人文社会系研究

ラムズフェルド機密メモ:戦争へと踏み込んでいく米国政府の機密文書

2021.07.13

米国史上とりわけ困難な時期における政府の意思決定の一端を明らかにする、新たな機密解除文書

先日死去したドナルド・ラムズフェルドが、米国防長官として政府内で用いた機密メモ、通称「スノーフレーク」を収録するデータベースのパート2が米ProQuest社より刊行されました。

これらのメモは米国防総省により長年にわたって非開示にされていましたが、非営利団体National Security Archive(NSA)が国防総省を相手取って開示請求の訴訟を起こし、このたび初めて開示に成功したものです。この貴重な機密解除文書を、NSAと米ProQuest社が提携し、研究機関向けのデータベースとしてご提供します。

イラク・アフガニスタンでの戦争を推し進めた、保守強硬派の機密メモ

パート1(2001年~2003年)に続き、当パート2では、ラムズフェルドがアフガニスタンとイラクでの戦争の指揮を執った2004年~2006年のスノーフレークを収録します。

この期間は、イラク情勢が泥沼化して政権の強硬路線が広く批判を集め、また、アブグレイブ刑務所やグアンタナモ湾収容所での捕虜虐待や拷問が明らかになって、最終的にラムズフェルドが責任を問われて国防長官を辞任した時期にあたります。

スノーフレークはラムズフェルドの独特のコミュニケーション法で、これらの短いメモは国防総省の民間スタッフや軍の司令官から政府の閣僚まで、実に様々な相手に頻繁に―ラムズフェルド自身の言葉を借りるなら「吹雪のように」送られました。ワシントンポスト紙によると、ラムズフェルドが一日に60通ものスノーフレークを送ることも珍しくありませんでした。

当コレクションはパート1と当パート2で、既知のスノーフレークを全点網羅しています。政府内部の実に率直なメモであり、米国史上とりわけ困難な時期における大小さまざまの意思決定の過程を、ほぼ一日単位で明らかにするユニークな一次史料です。

詳しくは下記のカタログをご覧ください。

Snowflakes2

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