図書館をつくる

OCLC News 80号

2026.07.01
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OCLC News 80号
商品情報をはじめ、OCLCに関する様々な情報をご案内致します。
今号は共同管理コレクションに必要な情報コラボレーション、メタデータ内のアクセシビリティ情報活用規模拡大に必要な条件などの話題をお届けします。

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目次

―OCLC ResearchのブログHanging Togetherより (英語記事翻訳)―
データ主導型ワークフローと情報コラボレーション術

2026年3月31日 – ブライアン・ラヴォワ

コラボレーションとは何でしょうか?ChatGPTにコラボレーションを視覚的に表現する画像を作成するように指示したところ、以下の画像が生成されました。

 

「コラボレーション」と聞いて頭の中でイメージするよう求められたら、多くの人は似たような光景を思い浮かべるのではないでしょうか。つまり、同じ物理的空間に集まった人々が、共に作業している場面です。確かに直接顔を合わせて行うコラボレーションは、協力し合い、集団として行動するための重要な手段です。しかし、図書館にとって別の形でのコラボレーションも、少なく見積もってもそれと同じくらい重要であり、大きな影響力を持つ事があります。それは「Collective collection 集合的コレクション (共同管理コレクション)」という概念に根ざしています。この概念は「複数の図書館が所蔵する蔵書を集合体として捉え、統合されたリソースとして分析し、場合によっては一元的に管理するもの」を指します。

 

OCLC Researchは、Collective collectionの定義、説明、および意義の考察に焦点を当てた、数多くの研究成果を発表してきました。これらの研究の重要な要素として、複数の図書館が協力して印刷資料コレクションを共同管理する「シェアード・プリント・コレクション」の枠組みでCollective collectionを考察する事が挙げられます。ごく最近、私たちはOCLC Researchレポート「Making Shared Print Work」を発表しました。このレポートでは、印刷資料コレクションの共同管理を支えるワークフロー、データ、ツールに関するコミュニティの知見に加え、それに対応すればシェアード・プリント・プログラムの将来を強化する事ができる、既存課題やチャンスについてまとめています。本レポートは、OCLC Researchの「Stewarding the Collective Collection」プロジェクトの一環です。

共有データが情報コラボレーションを強化する

本調査で報告した知見の一つは、実務上、多くのシェアード・プリント・コレクションが、物理的に一つのコレクションに統合されるのではなく、各図書館のコレクションがネットワークに分散しているという点です。これら各図書館のコレクションをCollective collectionとして統合する事は、分散したコレクションの上位に位置する階層にあるデータやサービスを通じて行われ、それらがデータ構造として結びつけられ、まとまりのある全体として分析・管理できるようになります。

 

「Making Shared Print Work」から得られた関連する知見として、データこそがシェアード・プリント・プログラムに価値をもたらす鍵であるということが挙げられます。

シェアード・プリント・プログラムによって管理されるような集合的コレクションを効果的に運用するには、正確かつ包括的なデータが不可欠です。モノグラフ資料のシェアード・プリント・プログラムには6つの主要なワークフローカテゴリーがあり、その中でもコレクション分析、メタデータ管理、および検証は、最もデータ駆動型であり、場合によっては最も時間を要する活動となります。シェアード・プリント・ワークフローにおけるデータの重要性は、これらのプログラムが主に分散型コレクションとして運営されており、複数の提携図書館にわたる所蔵、保存、書誌データの広範な調整を必要とするという事実によってさらに増幅されます。 (Making Shared Print Work p. 7)

このような状況下では、シェアード・プリントのパートナーシップを成功に導くのは、必ずしも同じ部屋に座っている協力者同士ではなく、「情報による協働」つまり、地域やグループの意思決定に役立つ共有情報によって推進される集団行動です。

 

「Making Shared Print Work」の調査では、情報面でのコラボレーションの重要性が繰り返し浮かび上がりました。インタビューやフォーカスグループを通じて得られた知見からは、シェアード・プリント・プログラムにおけるデータ駆動型ワークフローの重要性が明らかになり、分散した各図書館のコレクションを包括的なCollective collectionへと結びつける「結合組織」としてのデータの役割が浮き彫りになりました。その好例として、インタビューで最も頻繁に挙げられたシェアード・プリントのワークフローは、コレクション分析でした。

 

コレクション分析の本質は、書誌・所蔵データの情報を、具体的な行動につながる洞察へと変換することにあります。図書館所蔵資料、あるいはCollective collectionの規模、範囲、および顕著な特徴に関する詳細な知識は、除籍や保存計画、コレクションが利用者のニーズに適合し関連性を確保しているか、さらには従来の所蔵資料において蔵書の代表性や多様性の欠如を是正することに至るまで、幅広い管理活動において、情報に基づいた意思決定につながります。これに加え、シェアード・プリント特有の数多くの考慮事項も挙げられます。例えば、ローカルコレクション内での印刷資料保存誓約の選択や、グループ図書館の共同管理印刷資料の所蔵情報から、稀覯本や最後の1冊を特定することなどが挙げられます。

コレクション分析を通じた情報コラボレーション

情報コラボレーションは、シェアード・プリントという文脈において、こうしたデータ駆動型のコレクション分析を促進します。パートナーシップ内で各図書館の所蔵資料に関するデータを共有することで、共同管理印刷資料の所蔵状況がより明確に把握できるようになります。これにより、グループレベルでの意思決定がより的確になるだけでなく、各図書館レベルにおいても、Collective collectionの規模、範囲、特徴に関する知識が、各館で意思決定を行う際の背景情報として活用されるようになります。

 

保存誓約は、これが実際にどのように機能するかを示す好例です。最近のOCLC Researchの調査では、OCLCのWorldCatデータベースに登録された印刷資料の保存誓約*が分析されました。保存誓約とは、図書館が所蔵する特定の印刷資料を今後も継続して保存・管理することを保証するものであり、他の図書館の地域レベルでの保存判断を助ける重要情報となります。情報コラボレーションは、保存誓約がWorldCatに登録された時点で発生します。この情報が図書館グループ全体で共有・分析されることで、各図書館は、その印刷資料の少なくとも1冊は利用可能であり続けるという保証に基づいて独自の除籍決定を下すことができます。
*OCLC事業部注: WorldCat内の保存誓約についてはこちら (OCLC News 77号 OCLC事業部解説) をご参照ください。

 

 情報コラボレーションに裏打ちされたデータ駆動型の分析は、図書館が所蔵資料を保存し続ける上でも役立ちます。カリフォルニア州電子図書館コンソーシアム (SCELC) は2016年に、シェアード・プリントのパイロットプログラムを開始しました。OCLCのコレクション分析ツール「GreenGlass」を用いて実施した、コンソーシアム全体の印刷資料所蔵状況に関する分析の結果、加盟図書館間の所蔵資料の重複率が驚くほど低いことが判明しました。また、コンソーシアム全体の所蔵資料の大部分は、1ないし2館の加盟図書館のみが所蔵している出版物で構成されていることが明らかになりました。「GreenGlass」による分析を通じて各図書館の所蔵情報を共有するという形での情報コラボレーションは、グループメンバーにとって具体的行動につながる情報をもたらしました。すなわち、グループ内に希少または唯一の所蔵資料が多数存在するという認識が得られたことで、グループ全体の保存方針の策定と最適化が可能になったのです。

 

コレクション分析やその他のデータ駆動型分析を通じた情報コラボレーションの重要性は、私たちが行った「Making Shared Print Work」調査において、さらに強調されました。この調査でインタビュー対象者たちは、シェアード・プリント・プログラム内およびその枠を超えた、さらなる取り組みが必要であると指摘したのです。例えば、私たちが話を聞いた実務担当者たちは、複数のシェアード・プリント・プログラム間での体系的な調整が欠如していることを指摘しました。その結果、非効率や二重作業が生じていますが、これらはシェアード・プリント・コレクションの全体像を把握して初めて明らかになるものです。複数のシェアード・プリント・プログラムにおけるデータ共有、つまり情報面でのコラボレーションをさらに進めることで、印刷資料共同管理の取り組み全般にわたる意思決定や資源配分の調整が改善される可能性があります。

データとツールはコラボレーションの基盤

コラボレーションには、パートナーシップを確立し、維持し、その発展を促すための土台となるコラボレーションのインフラが必要です。対面でのコラボレーション、つまり同じ部屋で人々が共に働く場合、そのインフラは会議スペース、委員会、ガバナンス方針などの形をとることがあります。

 

情報面でのコラボレーションにも共同インフラは必要ですが、その性質は異なります。具体的には、地域や組織全体の意思決定に役立つ実用的な知見を生み出すデータベース、データ交換メカニズム、データ分析ツールなどが挙げられます。世界中の図書館所蔵資料に関する情報を共有するデータベース「WorldCat」のご利用を考えてみてください。また、OCLCの「GreenGlass」や「Choreo Insights」といった分析ツールもぜひご検討ください。これらのリソース (データとツール) を組み合わせることで、シェアード・プリント資料およびそれ以外の情報面でのコラボレーションの機会が生まれます。

 

シェアード・プリント・プログラムは、図書館における協働が、分散したローカルコレクションを共有データやサービスを通じてCollective collection結びつける情報コラボレーションに、ますます依存していることを示しています。データベースや分析ツールなど、情報コラボレーションを支援するために必要なインフラは、シェアード・プリントやその他のコレクション管理を支えるデータ駆動型のワークフローを補完するものです。情報コラボレーションは、図書館が規模の拡大によって効率性と影響力向上を遂げるための、効果的かつ持続的なパートナーシップの基盤となります。

 

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―OCLCのリーダーたちが知見や経験を共有するブログ Next より (英語記事翻訳)
アクセシビリティ・メタデータの活用規模拡大のために

2026年5月21日 – ジェイ・ホロウェイ

デジタルコンテンツは急速に進化しており、誰もが利用しやすい環境への期待も同様に高まっています。図書館には、電子書籍、オーディオブック、ストリーミングメディアを、あらゆる利用者に適した形で提供することが求められています。しかし、こうした期待の裏には現実的な課題があります。アクセシビリティ機能 (あらゆる人が利用しやすくするための機能) は、それを記述するメタデータが構造化され、一貫性があり、メタデータのエコシステム全体を通じて完全な形で伝達されなければ、利用者に発見されることはないからです。

 

過去2年間、特に欧州アクセシビリティ法 (EAA) によってデジタルコンテンツのアクセシビリティ要件への注目が高まる中、私たちは明確な目標に注力してきました。それは、WorldCatおよびWorldCatにデータを提供するシステム全体において、アクセシビリティメタデータを信頼性が高く、標準に基づいた、拡張性のあるものにすることです。

 

その具体的な取り組みについてご紹介します。

 

注:本記事は情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。図書館や各組織は、アクセシビリティ要件に関して適切な法的ガイダンスを参照してください。

アクセシビリティ・メタデータは責任の分かち合い

電子リソースの場合、アクセシビリティ・メタデータは通常、ファイルの作成方法や対応機能を熟知している出版社や制作者といった情報の源流で生成されます。そこから、その情報は出版社、流通業者、アグリゲーター、プラットフォームやベンダー、図書館のディスカバリー環境、共同目録システムといった、複数のシステムやパートナーを経由して移動します。

 

EAAは、多くの人がすでに理解していたことを改めて強調しました。すなわち、メタデータワークフローのあらゆる段階が、アクセシビリティ情報の円滑な流通に役割を果たしているということです。もしその情報がどの段階でも欠落したり、不整合な形式で到着したりすれば、図書館や利用者は、追加の作業や検索性の低下という代償を払うことになります。

出版業界と図書館をつなぐ標準の確立

私たちの活動の主要部分の一つは、アクセシビリティ・メタデータが出版システムと図書館標準のメタデータ構造の間を、意味を損なうことなく移行できるよう支援することでした。

 

MARC 341 および 532 フィールド: アクセシビリティ・メタデータの主要伝達手段

 

図書館のメタデータにおいて、アクセシビリティ情報は主に以下のフィールドで直接表現されます。

  • MARC 341 (アクセシビリティ提供モード、機能等)
  • MARC 532 (341を補完する注記)

 

これらのフィールドは以前から存在していましたが、歴史的にその利用は限定的でした。特にデジタルコンテンツにおいてアクセシビリティへの期待が高まるにつれ、これらのフィールドは、一貫した検索とアクセスのための不可欠な基盤となっています。

 

重要なマイルストーン:MARC 341へのONIX語彙サポートの追加

 

2024年12月、私たちは米国議会図書館と協力し、MARC 341がONIXアクセシビリティ語彙に対応するように変更しました。

これがなぜ重要かと言うと

  • ONIXは出版業界における主要なメタデータ形式
  • ONIXには豊富なアクセシビリティ用語が含まれている
  • MARC フィールド341でONIX語彙をサポートすることで、標準に基づいた架け橋が構築され、出版社からのフィードから図書館システムへと、アクセシビリティメタデータがより一貫して移行できるようになる

これは、実務におけるメタデータ連携の重要な実例です。出版社と図書館は、往々にして異なるメタデータ標準を使用してリソースを記述しています。これらの標準を整合させることで、システム間でアクセシビリティメタデータの相互運用性が維持され、ユーザーがアクセス可能なコンテンツを発見しやすくなります。

WorldCatにおけるアクセシビリティ・メタデータの持続的保持

WorldCatは静的なものではありません。レコードは絶えず追加、マッチング、重複排除、情報追加、統合が行われています。アクセシビリティ・メタデータが有用であり続けるためには、そのライフサイクル全体を通じて維持されなければなりません。

 

私たちは、アクセシビリティ・メタデータが WorldCat の取り込みおよび処理ワークフローを通じてどのように移動するかをマッピングし、検証しました。これにより、レコードが統合された際、アクセシビリティ・メタデータが統合後のレコードに引き継がれるようになります。つまり、あるレコードに詳細な記述メタデータが含まれ、別のレコードにアクセシビリティの詳細が含まれている場合、統合された結果では両方が保持され、手戻りを減らし、検索性を向上させることができます。

ワークフローと情報充実化による実装の拡大

標準規格は、パートナー、フォーマット、システムを横断し、一貫して実装できる場合にのみ意味を持ちます。

 

ONIX-to-MARC対応表の機能強化

 

OCLCのチームは、アクセシビリティ・メタデータを含めるよう、ONIX-to-MARC対応表のワークフローを拡張しました。

課題の一つは、アクセシビリティ機能がフォーマットによって異なる可能性があるため、出版社がONIXでEPUBとPDFのフォーマットをそれぞれ個別に記述することが多い一方で、図書館側はプロバイダーを特定しない単一の電子書籍レコードを好む傾向が強いことです。

これら両方のニーズに対応するため、私たちは以下のことを行うための再現可能なルールを確立しました。

  • ONIXのアクセシビリティ要素を適切なMARCフィールドにマッピング
  • 関連する製品レコードの特定
  • レコードの適切な統合
  • アクセシビリティ機能が正確かつ利用可能な状態を維持できるよう、フォーマット上の重要な違いを保持

 

既にメタデータ内に存在する手がかりを活用した大規模なレコードの拡充

アクセシビリティに関連する情報の全てが整然とした構造で提供されるわけではありません。OCLCのメタデータ品質管理チームは、アクセシビリティの特性がメタデータの他の箇所にすでに存在し、MARCフィールド 341で安全に表現できるレコードを特定するための基準を定義しました。

この取り組みにより、最近では約120万件のレコードの拡充が可能となり、WorldCat全体におけるアクセシビリティメタデータの大幅な増加に寄与しました。

図書館および利用者にとっての意義

この取り組みは、図書館にとって重要な成果をもたらします。

  • 利用可能なコンテンツの検索精度向上
  • 目録作成者によるローカル修正作業の軽減
  • ベンダーやプラットフォームを横断したメタデータの一貫性向上
  • アクセシビリティニーズを満たすリソースを探そうとする人々にとってのユーザー体験の向上

 

また、これはメタデータ・エコシステム全体におけるOCLCの役割を強化するものです。私たちは単にメタデータを受け取るだけではありません。メタデータの相互運用性を可能にする標準の確立を支援し、それらの標準を世界規模で運用しています。

 

最終的には、より充実したアクセシビリティ・メタデータによって、図書館は、利用者のコミュニティにとって、より包括的で、信頼性が高く、使いやすい検索体験を提供できるようになります。

 

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―OCLC ResearchのブログHanging Togetherより (英語記事翻訳)―
120枚のキルトパーツ、1つの物語: OCLCキルトの共同制作

2026年6月17日 – ケイト・ジェームズ

コラボレーション。セレンディピティ。多様性。今年のOCLCキルトと、それを制作したコミュニティについて考えるとき、私の頭に浮かぶのはこうした言葉です。

 

在職中および退職したOCLC職員で構成されるグループ、OCLC Quilters (OCLCキルターズ) はALA 2026年年次大会期間中に開催されるサイレントオークションへ寄贈するため、120枚のクロスカット・ブロックからなるキルトの制作に数ヶ月を費やしてきました。ALA BiblioQuilters (ALA ビブリオキルターズ) は、クリストファー・ホイ奨学金の資金調達を目的として、毎年このオークションを主催しています。この奨学金は、ALA認定プログラムで図書館情報学修士号(MLS)の取得を目指す米国・カナダの市民または永住者に、毎年5,000ドルの奨学金を授与するものです。

 

OCLC Quiltersがサイレントオークションにキルトを寄贈するのは、これで4年連続となります。彼女たちの作品に触発され、私も約1年前に裁縫を始めました。今回、単なるファンから参加者へと立場を変え、初めてOCLCキルトの制作に貢献できたことを誇りに思います。人口の約10%が左利きですが、OCLCキルト制作に参加している13人のうち、私を含めて3人が左利きです。結果には影響しませんが、技術的な調整や適切なハサミの準備が必要になります。道具の工夫や左利き用道具の購入に関するアドバイスを共有することは、私たちが互いに支え合う方法の一つです。

ALA 2026年年次大会に寄贈するOCLCキルトの制作者13名のうち9名

他の手工芸と同様、キルト作りにも独自の専門用語があります。キルト作家であり目録作成者でもある私は、「OCLCのキルトを説明するために、どのような統制語彙集の用語を使えばよいだろうか」と考えました。「米国議会図書館件名標目表(LCSH)」や「ゲッティ美術・建築シソーラス(AAT)」などの語彙集には、いくつかの適切な用語がありますのでこのブログの最後に掲載しています。

 

キルトは、個々にはさほど重要ではないかもしれない多くの要素から成り立っていますが、それらが組み合わさることで意味のある全体を形成します。これは、WorldCatの書誌レコードとよく似ています。キルトのブロックは、WorldCatレコードのデータ要素のように機能し、複数の個人による貢献が組み合わさって、より大きな作品を作り上げているのです。

キルトパーツをつなぎあわせる

OCLCのキルト作家たちは、キルトの表地を構成する布である正方形のブロックを120枚縫い上げました。これらのブロックは「クロスカット」というデザインを採用しています。このパターンは、裁縫初心者の人でも挑戦しやすく、小さな布切れを有効活用できることから選ばれました。キルト作家たちは、他の作品で作った「スクラップ」と呼ばれる余った布切れを、将来の使用に備えてとっておくことがよくあります。スクラップを再利用することで、キルト作りは持続可能な手工芸となり、キルト作家たちは互いにスクラップを分け合う事がしょっちゅうあります。OCLCのベテランキルト作家の一人は、まさに図書館員らしい方法でスクラップのコレクションを整理しており、ブロックに使用された布のほとんどを寄贈してくれました。

 

経験豊富なキルト作家たちがブロックを配置して縫い合わせ、中綿(キルトの表地と裏地の間に挟む柔らかい素材)を裁断しました。次の工程は、3層を装飾的なステッチで縫い合わせるキルティングです。これが「キルティング」という用語の厳密な定義ですが、キルト制作の全工程を指す場合にもよく使われます。キルトのステッチに使われたパターンは「モダン・タイズ」と呼ばれ、結び目のついた靴紐のループに少し似ています。

キルトブロックの1枚にはOCLCのロゴがあしらわれている

 最後の工程は、キルトの縁に長いバインディング生地を縫い付けることです。これにより、端のほつれを防ぐだけでなく、装飾的な役割も果たします。バインディングには、「Made in OH」と「Is it perfect? No.」という2つのラベルが縫い付けられています。これらのラベルはいずれもこのキルトを的確に表現していますが、書誌記述とは異なり、ある程度の不完全さは許容されるだけでなく、キルトの魅力の一部とさえ見なされることがあります。

ALA年次大会におけるキルト作りの伝統

OCLCのキルトは、イリノイ州シカゴで開催されるALA年次大会期間中に行われるALA BiblioQuiltersのサイレントオークションに出品される数多くのキルトの内の一つとなります。BiblioQuiltersは、1998年にワシントンD.C.で開催されたALA年次大会で設立されました。2000年以来、BiblioQuiltersは(パンデミックの影響により2020年と2021年を除く)毎年、キルトのサイレントオークションを開催しています。キルトは通常、参加登録エリアの近くで展示され、入札が可能です。シカゴで開催されるALAに参加される方は、ぜひオークションのテーブルを訪れて、これらのキルトをご覧になることを強くお勧めします。ALA終了後、地元の公共図書館の書架で、キルトに関するデューイ十進分類法の分類番号「746.46」を探してみたくなるかもしれません。

 

主題用語

キルトとメタデータに関心のある読者の皆様のために、このブログで取り上げられた概念を反映した以下の統制語彙集の用語をご紹介します。これらの概念を自然言語による説明と照らし合わせてみるのも、楽しいかもしれません!

 

ゲッティ美術・建築シソーラス用語

batting

binding (textile material)

blocks (quilt components)

fabric scissors

quilting

 

米国議会図書館件名標目

Quilting

Sewing—Left-handed techniques

Textile fabrics

 

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(OCLC事業部)


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