近代医学を形成した物語の一部をご紹介する4回目です。各々の物語は、歴史を形成し、後に続く我々すべてのためとなる看護の質-そして生活の質-に根本的に影響を与えてきました。
これらの物語、そしてその他の物語について、王立内科医協会(Royal College of Physicians)アーカイブから学ぶことができます。
Wiley Digital Archives王立内科医協会アーカイブ-魅力あふれるコンテンツ その1(はじめてのワクチン)
Wiley Digital Archives王立内科医協会アーカイブ-魅力あふれるコンテンツ その2(医学の歴史)
Wiley Digital Archives王立内科医協会アーカイブ-魅力あふれるコンテンツ その3(医学における女性)
Wileyサイト:https://www.wileydigitalarchives.com/rcp/
紀伊國屋書店サイト:https://mirai.kinokuniya.co.jp/catalog/royal-college-of-physicians/
人体解剖学
活用分野
生物学、医療人類学、医学倫理、英国史、公衆衛生、保健教育、科学・医学史、健康における社会的要因、医学研究、その他の歴史研究
歴史的背景
16世紀以前、人体解剖学は大きな誤解を受けていました。中世において人体の解剖は禁止されていたため、動物の解剖を通じての発見がそのまま人体解剖学に広く適用されていました。
この頃、すなわち初期の数世紀における解剖学分野における専門知識についていえば、この分野の書籍を書いた2世紀のギリシアの医学者ガレノスの理論が医学教育における権威とされていました。ガレノスが、主に豚と類人猿の研究から学んだにも関わらずです。
16世紀が始まると、医学的なトピックは、主に古典書を読むことで教えられ、その後、講義者の指示により床屋医師が動物解剖する形態となりました。ガレノスの古典書は、その教義が16世紀に真摯な挑戦を受けるまで、難攻不落であると一般的にみなされていました。
Muscle man, c.54.k.12, pg.181, Fabrica. Source: British Library, bl.uk.
人
アンドレアス・ヴェサリウス(Andreas Vesalius)は、解剖学の改革者として知られます。
ヴェサリウスが有名な理由
アンドレアス・ヴェサリウスは、ルネサンス期の医師で、人体解剖を注意深く記述することにより、生物学研究と医学の実践に革命をもたらしました。人体の解剖に関する観察に基づき、初の包括的な解剖学の教科書を書きました。
ヴェサリウスは、動物の解剖に基づいたガレノスの解剖学を公然と批判、自ら人体解剖を行い、死体から解剖学を学び、批判的に古典書を評価することで、自身の方法を示しました。一般的にFabrifaとして知られる、De humani corporis fabrica libri septem(人体の構造)を著述・出版、同書は1543年に印刷されました。
Fabricaは、いかなる先達より、より広範囲かつ正確に人体を記述しました。解剖学に新たな言語を与え、その中には、それまで一般的ではなかった図版の使用が含まれました。1543年初頭、ヴェサリウスはマインツに向けて出発し、その著書を、ヴェサリウスをお抱えの侍医としたローマ皇帝カール5世に捧げました。彼の名声は、カール5世がスペイン王位を退位した1556年に、終生年金と伯爵位を与えたことでさらに高まりました。
Andreas Vesalius the Reformer of Anatomy. RCP Library, Medical Science Press, 1920. Wiley Digital Archives.
王立内科医協会アーカイブに含まれる関連コレクション&特別コレクション
解剖学の改革者としてのアンドレアス・ヴェサリウスに関するモノグラフ、医学的注釈、会合録書簡、解剖学関連講義、解剖史や床屋医者、ガレノスの著作の索引 他
情報源:
https://en.wikipedia.org/wiki/History_of_anatomy#From_ancient_to_medieval
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(資料提供Wiley)