相違、ブレークスルー、野心をも反映します。これらのアーカイブは、会員の、会員による、会員のためのオリジナルの情報源を含み、もともとはその専門分野におけるリーダー、フェロー、会員のための作業リポジトリとして活用されてきました。

これらのアーカイブは、会員の、会員による、会員のためのオリジナル情報源を含み、もともとはその専門分野におけるリーダー、フェロー、会員のための作業リポジトリとして活用されてきました。

科学コミュニティの形成

機関アーカイブは、志を同じくした研究者たちがそれぞれの分野をベースとしてアイデンティティを形成した歴史的な瞬間の証拠を提供します。勅許状やその他の基礎的なアーカイブ資料を通じて、決定的瞬間が、それまで曖昧だったコミュニティがより大きく、より包括的なものになった瞬間として開示されます。

進化の過程を提示

これらのコレクションの全体像は、学協会自体の歴史のみならず、その専門分野の成長をも反映します。「魔法」はいつ「科学」になったのでしょうか。いつ町の床屋が外科医の役割を果たすのをやめたのでしょうか。これらのアーカイブは、今日我々が知る専門分野の歴史と学際的な起源を開示します。

STEM(科学・技術・工学・数学)分野を歴史的文脈に位置づける

学術協会・関連組織のアーカイブは、研究のみならず、その研究に関わった人々、出来事、そして歴史的な文脈に関しても、歴史的な証拠を提供します。無意識のうちに広くいきわたった姿勢や、著者が生きていた時代の関心事によって形成されてきた、オリジナルの情報源は、今日研究者が依拠している出版物の背後にあるストーリを示しつつ、歴史や文化の中に科学を位置づけます。

オリジナルの発見や革新からの刺激

研究を進めるにあたり、もともとの情報源に含まれる文書群に直接あたることに匹敵するものはありません。コレクションの文脈の中で稀少な資料を検証することにより、研究者は新たな疑問を形成し、新たな質問の順序を追求し、現状を凌ぐ方法で学術的な記録を踏まえていくことができます。

“The RAI more than any other institution provided the capacity for the creation of modern anthropology. Here, through its unique archive of manuscripts, photos, and archives we can see how step by step this was done. ”

(RAIは、他のいかなる機関よりも近代人類学の創造のためにその能力を提供しました。ここで、このユニークな手稿、写真等のアーカイブを通して、我々は一歩一歩の歩みがどのようであったのかをみてとることができます。)

Wiley Announces Launch of Wiley Digital Archives. 2017. 

挑戦、そしてアクセス不可能なアーカイブ・コレクションのインパクト

機関アーカイブは計り知れない価値を持つにもかかわらず、歴史的な挑戦においては、調査や学びの過程でこれらの資料を組み込むことは阻まれてきました。

研究への障壁

遠隔地であること

学協会のアーカイブは多くの場合、世界のどこかにある建物に保管されています。研究者はアーカイブを参照するためにそこへ出向くことになり、調査の流れの中で深刻な断絶を余儀なくされます。

資金の制約

遠隔地にある機関への訪問、そしてそこにあるアーカイブで調査を進めるためには、資金や時間面の負担が生じます。アーカイブにアクセスすることができる研究者とそうでない研究者、すなわちこのような訪問のために資金援助することができる豊富な財政源を持った機関に所属する研究者と、援助なしに取り残される研究者の間には差異が生じることがままあります。

発見の機会の限定

物理的なアーカイブ資料は整理された状態で保存されており、研究者はそれを探し出すために、何を探しているかを明確に把握している必要があります。たとえ研究コースに影響を与えうる、あるいは調査を成功に導きうるものであったとしても、関係のある他のアーカイブ資料をうまく見つけ出す能力は極めて限られます。

アクセスへの制限

研究者がアーカイブを所蔵する機関を訪問する幸運に恵まれたとしても、原資料を参照・活用する際、いくつもの厳しい制限がかかります。以下にあげるのはその一部です。

アーカイブの編成は、由来、すなわち研究者がアーカイブをもとの順序を崩さずにコレクション毎に参照させるための指針によって規定されています。その結果、研究者は様々な箱、ファイル、その他の保管ユニットをあたり、目指すアーカイブ・コンテンツをみつける必要があります。

一度に取り出すことができる記録の数に制限があるだけでなく、訪問時間の制約により、研究者はしばしばコレクション全体にあたることができません。資料によっては、その状態によって特別な取扱をもとめられる場合や、場合によっては、閲覧不可の場合もあります。

アーカイブには、唯一無二の原資料が所蔵されており、研究者はしばしば複製の作成や貸し出しが禁じられます。その場合、手書きでメモを取らざるをえず、物理的に記録するための時間を割くために調査の時間が減ることになります。

“Libraries, archives, and cultural institutions hold millions of items that have never been adequately described. These items are all but unknown to, and unused by, the scholars those organizations aim to serve. …Nationally, this represents a staggering volume of items of potentially substantive intellectual value that are unknown and inaccessible to scholars. ”

(図書館、文書館、文化機関は、これまで適切に記述されてきたことがない何百万もの資料を所蔵しています。これらの資料は、これらの機関がサービスを提供することを目的としている研究者たちにほとんど知られておらず、使われてもいません。…公共の立場から見て、このことは潜在的に独立した知的価値を持つものの、学者たちに知られることも査証されることもない圧倒的な量の資料の存在を示しています。)

Making Archival and Special Collections More Accessible. 2015. Dublin, Ohio: OCLC Research.
http://www.oclc.org/content/dam/research/publications/2015/oclcresearch-making-special-collections-accessible-2015.pdf

 教育・学習上の障壁

文脈からの乖離

大学の教員や講師が教室で一次資料を紹介する際、それらはオンライン上でみつけた再発行された一次資料や、編集済コレクション、アンソロジーに限定されます。

歴史的な文脈から資料が乖離することにより、学生たちは、入手可能な一次資料から誤った解釈をする、あるいは不完全な結論を導き出す可能性があります。

革新の阻害

アーカイブ・コレクションに含まれる完全な範囲の資料にアクセスすることができなければ、学生たちは伝統的なテキスト分析を超え、より深い理解にもとづいた研究調査を進めることができなくなります。

静的方法

アーカイブ・コレクションは歴史の目撃証言資料であり、本質的に静的なPDFより直観的かつ経験的です。これらのPDFは、動的な教授方法を試みる教育者の能力を損なうのみならず、学習者の関与を減らす結果ともなります。

“If undergrads were able to conduct innovative, historical research using those digital archives, then they would not be taken out of context but would instead be used in their entirety.”

(もし学部生がこれらのデジタル・アーカイブを利用して革新的かつ歴史的な調査を実施することができるなら、それらは、文脈から切り離されるかわりに全体の中で利用されるでしょう。)

Steere-Williams, Jacob. ”Digital Archives Session.” (Speaking Session, Charleston Library Conference, Charleston, November 2017.

機関アーカイブへのアクセスを実現するための闘い

複数の学術的な学協会が、彼らの持つアーカイブへのアクセスを可能にしたいという希望を共有したとしても、現実的な壁により、その進展は行き詰まってきました。

リソース

電子化の過程では、時間と費用の両方の負担がかかります。最先端のテクノロジーを搭載したスキャン装置から洗練された技術的な発展まで、歴史的な機関の多くはこのような電子化を実施するのに必要な資金も専門知識も持ち合わせていません。

原資料の保存

アーカイブ資料は脆く、時間の経過や物理的な取り扱いにより傷みが生じているケースが散見されます。当然のことながら、各機関は、電子化プロセスを実施するのに必要な厳格なステップの下に、これらの原資料がどのように維持されるかを懸念します。

保管順序の保存

物理的なアーカイブの中で、歴史的な文脈は、ファイリングシステム、保管箱、その他の収納ユニットによって注意深く維持されています。デジタル環境でこの保管方法を再現する作業は、さらに複雑に入り組んでいます。

技術的な限界

資料へのアクセスや開示は、単なるアーカイブの電子化にとどまりません。アーカイブの目録化に際し、事前に用意された広範なプロセスを請け負う必要があり、その後もそれらを格納できるようなプラットフォームを開発するために、さらに複雑な作業を行う必要があります。

“We were first unsure of what we could do with our archives…donate them?
They would sit and not be used.”(はじめ、我々は、我々のアーカイブを使って何ができるのか、よくわかっていませんでした…それらを寄付するということでしょうか。それらはそこにあり、そして使われることがないのです。)Braaten, Douglas. ”Digital Archives Session.” (Speaking Session, Charleston Library Conference, Charleston, November 2017.)

需要に応える

学術的な状況において競争が激化する中 ―機関のみならず、研究を進めるために文脈を伴う一次資料に依拠する研究者たちや、研究者がそれらの資料へのアクセスを可能にする図書館員にとっても― アーカイブ・コレクションの電子化の取組が急務となってきています。

今や、学術的な学協会は彼らのコレクションの継続的な開示や保存を保証するリソースや技術に投資しつつ、外部機関と戦略的な電子化の提携に取り組み始めています。

機関アーカイブコレクションへのリモートアクセスからグローバルアクセスが進むとどうなるか

1.目録(inventory)

提携が決定すると、すべての資料を確認し、修復が必要なものを特定しながら、各情報源の目録が作成されます。

2.修復と保存(Restore and preserve)

傷んだ資料をスキャン可能にするためだけではなく、原資料の状態を改善させるための慎重な修復プロセスが求められます。このステップは、高品質なデジタル化や物理的な資料の継続的な保存にとって重要です。

3.スキャンと電子化(Scan and digitize)

将来的にプラットフォーム上で開示することができるように、文書に対して高解像度の画像がスキャンされ、光学式文字認識(OCR)処理が行われます。見出し、名前、場所、日付を含む記述メタデータが手作業で入力され、既存の目録や検索を最適化するための情報検索機能に組み込まれます。

4.もとの順序を保存

コンテンツの各断片は、アーカイブのもともとの階層構造や構造を保持しながら、もともと保管されていたフォルダー、箱、コレクションでタグ付が行われます。

5.アクセスへの誘いと開示の推奨

各アーカイブは、世界中の研究者が日々の調査にコレクションを組み込むことができるよう、所属機関の図書館からのアクセスを可能にします。

“You get more content back in your repository by working with a partner, and it helps us improve e-access to these resources, which we had failed to do.”

(パートナーと協働することで、数多くのコンテンツをあなた方のリポジトリに組み込んでくれます。そしてこのことは、我々がこれまで失敗してきた、これらの情報源への電子的なアクセスを改善する手助けをしてくれます。)

Forde, Pamela. ”Digital Archives Session.” (Speaking Session, Charleston Library Conference, Charleston, November 2017.)

歴史史料へのデジタル・アクセスのインパクト

歴史的アーカイブ・コレクションの電子化は、継続的な保存に向けて、維持可能な解決策を提示するだけではなく、図書館に対して、研究調査と学習の成果を豊かにしてくれる、新たな次元での開示された学術記録へのアクセスを促します。

以下にご紹介するのは、機関アーカイブへの電子的なアクセスが学術コミュニティ全体に与える最も重要な貢献の一部です。

歴史的な証拠を保存する(Preserve historical evidence)

“The digitization of our society’s archives is a reclamation of our history.”

我々の学会アーカイブを電子化するということは、我々の歴史を返還してくれるということです。

Braaten, 2017

包括的な保存プロセスを通じて、学会のアーカイブは彼らのアーカイブの目録を得、欠落を追跡し、傷んだ資料を修復し、全体としてのコレクションを保証します。この歴史的な証拠をオンラインで入手することは、未来の世代に対する彼らの組織的な影響力を保証します。

教え、学ぶことに力を与える(Empower teaching and learning)

“As an educator, digital archives are a game changer. ”

(教育者としては、デジタル・アーカイブは、一種の賭けです。)

Steere-Williams, 2017

完全なアーカイブ・コレクションへのアクセスは、教員や講師が歴史的な文脈を教室に呼び戻す力を与え、学生が関わり、結果を出すことに影響します。

研究の成果の水準を引き上げる(Raise the bar for research outcomes)

“Digital archives are not going to replace traditional modes of information, but rather add to them;  they have led both to new answers and, more importantly, to new questions.”

(デジタル・アーカイブは、伝統的な情報のモードにかわるものではなく、むしろそれらに追加されるものです。すなわち、それらは新たな回答と、さらに重要な点としては、新たな問いの両方へと導いてきました。)

Steere-Williams, 2017

情報源の電子化と活性化を通じて、研究者は、基礎的な歴史的文脈を日々の研究コースの中で発見を加速させ、最初の問いを追求し、世界中の組織での革新の水準を上げるために、投資することができるようになります。

図書館コレクションを特徴づける(Differentiate library collections)

”For students, faculty and external audiences, we have the responsibility to digitize resources and make them available to the world.”

(学生、教員、外部の利用者のために、我々は情報源の電子化と世界中で利用可能にする責任を担っています。)

Bucknall, Timothy. ”Digital Archives Session.” (Speaking Session, Charleston Library Conference, Charleston, November 2017.)

さらに多くの歴史的なアーカイブが電子化されることで、図書館は、過去に探求されたことのないコレクションへのアクセスを可能にするプラットフォームを区別し、影響力を持つ一次情報源の資料の開示を促し、学生や研究者の成果を高め、彼らが所属する大学の最も緊急性の高い目的を支援することになります。

Wiley Digital Archives

過去から未来への懸け橋

Wiley Digital Archivesは、世界で最も影響力を持つ学術・科学協会、大学のアーカイブの修復、電子化、目録化を行い、過去の輝かしい頭脳と未来を創りだしている研究者とをつなぎます。我々は、何世紀も前のユニークな一次資料を先進的なプラットフォームに搭載し、世界中どこからでもアクセスできるようにしています。

我々のコンテンツは1100年から2013年までに作成されたもので、英国王立内科医協会(Royal College of Physicians)、英国王立人類学協会(Royal Anthropological Institute)、ニューヨーク科学アカデミー(New York academy of Sciences)、英国科学振興協会(British Association for the Advancement of Sciences)、英国王立地理学会(Royal Geographical Society (with the Institute of British Geographers))のアーカイブを含みます。

私たちはこれらの稀少な資料に、新たなデジタル・ライフを与え、検索、ソート、共有を容易にする適切なプラットフォームを通じてそれらを提供します。

各アーカイブは、科学史における発見と革新の物語を伝えます―しかし過去においては、アーカイブ所蔵場所に旅行する術を持っていた人だけがこれらのコンテンツの恩恵に浴していました。我々は、将来の世代のためにこれらを保存しつつ、世界中の研究者からのアクセスを実現します。

パートナーの声

“The RAI more than any other institution provided the capacity for the creation of modern anthropology. Here, through its unique archive of manuscripts, photos, and archives we can see how step by step this was done. By making this wonderful resource available digitally, these outstanding and often untapped primary sources for any researcher in the history of anthropology will be available to a desktop, wherever it may be.”

(RAIは、他のどの機関よりも近代人類学の創造のためにその能力を提供しました。ここに、手稿、写真、アーカイブ資料で構成されたこのユニークなアーカイブを通して、私たちはその一歩一歩の歩みがどのようであったかをみてとることができます。この素晴らしい情報源を電子的に使えるようにすることで、このたぐいまれで、人類学史を研究するあらゆる研究者にとってしばしば手つかずだった一次資料が、どこにいても机の上で参照することができるようになります。)

David Shankland, M.A., Ph.D.
Director, Royal Anthropological Institute of Great Britain and Ireland

“We were first unsure of what we could do with our archives… donate them? For many years they sat unused – yet a treasure trove of information about the 200 year history of NYAS. That’s why we were pleasantly surprised by, and greatly appreciate, this opportunity to have our archives digitized and available for research. Our Academy has been working with Wiley for ~13 years, and this fortuitous step expands the very fruitful relationship our two organizations have enjoyed.”

(最初、我々は、我々のアーカイブで何ができるかよくわかっていませんでした…寄付するのでしょうか?―長年使われずに放置されてきたものの、NYASの200年の歴史についての情報の宝庫です。そのことが、我々のアーカイブが電子化され、研究に供される機会を得たことにとても驚き、感謝している理由です。我々のアカデミーは、ワイリーと13年以上協働してきました。そしてこの幸運な第一歩は、2つの機関が享受してきたきわめて実りある関係を拡大するものです。)

Douglas Braaten, Ph.D.
Chief Scientific Officer, Science Publications & Editor-in-Chief,
Annals of the New York Academy of Sciences

“The RCP collections tell the story of the development of medicine and science over five centuries, via the papers and books of many of the people who shaped that story. We are excited to be working with the Wiley Digital Archives program to provide access to the full range of materials which make up our story.”

(RCPのコレクションは、5世紀以上におよぶ医学と科学の発展の物語を、それらの物語をつくってきた多くの人々の手による文書や書籍を通じて語ります。我々は、Wiley Digital Archivesプログラムと協働して我々の物語を作り上げるあらゆる資料へのアクセスを提供することができることに興奮しています。)

Pamela Forde,
M.A., M.Ar.Ad, PC.dp.
Archive Manager,
Royal College of Physicians

“One of the most powerful things about this archive is that it allows you to study and see, in depth, how British science has changed over the 19th century through to the post-Second World War.”

(このアーカイブのもっとも強力な点の1つは、英国の科学が19世紀から第二次世界大戦後にかけてどのように変遷したかを深く研究し、観察することを可能にする点です。)

James Poskett, Ph.D
Assistant Professor in the History of Science and Technology
University of Warwick

“The Society’s 1.6-million strong Collections document over 500 years of geographical science and discovery, presenting an internationally important resource for many disciplines. WDA provides the first opportunity for the various elements: archives, maps, photographs and other items, to be used online for remote academic study. This will revolutionize Collections-based research for the Society and its users.”

(協会が所蔵する160万点ものコレクションは、500年以上の地理学と地理的発見を記録し、多くの分野で国際的に重要なリソースを提供します。WDAは、遠隔地での学術研究のためにオンラインで利用するべく、アーカイブ資料、地図、写真その他、様々な要素を初めて提供します。このことは、協会とその利用者にとって、コレクションを基盤とした研究に革命を起こすことになるでしょう。)

Professor Joe Smith
Director, RGS-IBG

Wiley Digital Archives 5つのアーカイブ

The New York Academy of Sciences
ニューヨーク科学アカデミー・アーカイブ

200年の歴史を持つニューヨーク科学アカデミーのアーカイブ資料コレクションです。アカデミーが関わりをもった科学機関や研究者関連の資料、協会運営記録等を通じて、2世紀におよぶ科学の進歩を辿ることを可能にします。医学、植物学、気候科学、動物研究等、学際的かつ多岐にわたる分野をとりあげます。

Royal Anthropological Institute of Great Britain and Ireland
英国王立人類学協会アーカイブ

世界で最も長い歴史を持つ人類学分野の学術団体で、広範かつ包括的に人類学の発展に貢献してきた英国王立人類学協会のアーカイブ資料コレクションです。協会が関わりをもってきた文化人類学者関連の資料やフィールドワークの記録等、1871年創設以前の協会創設ルーツまで遡る1837年以降の資料を提供します。

Royal College of Physicians
英国王立内科医協会アーカイブ

2018年に創設500周年を迎えた英国王立内科医協会の会員が遺してきた研究の成果を記録したユニークな一次資料コレクションです。医学史、薬学、公衆衛生、感染症、臨床から博物学、世界各地の医学まで、5世紀におよぶ医学の進歩を形成してきた膨大な範囲・量の一次資料が含まれます。

Royal Geographical Society with IBG
王立地理学会アーカイブ

地理学の発展を目的として、1830年に創設。以降、地理学者と地理学研究のための中心的な機関として活動を続けています。世界のあらゆる地域を記録する膨大な地図コレクション、極地探検の記録他、世界の地理学研究における最も包括的なコレクションです。

British Association for the Advancement of Science
英国科学振興協会アーカイブ

英国科学振興協会は、英国における科学の枠組と基盤を提供してきました。その所蔵資料には、科学と政策、統治、文化をつなぐ組織としての交点が記録されています。数学、物理学、化学、地質学、動物学、地理学、経済学、統計学、工学、人類学、生理学、植物学、教育学、農学など、多岐にわたる分野をとりあげます。

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(資料提供Wiley)