人文社会系研究

【リリースしました!】近日リリース!国防省、特殊作戦執行部、情報局保安部、内閣府等、英国の機密解除文書データベース

2020.12.01
Declassified Documents Online

2021年3月リリース!英国の諜報機関の活動を伝える一次資料資料コレクション

センゲージ ラーニング社Galeでは、20世紀から21世紀にかけてのアメリカ合衆国政府の連邦記録より、機密解除文書を収録するデータベースU.S. Declassified Documents Onlineをご提供してきました。このたび、その英国版ともいうべきDeclassified Documents Online: Global British Intelligenceをリリースする運びとなりました。

2パート構成でのご提供を予定しており、1905年から2002年にかけての大英帝国の英国諜報活動の蒐集内容と分析を示す数々のコレクションを提供します。第二次世界大戦から冷戦まで、主に1950年代から1960年代にかけての期間に焦点をあてています。

第一弾のパート1は2021年3月リリース予定、パート2は2021~2022年のリリースを予定しています。

※2021年3月12日にパート1がリリースしました。

Declassified Documents Online: Global British Intelligence, Part 1, 1905-2002

2021年3月にリリースされるパート1では、第二次世界大戦以降の特殊作戦執行部(SOE: Special Operations Executive)や情報局保安部(Security Service (MI5))の活動から、冷戦および冷戦後の状況を伝える国防省、植民地省のファイルまで、英国の諜報活動、脱植民地化、国際政策・戦略に関して新たな視点を提供し、20世紀を通じての英国の諜報網の広さを示します。

  • 資料所蔵元:英国立公文書館
  • 収録量:3,900ファイル以上。560,000ページ以上
  • 収録年代:1905-2002年
  • 機密解除年代:1949-2019年※

※本データベースは機密ファイル、特に諜報機関由来のものを収録し、その多くが近年公開されたものです。収録各文書のメタデータには、機密解除年の情報が含まれており、十分研究されてこなかった直近の過去の側面を示し、歴史的な出来事や政策の新たな解釈を可能にします。

20世紀の歴史の舞台裏

英国の諜報・保安サービスは、ハイレベルな中央集権化と部門間の連携を特徴とし、幾多の紛争、外交・政治面での大変動が発生した20世紀に世界の隅々までその活動範囲を広げました。収録ファイル群には、Room 40(第一次世界大戦中の英国海軍本部の暗号解読セクション)や通信・信号等の傍受を利用した諜報活動(Signals Intelligence)の前身から、帝国全体の安全保障や冷戦期の地政学まで、英国の諜報活動の発展と政策に与えた影響をカバーします。第二次世界大戦、冷戦、レジスタンス運動、政府の諜報活動、プロパガンダ、諜報分析、政策等、「舞台裏」の物語を提供します。

戦後の英米関係を記録

パート1は、ヨーロッパ、中東、アジア、オーストラリア、北米関連の資料を含み、極めて国際的な範囲をカバーします。第二次世界大戦や冷戦以降の同盟政策・戦略はこの時期の英国の利害を反映します。一方で、米国関連の懸念事項、調査活動を伝える価値ある情報源です。英米省庁間のハイレベルなやりとりは、特に冷戦期の共産主義者の利益に反するものに関し、諜報活動の国際的な性質を反映しています。

さらに、ベトナム戦争関連資料(例:CAB 301)や1960年代のマクミラン英国首相とアイゼンハワー米国大統領が取り交わした書簡も収録します。パート1に含まれる「経済戦争省、特殊作戦執行部と継承機関:本部:記録」(HS 8)には、アメリカ関連のサブシリーズがあり、国防省ファイルには、冷戦期における英米関係に関する情報が含まれます。

対象分野例

20世紀イギリス諜報史 / 大永帝国・コモンウェルス史 / 植民地史・コモンウェルス史 / ポストコロニアル研究 / 国際関係史・軍事史・安全保障 / 第一次世界大戦・太平洋戦争 / 戦後期・冷戦期 / テロリズム・反テロリズム / 諜報活動における女性の貢献 / 人権・主権と安全保障 / 計算科学史

収録コレクション

※2020年11月現在の予定情報です。

Ministry of Defence: Communications and Intelligence Records
国防省通信・諜報資料集

※10シリーズ、1077ファイル、約 97,980ページ、1912-2002年

冷戦および核時代の英国の技術・科学面での利害を示す科学情報局(Directorate of Scientific Intelligence)、国防情報参謀部(Defence Intelligence Staff)、Defence Signalsの登録ファイル、報告書、メモが含まれます。諜報評価・報告書にはドイツの科学者とのインタビューなど、戦後、連合軍軍政期ドイツで収集されたものが含まれます。これらのファイルは、20世紀末までをカバーし、フォークランド、中東、英国のUFO事件(~2002年)、ソビエトの武器システム等に関連した記録を含みます。

Special Operations Executive: HS 7 & HS 8
特殊作戦執行部(SOE):「戦史と戦争日誌:登録ファイル」(HS 7)と「経済戦争省、特殊作戦執行部と継承機関:本部:記録」(HS 8)

※2シリーズ、979ファイル、約128,099ページ、1935-1988年

特殊作戦執行部(SOE: Special Operations Executive)は、第二次世界大戦中に枢軸国の支配下にあった地域での妨害行為・破壊行為を促進し、レジスタンス集団を支援するべく機能しました。本コレクションには沿革、戦争日記、司令部の記録が含まれます。英国および大英帝国、占領国、中立国、敵国領土をカバーし、世界中の武力衝突と諜報活動に光をあてます。

CO 1035: Colonial Office: Intelligence and Security Departments: Registered Files (ISD Series)
植民地省:諜報・保安部門:登録ファイル

※212ファイル、約21,200ページ、1954-66年

英植民地の安全保障、植民地問題と脱植民地化に関する諜報活動(大英帝国全土のSecurity Intelligence Advisorsの報告を含む)、合同情報委員会(Joint Intelligence Committee)の評価関連の植民地省の登録ファイルが含まれます。帝国末期における冷戦と脱植民地化を記録する諜報活動の重要な側面を描き出します。

Security Service (MI5): KV 2, KV 3 & KV 4
英国情報局保安部(MI5):個人ファイル(KV 2)、サブジェクトファイル(KV 3)、政策ファイル(KV 4)

※2シリーズ、1サブシリーズ、1017ファイル、約173,530ページ、1905-1978年

MI5として知られる英国情報局保安部とその前身の記録です。MI5は、国内の治安維持を担い、大英帝国およびコモンウェルス諸国内の諜報活動を行いました。KV 2から選択されたサブシリーズは、Secret Service Enquiriesに分類される個人ファイルを含みます。KV 3は、ユーゴスラヴィアにおけるイタリアの諜報活動や、英国内での‘Revolutionary Propaganda’など、他国や政治団体のスパイ活動に関するサブジェクト・ファイルです。KV 4は、歴史と政策ファイルのセクションを収録します。

Cabinet Office files: CAB 56, CAB 121, CAB 176 & CAB 301
内閣府ファイル:「帝国国防委員会:合同情報小委員会:議事録と覚書」(CAB 56)、「特別機密情報センター」(CAB 121)、「合同情報小委員会(後に合同情報委員会):事務局:覚書」(CAB 176)、「内閣府官房文書」(CAB 301)

※4シリーズ、559ファイル、約136,350ページ、1936-1974年

内閣ファイル内の諜報関連の資料で、特別秘密情報センター(Special Secret Information Centre)と合同情報委員会(Joint Intelligence Sub-Committee)の副委員会関連の2シリーズ。CAB 56、CAB 176のシリーズすべてとCAB 121セクションA(政策と戦略)、およびCAB 301の複数セクションを含みます。

内閣府の資料、特に内閣官房の諜報関連の機密解除文書CAB 301(Cabinet Office: Cabinet Secretary’s Miscellaneous Papers)は、情報局保安部(MI5)の活動資金、英国諜報機関の組織や役割、イギリス連邦の防衛関連の文書などが含まれ、各諜報機関の原資料を読み解く手がかりを提供します。また、諜報活動が政策におよぼした影響をも検討することができます。また、CAB 121の文書は、特に軍事・国防関係についての同様の洞察を可能にします。

あわせてご利用ください:米国機密解除文書コレクション・データベース

Declassified Documents Online: Global British Intelligence, Part 1, 1905-2002は、最高レベルの国際外交に関する政府文書を収録し、Galeが提供するUSDDO: U.S. Declassified Documents Online(米国機密解除文書コレクション・データベース)との比較において理想的な情報源です。

USDDO: U.S. Declassified Documents Onlineに関しては、以下をご参照ください:記事 / 商品案内

本データベースは、維持費が発生しない完全買切契約でのご提供を予定しています。ご期待ください。

(紀伊國屋書店 書籍・データベース営業部 伊佐)

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