伊能忠敬の日本地図
- 著者:渡辺 一郎
- 刊行:河出書房新社
- 文庫:288ページ
- ISBN:978-4-309-41812-4
- 刊行年月:2021.05
- 定価:1089円(本体990円)
内容
日本全国の完成地図を幕府に献上するまでの足かけ17年に及ぶ長い測量の旅と、その地図の内容を詳しく説明する「伊能図」入門の決定版。どのように測量され、地図はいかに作られたのか。そしてその後、いかに多くの複製図が作られ、また散逸していったのか。後半に、著者による再発見の旅と、伊能図の全貌解明の歴史を記録した書き下ろしを収録。
目次より
- 序章 伊能図の時代
伊能忠敬の日本地図はなぜ作られたのか/明治以降に活躍する伊能図
- 第1章 伊能忠敬の生涯
少年時代の実像/事業家・伊能忠敬/江戸に出て高橋至時に師事/測量の契機と開始
- 第2章 伊能図を読む
縮尺の種類/伊能図を鑑賞する
- 第3章 測量の方法
単純な測量方法/距離を測る/方角を測る/測量作業班/横切り測量/富士山を目標
- 第4章 天体の観測
天体観測の狙い/緯度の観測/経度の観測
- 第5章 日本全国の測量ーー東日本編
第1次測量/寛政12年の伊能図/第2次〜第4次測量/幕府の直轄事業へ
- 第6章 日本全国の測量ーー西日本編
第5〜第10次測量
- 第7章 最終版伊能図の完成
大日本沿海輿地全図
- 第8章 伊能図の復活
大図・中図・小図の復活/アメリカで発見された大量の大図模写/大図の最後のピース
東京国立博物館の伊能小図
- 第9章 伊能図の探検と発見の旅 1
東京国立博物館/成田山仏教図書館/「カナ書き伊能図 」/グリニッジ国立海事博物館
- フランスの伊能中図/伊能図の海外流出
第10章 伊能図の探検と発見の旅 2
- ワシントンで伊能図を大発見/博物館展とフロア展/海上保安庁の大図欠図を発見
国立公文書館の伊能小図/東京国立博物館で伊能小図を発見/伊能関係資料の国宝指定
著者紹介
渡辺一郎(わたなべ・いちろう)
1929-2020年。東京都生まれ。現在の電気通信大学卒業。電電公社(現NTT)計画局員およびデータ通信本部などを経て、51歳で退職。65歳で会社経営を引退。1994年頃から伊能図と伊能忠敬の研究に専念。翌年、伊能忠敬研究会を結成。「伊能ウオーク」や「完全復元伊能図全国巡回フロア展」などのイベントを主催する一方、アメリカ議会図書館で伊能大図を大量に発見するなどした。監修書に『伊能大図総覧』『伊能図大全』などがある。
関連資料紹介
(学術和書部)