図書館をつくる

OCLC News 第53号

2021.08.25

OCLC News 第53号
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目次

ILLとパンデミック:想定外の事態から得た経験
ILL and the pandemic: Learning from the unexpected
―OCLC Resource Sharing Conference 2021 WebSeriesより―

Petra Otten, Dicky van Donselaar, Anna Vaglio, Mattia Fortunati, Agnese Riva

最新のリソースシェアリング事情を共有するthe 2021 OCLC Resource Sharing Conferenceが、今年もオンラインで開催されています。3月から6月にかけて行われた6つのバーチャルセッションから、第二回目のセッション” ILL and the pandemic: Learning from the unexpected”からの抜粋をご紹介します。

新型コロナウィルス感染拡大とそれに伴うロックダウンの間でも、ILLを含む図書館サービスは維持されねばなりませんでした。しかしもちろん、それには多くの困難が伴いました。
このSession2では、ヨーロッパの二つの大学、イタリアはミラノのボッコーニ大学(Bocconi University)と、オランダのヴァーヘニンゲン大学(Wageningen University & Research)に所属する以下五名のプレゼンターが、コロナ禍の間もILLサービスを提供し続けた体験を語ります。

プレゼンター:

  • Petra Otten:オランダ・ヴァーヘニンゲン大学、WMSシステムアドミニストレータ及びプロジェクトマネージャー
  • Dicky van Donselaar:オランダ・ヴァーヘニンゲン大学、蔵書構築スーパーバイザー
  • Anna Vaglio:イタリア・ボッコーニ大学、ILL担当
  • Mattia Fortunati:イタリア・ボッコーニ大学
  • Agnese Riva:イタリア・ボッコーニ大学

ボッコーニ大学(Bocconi University)、ヴァーヘニンゲン大学(Wageningen University & Research)について

まずはプレゼンターの在籍するボッコーニ大学、ヴァーヘニンゲン大学の概要と、その図書館及びサービスについて簡単にご紹介します。

ボッコーニ大学(Bocconi University)について

イタリア北部ロンバルディア州の州都ミラノにあり、120年の歴史を持つ私立大学。経済、法律、政治学の課程を持ち、生徒数約13,000人。

ボッコーニ大学:図書館について

デジタル(学内外での利用) 紙媒体 紙媒体もしくはデジタル
電子書籍:114,000
電子ジャーナル:32,300
データベース:92
書籍:900,932
ジャーナル:13,829
1906年以降の論文

ILL担当は三名の職員と一名のコーディネーター。(FTE換算で2.5)

ボッコーニ大学:平常時のサービス内容

  • ILL、ドキュメントデリバリー(Document Delivery*):全世界を対象に依頼・受付の双方を行う。
    *自館の所蔵する資料のコピーなどを依頼する機能。日本では未提供。
  • キャンパス間の配送:学部間での貸借、教員の為の紙媒体資料のデジタル化
  • Course Reserve*のサポート
    *講義に必要な資料を予約する日本では未提供の機能。
  • 視覚障害のある生徒のサポート。

ヴァーヘニンゲン大学(Wageningen University & Research)について

オランダのヴァーヘニンゲンWageningenにある公立大学。
農業科学技術、食品科学、畜産学、植物科学、社会科学の五つの学部を持ち、生徒数12,337名。

ヴァーヘニンゲン大学:図書館(WUR Library)について

  • スタッフ67名、FTE換算で55.8。
  • 紙媒体の蔵書500,000点を有する。
  • 2020年度は8,569件の貸し出しを行った。(※ILLのみを意味するのかは不明)
  • 電子資料のダウンロード:127,000,000回
    ……39,000,000回は版元から、13,300,000回は図書館のストレージから。

ヴァーヘニンゲン大学:平常時のILLワークフロー

  • FTE換算で1のILLスタッフ。
  • 全世界を対象とした電子ジャーナルの提供。
  • ヨーロッパ内を対象とした書籍の貸し出し。
  • ILLチームがドキュメントデリバリー(Document Delivery*)も担当する。
    *自館の所蔵する資料のコピーなどを依頼する機能。日本では未提供。
  • ILLはTipasaを使用。この他、WorldCat DiscoveryとWorldShare Management Servicesを使用中。

コロナ禍におけるタイムライン

コロナ禍という想定外の事態にボッコーニ大学、ヴァーヘニンゲン大学の両校がどう対応したのか、その詳細に触れる前に、2020年初頭の感染拡大から、このプレゼンテーションが行われた2021年2月までの両校の大まかな経過をまとめます。

ボッコーニ大学:新型コロナウィルス感染拡大時の経過

2020年1月31日 緊急事態宣言
2020年2月23日 レッドゾーン宣言、それに伴いあらかじめ予定のうえ5日間閉館。学生、教員は学内にいなかったが出勤。
2020年3月9日 国家的ロックダウン宣言。出勤はせず在宅勤務を行うことに。
2020年5月18日 レファレンス目的に限り、限られたスタッフの人数で再度開館。
2020年6月1日 閲覧も可能として完全に再度開館。デジタルに加えて紙媒体の資料にもフルアクセスできるようになった為、ILLスタッフも出勤再開。

ヴァーヘニンゲン大学:新型コロナウィルス感染拡大時の経過

2020年3月14日 在宅勤務開始。本館は開館し続けていたものの、のちに図書館スタッフの安全の為に2週間閉館。
本館において10~12時の間のみ、館内の閲覧は禁止で貸し出しを継続した。(資料受け取りの為のPick-up and Go デスクを開設。)

Pick-up and Go デスク

Pick-up and Go デスク

2020年6月22日 本館は、通常より短い時間で開館。限られた生徒数のみ使用可。自習スペースの予約は必須。
2020年9月 本館の開館時間が通常に戻るが、入館可能な人数は制限。
2021年1月 政府の方針で夜9時以降の外出が禁止された為、8時閉館。
本館以外と特別コレクションの読書室は未だ閉館のまま。

新型コロナウィルス感染拡大への初期対応:人員配置

感染拡大に伴いキャンパスが閉鎖され、また館内にいるスタッフの数を減らせねばならない状態でも図書館業務を続けるうえで、まず問題となるのが人員配置です。

ボッコーニ大学:ILL

当初、当面の間であれば学生が利用できるデジタルコレクションは十分であろうという判断が為されました。また図書館業務は通常より減ると予測された為、図書館スタッフは休みを取得するよう要請されました。

その結果、

  • メンバ―のうち一名は4週間連続で休み。(FTE換算で一名)
  • 残りのメンバー(1FTE+1パートタイマー)は交替で一週間に一日のみ出勤。

という対応を取り、2020年3月中は平均して平常時の60%程の出勤となりました。しかし当初の予想に反して、ILLリクエストは平常時より増加していました。

ヴァーヘニンゲン大学:ILL

館内にいる人員の数を減らす為、図書館に一名のみのILLスタッフしかいることができなかった為、ILL担当は以下のようなILL以外のタスクもこなさねばならなくなりました。

  • 書架から資料のピックアップ
  • メール処理
  • ILLリクエストが来た資料のデジタル化
  • 新着図書の受け入れ

新型コロナウィルス感染拡大への初期対応:発生した新たな課題

限られたスタッフ数で、また館内に利用者が入れない状態で運営するうちに、新たな課題も見えてきました。
これらが、既存のILLワークフローに変化をもたらします。

  • 新たなサービスの必要性
    例)学生が書架に取りに入れない為、授業で必須の文献をデジタル化すること。
  • 既存のルール・システムの変更
    例)館内における閲覧禁止期間中、通常は予約対象でないオープン書架の本を予約できるようにすること
  • 新たなスキルの習得
    例)記事のデジタル化等、通常担当外であった業務スキルの習得。

新型コロナウィルス感染拡大と経過

感染拡大に伴う両機関の対応を、ボッコーニ大学に絞ってもう少し詳しく見ていきます。

ボッコーニ大学:Borrowing — 紙媒体の資料にアクセスできないことが障壁に

自館も含め多くの図書館が閉鎖されている中で図書館業務を続けるにあたり、とくに障壁となったのが紙媒体の資料にアクセスできないことでした。

2020年3~5月
  • 紙媒体の資料へ一切アクセスできず
    →→→リモートのサービスしか利用できず。
  • イタリア内で紙媒体の資料にアクセスできる図書館はほとんどなし。加えて、ドキュメントデリバリーに対応可能なILLサービスはほとんどなし。
2020年7月~ 徐々に図書館が再開。
紙媒体の資料へのアクセスも再開。
2020年9月~ 紙媒体書籍のILLが再開。
また新たなサービスであるミラノにいない生徒へのボッコーニ大学の書籍の送付を開始。
現在(2021年4月) 移動の制限はまだ存在している。
リソースへのアクセス環境の多様化。

ボッコーニ大学:Borrowing — 依頼リクエスト数は予想に反して増加

当初の予想に反してILLリクエストの件数は増加し、特に学位論文の提出期限である6月にピークを迎えてました。

ボッコーニ大学Borrowingリクエスト数の変化

ボッコーニ大学Borrowingリクエスト数の変化。学位論文の提出期限の6月にピークを迎えている。

ボッコーニ大学:Borrowing — ロックダウン中のサプライヤー

増加するILLリクエストに対応する為、多くの図書館が閉館している中リクエストを受け付けてくれる相手館の確保に苦慮することとなりました。

ボッコーニ大学ロックダウン中のサプライヤー

上記はロックダウン中のボッコーニ大学へのサプライヤーの割合を表したグラフです。振り返って検証してみると、以下の事実が見えてきました。

  • ロックダウン中も、半分はイタリア国内のサプライヤーでまかなえていた。
  • ロックダウン中も稼働しており、紙媒体資料へのアクセスがあり、かつ法律関係のメジャーなコレクションを有しているMinistry of Justice Libraryも重要な役割を果たした。
  • 3割程度はOCLC経由で入手しているが、これにはイタリア国内の図書館が閉館している為に、イタリアの文献もOCLC経由で海外から入手せねばならないケースも含まれている。
  • 2020年9月までのフリートライアルをしていたRapidILLには、リクエスト対応が遅くなりがちな夏季休暇中に大変助けられた。

ボッコーニ大学:Borrowing — パンデミックからのOutcome

感染拡大への対応を経験し、ボッコーニ大学の依頼リクエスト対応には以下のような変化が生まれました。

  • サービスの拡大
    • 書籍紙媒体の資料のデジタル化。
      ……図書館に入れない為にアクセスできなくなってしまった、授業に必須の書籍のデジタル化から始まった。
    • リモートで学習している生徒への書籍の送付。
  • ILLにおける書籍を借りるルールのフレキシブル化。
    ……当初は館内での(職員による)レファレンス目的に限定されていたが、職員・学生が借りることもできるようになった。
  • 紙媒体で入手できない資料をebookで購入しようとしたことが多かった為、購入部門とのつながりが強化された。
    ……これにより電子書籍の購入が増加。
  • 依頼リクエスト数が増加した為、ヨーロッパ中へのIFLA vouchersの負債が蓄積。

ボッコーニ大学:Lending — パンデミック以前の業務スケジュール

2020年3月より前
ILLリクエスト受付業務には、パートタイマーの図書館スタッフが、毎日館内で午後に対応していた。

  • 午前中は European Documentation Centerの業務(約4時間)に、午後はILL業務(約3時間)に充てていた。
  • ILLタスクは基本的にlendingのみ(ILL及びドキュメントデリバリー)。borrowingは必要な時のみ行っていた。
  • キャンパス間の配送は、スキャンによる電子的配送のみ。
2000年3月~5月の間
  • パートタイマーの図書館スタッフが毎日自宅より対応。
  • 両方の仕事を同時に、同じ場所で。

以前と同様に、午前と午後で職務を分ける日もあった。

ボッコーニ大学:Lending — 利用数はBorrowingとは逆に減少

夏の終わりまで、利用数の落ち込みが特に激しく、2021年2月時点でも通常の数には戻っていませんでした。

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2019 Books 31 28 38 34 30 19 29 33 29 37 10
2020 Books 26 32 17 0 0 1 2 10 24 15 8
2019 Articles 33 37 45 34 45 47 52 43 48 34 33
2020 Articles 41 37 55 46 29 41 39 69 37 32 41

ボッコーニ大学:Lending — パンデミックからのOutcome

感染拡大への対応を経験し、ボッコーニ大学の受付リクエスト対応には以下のような変化が生まれました。

2020年5月から現在

  • 状況によって図書館への出勤と在宅勤務を使い分けるようになった。
    • 感染拡大状況と、機関のポリシーとの兼ね合いで判断する。
    • 利用者へ届ける必要がある、他館から借りた本やスキャの物量で判断する。

コロナ禍以降のILL業務の展望 ― Session2の終わりに、あるいはコロナ禍の途中に ―

終わりに、新型コロナウィルス感染拡大への対応から学んだことや今後の展望が、再度以下のようにまとめられました。

  • 学んだこと:
    タスクや問題、ソリューションをより流動的に交換し、共有するようになった。
    ……何をするかは、どこにいるか(家か、図書館か)による。
  • 未だ学んでいる最中であること:
    • リモートワークの効率化……勤務時間のフレックス化、勤務時間の長短を使い分ける。
    • 文明の利器を使ったハイブリッドチームを作る……在宅勤務のメンバ―/出勤しているメンバー
  • 既存のニーズ、新たなニーズ:
    • より多くをデジタルコレクションに……ボーンデジタルの資料の購入、元々は紙媒体の資料のデジタル化。
    • ユーザーとやり取りする新たなツール……メール、オンラインモジュール
    • 他館との繋がりの強化

当記事の詳細はこちらから
リンク先はOCLC Community CenterのWSILL関連ページにつき、WorldShare ILLをご契約の機関のみご覧になれます。
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―OCLCのリーダーたちが知見や経験を共有するブログ Nextより―
吠えなかった猫

約1年前、OCLCはCenter for Research Libraries(CRL)との2年間のプロジェクトを完了しました。このプロジェクトでは、その他の機能強化の中で、WorldCatへの逐次刊行物の保存誓約登録をサポートしました。この機能強化は、OCLCの全サービスで冊子体資料共同管理データ(PDF)の発見を向上させるだけでなく、CRLのPrint Archives Preservation Registry(PAPR)やその他のパートナーの取り組みを強化するものです。

このプロジェクトが完了した時点では、OCLCとそのメンバー機関が1年間で約1,500万件の保存誓約を登録すると予測していましたが、実際には今日の時点で2,300万件以上の誓約が追加されています。

このプログラムの成功には多くの機関やパートナーが貢献していますが、ここでは上位の貢献機関を紹介します(数字は保存誓約登録の概数)。

  1. Eastern Academic Scholars’ Trust (EAST): 9,787,000
  2. HathiTrust Shared Print Program: 8,008,000
  3. Statewide California Electronic Library Consortium (SCELC) 冊子体資料共同管理プログラム: 1,590,000
  4. Maine Shared Collections Cooperative (MSCC): 1,500,000
  5. FLorida Academic REpository (FLARE): 798,000
  6. Consortium of UNC Shared Print (CUSP): 430,000
  7. Council of Academic Library Directors (CALD) Cooperative Collection Management Program: 290,000
  8. Council of Prairie and Pacific Libraries’ Shared Print Archive Network(COPPUL SPAN): 197,000
  9. Central Iowa – Collaborative Collections Initiative (CI-CCI): 114,000
  10. ConnectNY (CNY) Shared Print Trust Program: 53,000

これらのグループや機関、そしてWorldCatに冊子体資料共同管理や逐次刊行物の保管期限を追加してくださったすべての目録担当者やプログラム管理者の方々に、心からの感謝を申し上げます。あなたがそれを実行するたびに、他の図書館があなたの手がかりを “聞く “ことができ、より多くの情報に基づいた決定を下すことができるのです。

あなたの猫(Cat)は吠えますか?

シャーロック・ホームズの物語「白銀の失踪」で、ホームズは行方不明になった競走馬とその調教師を殺した犯人を探すことになります。彼はスコットランドヤードの刑事グレゴリーとその事件について話し合います。

グレゴリー: 他に注意する点は?
ホームズ: 夜中に犬が不思議な行動をしたことだ。
グレゴリー: 犬は夜中に何もしませんでしたが。
ホームズ: それこそが不思議なんだ。

犬が吠えなかったのは、犯人をよく知っていたからだと分かる—なかったからこそ重要な手がかり。これは巧みなプロットですが、現実の世界では、「なかった事を見つける」ことは難しいのです。

OCLCで30年以上目録に携わってきた者として、私はコレクション戦略が地域や機関のニーズに基づいていなければならないことを知っています。しかし、WorldCatをはじめとするOCLCの共有サービスの目的は、世界中の他の目録作成者やメタデータの専門家の仕事を利用して、それぞれの地域のコレクションをより良いものにすることです。

冊子体資料共同管理プログラムは、学術的記録を保護しようとする人々にとって、ますます重要な役割を果たしています。さらに、使用率の低いタイトルのコストを共有することで、図書館が責任を持って除籍し、物理的なスペースを取り戻すことができることも分かっています。

しかし、何を安全に取り除き、何を共有し、何を確実に維持すべきかを知りたいのであれば、あなたの目録は他館の目録とつながっている必要があります。なぜなら、私たちの「猫(Cat=目録)」が「吠える」ことがなければ、図書館の同僚は自分が評価している資料に人気があるのか、珍しいのか、あるいはあなたが保存しようと決めたものに関連して全く唯一無二なものなのかを知ることができないからです。

シリアルは三倍おとなしい

2020年の終わりに、私の同僚であるOCLCの持続可能コレクションサービス責任者であるマット・バーンズが、「図書館員の時間旅行」とシェアードプリントについての記事を書きました。その中で彼は、我々の調査によると、コレクションの約2%が5館以下の図書館しか所蔵していない資料で構成されていると述べています。マットは次のように指摘しています。

図書館コミュニティの外にいる人は、「2パーセントなんてたいしたことない」とか「5冊あれば十分だ」と思うかもしれません。しかし、図書館業界内で考えると、これは少し怖いことなのです。分析した322の図書館での2パーセントは276万冊の単行本が危険にさらされていることを意味しているからです。

もし、2%が大問題であるならば、–あなたや私のような、文化財的記録の保存に関心のある目録作成者にとって–3倍の6%はもはや厄災でしょう。

図書館がシリアル・リテンション・コミットメント(特定のシリアルタイトルの保存誓約)の作成、維持、共有を支援することは非常に重要です。それは、グループやコンソーシアムが冊子体資料共同管理プロジェクトを効率的に行うのに役立つからでもあります。しかし、最近の調査によると、シリアルの約6%は5館以下の図書館しか所蔵していないことがわかりました。

これは、図書館がシリアル資料を黙って除籍するたびに、世界中の知識の蓄積に重大な損失を与える可能性があるということです。

あなたがしていることを聞きたいのです!

WorldCatを通じて冊子体資料共同管理活動に参加することは、地域、グループ、そして地球規模のレベルでメリットをもたらします。物理的なスペースを、よりインパクトの強い他の用途のために開放することができます。あなたの所属するグループやコンソーシアムは、希少だがあまり使われていないような資料であっても必要としている人が存在する資料について、アクセスを維持することができます。そして、世界中のすべての図書館が、何を除き、何を共有し、何を保存することができるかのをよりよく理解できるようになります。

この重要なテーマについてもっと知りたい方は、「Collective Collection」に関するオリジナルの研究をご一読いただいたり、OCLCの冊子体資料共同管理活動やサービスについてのより一般的な情報を得ることができます。

また、OCLC GreenGlassやShared Printのコミュニティを通じてつながるユーザーも増えています。まだ参加されていない方は、OCLC Community Centerへのアクセスをリクエストしてください。既にCommunity Centerをご利用で、目録契約しているかGreenGlassを使用している図書館は、ログインするとGreenGlass and Shared Printコミュニティが表示されるはずです。

もしかしたら、あなたは私よりもシャーロック・ホームズ好きで、謎解きが大好きなのかもしれません。しかし、目録作成の実務をよくするため、そして将来に備えて知識を保存するために、私は本についての謎をではなく、謎を本の中にあるままで保存しておきたいのです。

当記事の詳細はこちらから

シリーズ:OCLCあの時この時 (3)
目録カードは風にのって…

現代の子どもたちや若い方々が目録カードを見た事がないと言っても不思議ではありません。今はどこでもオンライン目録で図書館の蔵書が探せるようになっていますので。
しかし、30年程前までは図書館に行くとまず、目録カードで読みたい本のがこの図書館にあるか、どこに配架されているかを確認していたものです。

OCLCでもWorldCatの目録データからカードを印刷し、図書館に配送するサービスを行っていましたし、目録のアプリケーションを使用して自館で必要な目録カードが印刷できるようになっていました。以下は、まだほとんどの図書館で目録カードが現役だった頃、最先端の図書館でのお話です。

OCLC Newsletter, no. 160 (Dec. 1985)には同年10月にメリーランド大学ボルチモア校 (UMAB)の健康科学図書館 (Health Sciences Library: 現在のHealth Sciences and Human Sciences Library) で行われたあるイベントの記事が掲載されています。
同図書館は1813年に設立された全米最古の医学部付属図書館ですが、ハイテク技術を駆使して250,000冊以上の書籍と雑誌を含む全資料をオンライン目録化し、カード目録を廃止したのです。

目録の機械化を記念して,10月1日午前11時から健康科学図書館で古い目録カードの公開廃棄が行われました。

OCLC Newsletter no. 160 (Dec. 1985)より–中央の写真はカードボックスの最初の引き出しから目録カードを廃棄する学長さんと館長さん。右の写真は目録カードがヘリウム風船で飛ばされる様子。

古い目録カードが廃棄されたため、健康科学図書館では、50万枚以上のカードの新しい用途を考え、そのアイデアを「101 Uses for a Dead Catalogue Card (いらなくなった目録カード101の利用法)」という冊子にまとめました。この奇抜な利用法のいくつかは、図書館のメインロビーに展示されていました。また、何百枚ものカードがヘリウムの入った風船に付けて空に放たれました。風船はコネチカット州のトランバルまで行ったものもあったそうです。

このようにして目録カードの廃止は全米、各国に広がっていき、今に至ります。古い目録カードの廃棄がどのように行われたのか気になるところですが、上記のような公開廃棄も行われていたのですね。MARCなどなかった時代、古の図書館員が苦労して作成した目録カードを廃棄するのは心苦しい気もしますし、風船を拾った人はどう思い、どうしたのでしょうか… カードボックスが並んでいた場所は、情報検索エリアやグループ学習室などに改装されているようですね。

元の記事の詳細はこちらから

(紀伊國屋書店 OCLCセンター)


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