図書館をつくる

OCLC News 第47号

2021.01.15
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OCLC News 第47号
商品情報をはじめ、OCLCに関する様々な情報をご案内致します。

『OCLC News』一覧 >>

目次

  1. WorldCat Discoveryインターフェースが新しくなります。
  2. OCLC Community CenterにCataloging and Metadataコミュニティが追加
  3. サイバーセキュリティの脅威を減らすトレーニングを
  4. REALMプロジェクトの新しいツールキット資料

WorldCat Discoveryインターフェースが新しくなります。

今日の図書館ユーザーは、日常的に便利で洗練されたネット通販サイトや様々なアプリに触れている経験から、情報検索も迅速でカスタマイズされていることを求めています。
こういったユーザーの期待に応える為、ディスカバリーサービスであれば、検索フィルタなどの機能が初見でも把握できるようなわかりやすいインターフェースや、毎日使うサービスやツールから簡単に図書館リソースにアクセスできることが求められています。またディスカバリーの検索結果も、ユーザーが希望する提供フォーマットなどの条件に基づいてソートされていることが必要です。
こういった現代のユーザーの需要を満たす、より直感的かつスマートな検索サービスを提供する為、OCLCはWorldCat Discoveryを再デザインすべく準備してきました。

WorldCat Discoveryの新たなインターフェースへの移行は2021年6月から7月の間を予定しており、この間に各ご契約機関にて移行に必要な設定をService Configurationから行って頂きます。
WorldCat Discoveryをご契約の機関は、自館のWorldCat DiscoveryのURLの末尾に“/v2”をつけて頂くと、新たなインターフェースのテスト版をご確認頂けます。ご確認された後は、一度ブラウザを閉じると現行のインターフェースに戻ります。

開発の最初のフォーカスは、ユーザーのWCDにおける活動の約8割を占める検索結果と検索結果詳細ページのアップデートに当てられます。
これらの機能強化によって、ユーザーはより直感的に必要な資料を、最も便利なロケーションで発見・入手することが可能になります。また、フルフィルメントの面においても、自館の所蔵の版を特定すること、またどの館にどの資料があるのか簡単に特定することを容易にします。図書館においては、最新のインターフェースでより安定した設定オプションが可能になり、よりメタデータを活用することが可能になり、フルフィルメントのプロセスを効率化することが可能になります。

新たなインターフェースの特徴

  • 今日のユーザーが日常で触れるウェブサイトと近い操作性を可能にする為、Google社のオープンソースのデザインシステムMaterial Designを採用
  • WCAG 2.1 accessibility guidelines への適合
  • 関連する検索結果(search relevance)の表示
  • ヘッダーとフッターを刷新
  • 検索結果に自館所蔵の版とフォーマットを表示
  • 自館所蔵が複数ある場合の利用可否の表示を改善

新たなインターフェースの詳細は、Community CenterのWorldCat Discoveryページでご覧になれます。

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OCLC Community CenterにCataloging and Metadataコミュニティが追加


OCLCのユーザー掲示板ともいえるOCLC Community Centerに、新しくCataloging and Metadata communityが追加されました。

OCLC Community Centerは、Discussionページでユーザー同士、更にはOCLCのスタッフと質問・意見交換を行ったり、EventsページでOCLCのイベントに関するお知らせを確認したり、ウェビナーのレコーディングを見たり、Newsページでサービスのアップデート等のお知らせをまとめて見たりすることができます。新たなCataloging and Metadata communityでは、Connexion等のカタロギング関連サービスをご契約の機関のスタッフ様が、以下のようなことを行うことができます。

  • MARCフィールドに関する情報とベストプラクティスの共有
  • ワークフローの改善
  • 過去に行われたイベントと今後のイベントの確認
  • OCLCカタロギングプロジェクトとアップデートのリリースの確認
  • カタロギングの未来についての情報共有

所属の機関がConnexion等のカタロギング関連サービスをご契約の場合、各スタッフ様は全員個別にユーザーネームとプロフィールを設定してコミュニティのアカウントを作成する事が可能です。

既にコミュニティセンターの認証をお持ちの場合、コミュニティセンターにログインしてCataloging and Metadata community ページで“follow”をクリックしてください。
まだ認証をお持ちでない、または認証が機能しない場合、access request formにアクセスして下さい。所属の機関が現在カタロギングの契約をされている場合、OCLCがご依頼を頂いた方のアカウントを作成し、サインイン方法をご連絡します。

コミュニティセンターの詳細については、OCLC Community Center help pageをご覧下さい。

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―OCLCのリーダーたちが知見や経験を共有するブログ Nextより―
サイバーセキュリティの脅威を減らすトレーニングを

アンソニー・フィシック

コンピュータやインターネットの技術は、図書館や教育分野に貴重な機会と効率性をもたらしました。しかし残念なことに、この種の技術革新は、課題、特にセキュリティに関するもの、をもたらすことも少なくありません。サイバーセキュリティへの取り組みは組織ごとに異なりますが、共通点があります。セキュリティに関しては、組織の全員が役割を果たしており、多くの場合、重要な役割を担っているという点です。

OCLC のグローバル・セキュリティ・サービス上席役員として、私はグローバル・テクノロジー組織のセキュリティ、プライバシー、コンプライアンス・プロトコルを監督しています。私たちのハードウェア、ソフトウェア、データのセキュリティが重要であることは明らかですが、サイバーセキュリティの脅威に対する私の最も強力な防御策は、皆さんと同じです―私の同僚たちがきちんと説明を受け、十分にトレーニングされているかどうかを確認することです。ですから、私が会議やウェビナーでこのメッセージを伝えると、図書館員から非常にポジティブな反応が返ってくることがよくあります。「トレーニング?我々の得意とするところです!」と。

このような議論の中で、私はまた、何が最良のファイアウォール、ウイルス対策、またはVPNソリューションであるかについて多くの質問を受けます。それはすべて、あなたの図書館固有の技術とニーズに依存することになります。しかし、疑問の余地がないのは、スタッフや利用者の中には自分がすべきことを十分に分かっていない人がいるということです。そして、あなたが直面する最大の脅威は、実際には回線やWi-Fiを通してではなく、目、脳、手から入って来るのです。

サイバーセキュリティに関する4つの研修チャンス

サイバーセキュリティは複雑ですが、防御力を向上させる方法が複雑である必要はありません。

  1. スタッフと利用者のためのセキュリティ意識向上プログラムを設定
    分かりきっている?そうかもしれません。しかし、これがいかにしょっちゅう見過ごされているかに驚くことでしょう。私は、すべての従業員がサイバーセキュリティの基本を学び、定期的にトレーニングを繰り返すことをお勧めします。何に注意すべきか、不審アクティビティへの対処法、何をすべきか、誰に連絡すべきかなどを含めて。また、利用者のことも忘れてはいけません。サイバーセキュリティのヒントを、利用者に届くウェブサイトやソーシャルメディア、その他のルートに盛り込みましょう。
  2. ハードウェアとソフトウェアのセットアップを適切に行う
    これは、ある程度はIT部門の仕事であることは言うまでもありません。しかし、多くの場合、自宅のコンピュータ、ラップトップ、タブレット、スマートフォンの設定方法について、スタッフをトレーニングする必要があります。要するに、スタッフがデジタル生活のあらゆる面でセキュリティ上の問題を回避する方法を知っているかどうかを確認することです。
  3. 堅牢なパスワードポリシーを導入
    多くの組織では、パスワード要件を必要最低限のものにとどめています。その結果、最低限の保護しかできなくなっています。私は、スタッフに3~4ヶ月ごとのパスワード変更を要求すること、覚えやすくても推測されにくい方式を使用することをお勧めします。4つのランダムな単語を中心に物語をまとめると、人間は覚えやすいが、コンピュータ(またはハッカー)は推測しにくいという素晴らしいXKCDコミックがあります。多要素認証は、PIN のような追加の認証情報でユーザーの身元を確認することで、別の防御ラインを追加する事ができます。
  4. パートナーおよびベンダーのセキュリティ・ポリシーについて学ぶ
    これについてOCLCは、図書館のお客様と「上流」のベンダーの両方で積極的な役割を担っています。その一例として、OCLCがEZproxyのお客様に代わってSSL証明書を調査、管理、購入する方法があります。私たちの努力は、フィッシングやデータ侵害を防ぐのに役立っています。私は、お客様のITプロバイダー(OCLCや他のベンダーなど)と、お客様のスタッフやエンドユーザーに代わって、このような取り組みを行うことをお勧めします。

システムを常に最新の状態に保つにはトレーニングも必要

最後に、システムを最新の状態に保つことの重要性を強調したいと思います。これには、自分でインストールするものも、私たちのような組織とのパートナーシップを通じて取り組むものも含まれます。たとえば、EZproxy は次のリリース以降、セキュリティ・プロトコルが組み込まれ、侵害されたユーザー・アカウントを自動的に検出して無効にすることができるため、データ侵害をより簡単に防ぐことができます。場合によっては、漏洩したアカウントを検出できるキャンパス内の唯一のシステムになるかもしれません。しかし、ここは大事なところですが、最新バージョンにアップグレードしなければ、重要な新しいアップデートを見逃してしまうのです。 それは(よく考えれば)我々をトレーニングに立ち戻らせることになります。

偉大な図書館同様、偉大なセキュリティは人に始まり人に終わる

私が図書館で働いてきた経験から学んだことの一つは、外側から見ると、人々は多くの場合、書籍、データベース、映画、音楽、地図など、次回の訪問時に必要になるかもしれないコンテンツに注意が向いているということです。しかし、内側から見ると、図書館を機能させているのは人々であり、私たちをやる気にさせててくれるのは、そこに来た人々です。地域社会が最も優先されるものなのです。

セキュリティに対する考え方についても同じです―地域社会を挙げての取り組みにすることです。技術やツールだけではなく、プライバシー、安全性、効率性、信頼性も重要です。つまるところ、なぜスタッフやユーザーへ説明する必要があるのかが分かっていれば、どのように何をするのかは自ずと決まってくるのです。


アンソニーからサイバーセキュリティについて最近のウェビナーでもっと学びましょう。EZproxyの最新情報は、oc.lc/ezproxyでご確認ください。

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REALMプロジェクトの新しいツールキット資料
2020年12月17日

REALM: REopening Archives, Libraries and Museums 文書館、図書館、博物館の再開

新しいREALMツールキットの資料は、REALM研究室での研究の解釈と利用を支援する目的で利用可能です。これらのダウンロード可能なビジュアルエイドから、以下の素材別、用途別の新型コロナウィルス減衰実験結果が分かります。

  • 素材の表面(大理石、ラミネート、ガラスなど)
  • 本と紙
  • メディア(CD、DVD、USBカセット)
  • プラスチック

資料を見る

図書館業務再開計画役立つビデオ資料

図書館の見通し: REALMと図書館の再開 Library perspectives: REALM and reopening

デンバー公共図書館、ジェファーソンカレッジ図書館、カンザス州ジョンソン郡図書館のスタッフは、パンデミックの経験と、地域の意思決定に情報を提供するためにREALMの研究をどのように使用したかを動画で共有しています。

ビデオを見る

 REALMプロジェクトのご紹介

博物館・図書館サービス機構(IMLS=Institute of Museum and Library Services)、OCLC、バテル記念研究所 (Battelle Memorial Institute)のプロジェクトチームメンバーが語るREALMの目標、役割、活動の内側をご覧ください。

ビデオを見る

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(紀伊國屋書店 OCLCセンター)


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株式会社紀伊國屋書店 OCLCセンター
電話:03-6910-0514 e-mail:oclc@kinokuniya.co.jp