図書館をつくる

OCLC News 44号

2020.11.02

OCLC News 第44号
商品情報をはじめ、OCLCに関する様々な情報をご案内致します。

OCLCと米国・研究図書館センターの共同管理用データインフラ整備プロジェクト完了

関連記事 OCLC News 28号「OCLC がアンドリュー・W・メロン財団からの助成金を獲得」

OCLCは2018年7月からアンドリュー・W・メロン財団より助成金を受け、図書館総合目録データベース・WorldCatと、研究図書館センター (Center for Research Libraries, CRL)の定期刊行物の共同管理システム・Print Archives Preservation Registry (PAPR)を、共同管理用データインフラとして整備してきました。

2020年6月、この2年間に渡るプロジェクトが完了し、以下のような収穫がもたらされ、学術レコードの統一的保存管理における大きな一歩となりました。

  • 共同管理プロジェクトの対象となった定期刊行物がWorldCatに登録可能に。
  • 共同管理対象の資料のディスカバリーを改良。
  • 研究図書館センターのPAPRが機能強化。
  • 図書館がコレクション構築の際に共同管理対象資料の所蔵データを活用することが容易に。

OCLCと研究図書館センターが協働して共同管理対象資料の登録作業を簡易化したことで、共同管理プログラムを迅速にセットアップし、数ステップのみで効率的にWorldCatへ数千の資料を一括登録することが可能になりました。WorldCatに登録された共同管理対象の定期刊行物は、自動的にPAPRと同期し、共同管理データへアクセスするOCLCメタデータAPIを通して発見可能です。共同管理データを活用することで、図書館のコレクションの保存と発展双方の戦略構築に役立てることができます。

OCLCのCEO、スキップ・プリチャードは以下のように述べています。

このプロジェクトの結果として、図書館界は学術資料・文化的資料の包括的かつグローバルな保存・管理のセーフティネットをWorldCatに作ることができるようになるでしょう。このプロジェクトを可能にしたアンドリュー・W・メロン財団に感謝しています。

世界最大級の図書館総合目録WorldCatは、今やモノグラフと定期刊行物を共同管理資料として登録することが可能になりました。CRLのPAPRデータベースは双方のシステムに登録されている全ての定期刊行物データへのオープンアクセスを提供します。

研究図書館センター長のGreg Eowは以下のようにコメントしています。

PAPRの機能強化は共同管理におけるコレクション構築を容易にし、定期刊行物収集にあたっての確実なデータに基づいた戦略決定をサポートします。我々は共同管理を未来へ導くインフラ設立に向けたこの意義ある一歩を光栄に思っています。

この共同管理用インフラプロジェクトに関するより詳細な情報はshared print and the collective collectionのページをご覧ください。

当記事の詳細はこちらから≫

EZproxy hosted版導入校が増えています。

OCLCのリモートアクセス用ソフトウェアEZproxyは、機関のネットワーク外から機関が契約している電子コンテンツ(電子ジャーナル、電子書籍、データベース等)にアクセスすることを可能にし、コロナ禍により自宅で研究・学習をすることが増えた昨今、ますます需要が高まっています。

EZproxyはVPN方式等と比べてコストや導入・利用の手間が少ないことから多くの機関に導入頂き、現在世界中で約5,000の機関に利用されています。

またセキュリティ面でも高い安全性を誇り、国際基準であるISO / IEC 27001規格に認定された厳格な情報セキュリティプログラムを維持している他、様々なガイドラインに従っています。

参考 OCLC Data security that inspires confidence

ご契約機関の多くはお客様ご自身にてサーバーを管理するEZproxyオンプレミス版(以下オンプレ版)を利用していますが、現在EZproxyと同様のProxy Server サービスの主流はクラウド版になってきており、世界の導入機関約5,000のうち約1,400は既にOCLCにてサーバーを管理するhosted版をご利用頂いています。また2022年以降にオンプレ版ご提供の終了が予定されていることから、日本においてもhosted版を導入頂く機関がどんどん増えています。

Hosted版の特徴

  • hosted版(クラウドサービス)のため、貴学で機器やソフトウェアをご用意いただく必要がありません。
  • 多くのコンテンツプロバイダに接続できます。
  • 一部のコンテンツではアクセスができないこともありますので予めご了承ください。
  • EZproxyを経由したアクセスについてログが残ります。オプションの統計機能を組み合わせるとオンラインコンテンツの評価ができます。
  • アクセス可否判定のため、利用者はIDとパスワードを入力します。パスワードの管理はEzproxyにて独自の管理ができますが、図書館システムのマイライブラリ機能や学認、LDAPサーバなどとの連携も可能です。
  • 利用者を学部ごとなどでグループ化し、アクセスできるコンテンツの管理も可能になります。

ご契約の電子コンテンツをフル活用し、利用者の自宅での研究・学習をスムーズにするEZproxy hosted版を是非ご利用下さい。

EZproxy hosted版へのお問い合わせはこちら▼
株式会社紀伊國屋書店 OCLCセンター
電話:03-6910-0516
e-mail:oclc@kinokuniya.co.jp

EZproxy hosted版のご紹介ページはこちら≫

REALMプロジェクト3-4回目の実験結果公開
OCLC / 2020年8月18日, 9月3日

REALM: REopening Archives, Libraries and Museums 文書館、図書館、博物館の再開

3回目の実験報告:

REALM プロジェクト研究の一環として、バテル研究所は、文書館、図書館、博物館で一般的に使用されている資料でウイルスがどのくらいの期間生存するかについて情報を提供するために、3 回目の自然減衰実験を行いました。この研究は、標準的な室温(68°F~75°F)と相対湿度(30~50%)の条件で保存された5つの資料に病原性SARS-CoV-2ウイルスを塗布して行われました。3回目の実験材料は、以下のものです。

資料 素材 用途
トーキングブック, USBカセット* 特定混合率のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS) カートリッジは、米国議会図書館障碍者サービス部門で利用できるトーキングブックリーダーで使用されている
DVD** ポリカーボネート デジタルデータストレージ(CDも含む)。

注:ポリプロピレン製のDVDケースは、1回目の実験でテスト済

保存袋(軟質プラスチック製)** 低密度ポリエチレン(LDPE)、リサイクル4号 保存袋、図書館や博物館のキット、ギフトショップの包装
保存容器(硬質プラスチック製)** 高密度ポリエチレン(HDPE)、リサイクル2号 資料の運搬・保管
プレキシガラス*** アクリル ディスプレイケース、パーティション

資料は、米国議会図書館障碍者サービス部門*、コロンバス市立図書館**、米国国立公文書館***から提供されたものです。各資料のサンプルにウィルスを接種し、ステンレススチールラックの上に置きました。2回目の実験とは対照的に、これらの資料は、一般的な取り扱い手順を模倣するために入れ子にしたり、積み重ねたりした状態での実験は行いませんでした。積み重ねない状態で5日間検疫を行った結果、保存袋(軟質プラスチック)やDVDからSARS-CoV-2ウイルスは検出されませんでした。保存容器(硬質プラスチック)、プレキシガラス、USBカセットはすべて5日後でも検出可能なウイルスの存在を示しました。5日目をもって計測を終了しています。

実験1、2の結果と比較すると、このデータは、自然減衰だけでSARS-CoV-2を検出できないようにするためには、これらのプラスチック系材料の検疫機関を少し長くする必要があることを示唆しています。あるいは、材料の非多孔性を考慮して、適切な液体消毒法を用いると、隔離するよりも迅速な除染が可能となる可能性を示しています。

3回目の実験結果をダウンロード [PDF]

アメリカ疾病管理予防センター(CDC)と環境保護庁(EPA) は一般的な洗浄と消毒についてのガイダンスを提供しています。洗浄剤や消毒液の中には、資料の表面や素材を損傷するものがありますのでご注意ください。一例として、米国国立公園局のサイトで展示物やコレクションの洗浄に関するガイダンスを参照してください。

4回目の実験結果:

REALMプロジェクトは、新型コロナウィルスに対する5つの素材を対象としたバテル研究所の4回目の実験結果を発表しました。ハードカバーの表紙、ソフトカバーの表紙、プラスチック製の保護カバー、DVDケースの5つのアイテムの内、4つは1回目にテストしたものですが、今回の実験では、ブックドロップ、箱、または書架上での保管をシミュレーションするために、資料を重ねて置きました。5つ目のアイテムである発泡ポリエチレンは、博物館の展示、保管、発送用として一般的に使用されており、屋外で重ねない状態でテストされました。 4 回目の自然減衰実験は前回と同様に標準的な室温(68°F~75°F)と相対湿度(30~50%)の条件で保存された5つの資料に、病原性SARS-CoV-2ウイルスを塗布して実施されました。4回目の実験材料は、以下のものでした。

資料 素材 用途
ハードカバー図書の表紙 バックラムクロス ハードカバーの表紙
ソフトカバー図書の表紙 コート紙 大型ペーパーバックの表紙
プラスチック製保護カバー 2軸延伸ポリエステルフィルム ハードカバー図書の保護フィルム
DVDケース ポリプロピレン DVDやCDの記憶媒体
発泡ポリエチレンフォーム 1インチ厚発泡ポリエチレンフォーム 保管、発送

6日間の検疫後もSARS-CoV-2ウイルスが5つの素材すべてから検出されました。1回目の実験でハードカバー図書、ソフトカバー図書、プラスチック製保護カバー、DVDケースの3日後にウイルスが検出されなかったのと比較すると、4回目の実験結果は、資料を重ねて保管することがSARS-CoV-2ウイルスの生存期間延長に及ぼす影響をはっきりと示しています。

素材の多孔質セルロース組成に基づいて考えると、液体消毒方法は適切ではなく、素材の劣化を引き起こす可能性があります。より長い検疫時間を設定するか、熱を加えるなどの他の方法がより迅速な除染を促進する可能性があり、引き続き調査が必要です。2020年10月に公開される予定の文献レビューでは、熱、紫外線、その他の消毒方法の効果に関する公表済研究を調査中です。ノースイースト文書保存修復センターなどの組織が、文書館、図書館、博物館の資料消毒に関する情報を共有しています。

 

資料の積み重ねとウィルスの減衰期間の関係


4回目の実験結果をダウンロード [PDF]

当記事の詳細はこちらから(日々更新されます)>>

前回(2回目の実験)の記事はこちらから>>

前々回(1回目の実験)の記事はこちらから>>

―OCLCのリーダーたちが知見や経験を共有するブログ Nextより―
OCLC音楽ユーザーグループ: You say you want an evolution (進化が必要と人は言う) *1
ジェイ・ウェイツ

OCLCユーザーグループ中、最初で最古のものであるOCLC音楽ユーザーグループ(Music OCLC Users Group = MOUG)は、40年以上に渡って図書館の音楽資料へのアクセスを改善するために活動してきました。その活動は、グループ結成の起源である目録作成と公共サービスの進化を両立させようとしてきたためにたびたびアイデンティティーの危機を感じてきました。それでも、MOUGに関わる献身的な専門家たちが40年以上もの間、この活動を続けてきたのは、音楽資料の複雑さに太刀打ちできる製品やサービスを作ることができれば、どんな資料にも対応できると考えたからです。

1976: Here comes the sun (太陽が昇る) *2

MOUGは、1976年に出版された「Music: A MARC Format」の実践に際し、OCLCに助言するために設立された、OCLCの楽譜、録音資料の目録作成に関する作業部会が起源です。この作業部会は、楽譜や録音資料の書誌ワークフォームの設計、索引作成、目録カードの印刷、入力基準の制定、及びそれらに関連する問題などの大量の課題を引き受けていました。1976年から1977年に移り変わる前に、OCLCはなんとか音楽MARCフォーマットの独自版を「On-line Cataloging of Sound Recordings and On-line Cataloging of Scores」という形で出版し、この2つの書誌フォーマットを実装していました。アメリカ議会図書館自体が楽譜や録音資料のMARCレコード作成を開始するのは1984年3月になってからです。
その起源から推測されるように、MOUGは、初期の頃から、目録作成者優位の組織と見られてきました。しかし、MOUGは1981年には早々とWorldCatの音楽リファレンスとしての利用を話題にし始めていました。そして1988年には音楽レファレンスと発見の先駆者としての地位を確固たるものにしたのです。その年、MOUGリファレンス作業部会が結成され、OCLC Search CD450 Music Library、これはWorldCat中の楽譜と録音資料のみをCD-ROMに収めた商品ですが、の開発を手伝うことになりました。これは1988年においては最先端の出来事でした。

OCLCセンター注:Search CD450 Music LibraryはWorldCat中の楽譜と録音資料の書誌データを2枚のCD-ROMに抽出したもので、LC典拠ファイルのCD-ROMが付属していました。当時、日本からOCLCへのオンライン接続時間が限定されていましたので、いつでもアクセスできるこのセット商品は日本の音楽図書館に大変ご好評をいただいていました。

RDCC: Turn and face the changes (変化に向き合え) *3

長年にわたり、MOUGリファレンス作業部会は、その名称、構成、活動レベルなどが様々に変更してきましたが、2016年に、リファレンス・ディスカバリー・コレクション委員会 (RDCC) へと発展し、委員会のコーディネーターがMOUG理事会の選出メンバーとなりました。この二つの節目により、MOUG細則のRDCCの定義、「OCLCの製品やサービスに関連した発見、公開、収集サービスの問題の調査と、それらに関連した支援活動をサポートする」という、MOUGが果たしてきた重要な役割がやっと正式なものになりました。同時に、RDCCのメンバーはMOUGプログラム委員会の職権上の委員の兼務が義務付けられ、MOUG会議の企画段階で公共サービス及びコレクションサービスが十分かつ適切に反映されることを保証しました。
1988年以来、RDCCとその前身はOCLCと密接に協力して、1990年代初頭のEPICとFirstSearchから、WorldCat Local、そして今日のWorldCat Discoveryに至るまで、あらゆるレファレンスやディスカバリーの製品やサービスを開発・改善してきました。対面およびバーチャルな議論、実例の収集、ユーザーテストへの参加を活用して、RDCCは具体的かつ明確な推奨事項を提案し、レコード表示、ラベル作成、ファセット構成をより利用者にとって使いやすいものにしてきました。

OCLCセンター注:
EPIC: 1990- 図書館員と研究者の使用を想定したオンライン情報検索サービス。
FirstSearch: 1992- エンドユーザーの使用を想定したEPICに変わるオンライン情報検索サービス。
WorldCat Local: 2007-2019 自館用“WorldCat.org”。自館の蔵書、自館が参加しているコンソーシアムの蔵書、オープンアクセスの資料などを優先的に表示。
WorldCat Discovery: 2014- FirstSearchとWorldCat Localの機能を統合したクラウドベースのサービス。

Resource Descriptoin and Access (RDA)で具体化された新しい目録作成仕様の広範な実装と、それに対応するMARCフォーマットの変更は、新しい書誌・典拠・所蔵項目に適応させるため、多くのインターフェースに頻繁な更新を余儀なくさせました。RDCCは、時として難解なRDAの概念やMARCで定義された新しいフィールドとサブフィールドを、意味が通り、利用者に正確なアドバイスを提供する表示へと翻訳するという課題に取り組んできました。RDCCがWorldCatディスカバリーを改善するために行った作業については、MOUGウェブサイトの「Discovery, Reference, and Collections」ページをご覧ください。現在のRDCCコーディネーターであるノースカロライナ大学チャペルヒル校のモニカ・フィゲロア (monica@unc.edu)は、図書館と司書の双方からの提案を奨励しており、皆さんの参加を歓迎しています。

The beat goes on (ビートは続く) *4

また、RDCCのメンバーは、音楽資料があらゆるディスカバリーシステムにもたらす特殊な問題を解決するための幅広い取り組みにも参加してきました。より分かりやすいなものとしては、同じ音楽作品の演奏の多様性、様々なアレンジやトランスクリプションを区別すること、楽譜やパート譜には多くの利用可能な種類や組み合わせに注意すること、楽譜と音声の両方の形式の音楽編纂物に論理的にアクセスできるようにすることなどが挙げられます。音楽図書館協会の「Music Discovery Requirement(音楽資料発見の要件)」は、RDCCの活動に深く影響を受けており、RDCCのメンバー数名が貢献していますが、このことは影響力を物語る一例です。
MOUGの起源についてのもっとスリリングな詳細が知りたい方は、Peter LisiusとRichard Griscom編集、2012年Music Library Association/A-R Editions刊の『Direction in music cataloging』(OCLC番号 #743432770(プリント版)、#878145048(オンライン版)に掲載された私のエッセイ「Furthering Access to Music: A History of the Music OCLC Users Group」をご覧ください。スリルはいらないがコンパクトにまとまったものが読みたい方は、MOUGのウェブサイトをご覧になるか、または40年以上にわたるMOUGニュースレターからMOUGの全歴史を辿ってみてください。年に3回発行されるMOUGニュースレターは、最新のニュース、レポート、Q&A、製品やサービスに関する特集などが満載で、図書館での音楽アクセスの未来にあなたが参加する方法も紹介されています。
また、2018年に開催されたMOUG40周年記念会議までの40日間、MOUGの過去の1年ごとのハイライトが連日ソーシャルメディアに投稿され、”40 Days of MOUG (MOUG 40日間)“としてまとめられたのも見逃せない歴史的な出来事です。
音楽家、作曲家、音楽愛好家は、図書館や公文書館を熱烈に支持している人たちであり、そのニーズは非常に特殊であることが多いです。したがって、目録の特定性と公共サービスの目的を一致させるというMOUGの「アイデンティティーの危機」は、永遠に終わらないかもしれません。でも、それも悪くないかもしれませんね。

以下の注はOCLCセンターで付けたものです。
*1  You say you want an evolution: 1968年のビートルズの曲「Revolution」の歌詞「You say you want an revolution」をもじったもの
*2  Here comes the sun: 1969年に発売されたビートルズのアルバム『Abbey Road』に収録された曲のタイトル
*3  Turn and face the changes: 1971年にリリースされたデヴィッド・ボウイのアルバム『Hunky Dory』に収録された曲「Changes」中の歌詞「Turn and face the strange」をもじったもの
*4  The beat goes on: 1967年に発売されたソニー&シェールのヒット曲のタイトル;その後多くのアーティストがカバー

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―OCLCのリーダーたちが知見や経験を共有するブログ Nextより―
リンクトデータが図書館にもたらす恩恵
ジョン・チャップマン

2020年1月、OCLCは、アンドリュー・W・メロン財団から、コレクションに関する情報作成、共有のための新たな方法を試行する図書館を支援する共有実体管理構造構築の助成金を授与されたと発表しました。これらの新しい方法(一般的に「リンクトデータ」と呼ばれています)は、基礎となる図書館のデータと図書館員が行う活動の両方に変化をもたらします。

さらに重要なのは、図書館コミュニティがお互いの仕事を基に構築するために協力し合う方法の変化をも示していることです。どのような図書館に所属していても、あなたとあなたの図書館の利用者がこのプロジェクトの恩恵を受けられると信じています。

6か月経過して

最近のNextへの投稿では、リンクトデータを作成する図書館員が使用する新しいインターフェイスとシステムへの洞察を提供したProject Passageについてお話ししました(OCLC News 38号で紹介)。しかし、それだけではありません。私たちは、OCLCのような大規模なデータ・プロバイダーが、これらのシステムを実際に機能させるために何をする必要があるのかについて参加者に尋ねました。

OCLCの過去、現在、未来は分担目録作業の概念と深く絡み合っていることから、この新しい助成金使用の半年点検は、ここでの私たちの仕事があなたや図書館にとって何を意味するのかについて話す良い機会になると思いました。運用された場合、リンクトデータは参加している図書館に次のものをもたらします。

  • 著作、人物、その他図書館が参照する必要のあるものの記述情報と識別子の膨大なコレクション
  • それらの記述を強化したり、不足しているものを追加したりする機能
  • 図書館員がMARCからの変換ではなく、最初からリンクトデータを作成できるようにするエコシステム(軽量のUIとAPIを含む)
  • 図書館のローカルメタデータとエコシステムのメタデータを調整し、図書館のメタデータと図書館以外の情報を結びつけるためのツール

また、リンクトデータは図書館の利用者と職員の両方にとって意味のある識別子でウェブ上に種を蒔くことも意味します。私たちは、何百万もの創造的著作とそれに関連する人物に関するデータを作成し、公開します。これらの著作と人物を一貫した識別子で参照すると、アプリケーションは異種または拡散したコレクション間につながりを持たせることができるようになります。

素早いスタート

12月下旬に助成金獲得の話を聞くと、技術チームを編成して作業に取り掛かりました。1月9日に発表された時点で、この中心チームは既に技術的なツールと環境を整えて開発を始めていました。OCLC は、このプロジェクトに相当量のスタッフの時間と予算、実質的には Mellon財団の助成金と同額の資金を提供しており、この作業を他の多くの既存処理に組み入れることができます。

私たちのチームは、助成金の手続き中、上記の各項目に取り組んでいますが、特に、作成時「必要な時点で」のリンクトメタデータ提供に重点を置いています。このプロジェクトでは、検索を高速化し、従来の典拠作業のサイクル時間を短縮することで、リンクトデータの統一リソース識別子(URI)をあらゆる種類のメタデータへ容易かつ迅速に追加できるようになります。

つまり、伝統的なMARCベースの目録作成、ダブリンコアとデジタルリポジトリのローカル用語の組み合わせ、あるいは完全なBIBFRAMEなど、どのようなタイプのメタデータ作業を行っていても、これらの識別子を利用できるということです。また、他の図書館がこれらの識別子を使用し始めると、ユーザーへの周辺情報や追加コンテンツ提供がこれまで以上に容易になります。

チームの取り組み

プロジェクトの長さ(これは2021年12月に終了する2年間の助成金です)を考えると、関係図書館からの連絡をいつでも受けられるようにしておくことが重要だと分かりました。 リンクトデータの分野は急速に進化しており、プロジェクトの最後には期待に応え、分野を前進させたいと考えています。

6月には、より多くの図書館を実体管理諮問グループ (Entity Management Advisory Group)に迎えました。現在、7カ国から25の図書館がオンラインディスカッションや月例ミーティングに参加しています。これまでのトピックには、API、UXリサーチ、データモデリングなどがあります。

同じくメロン大学から資金提供を受けている作成するためのリンクトデータ(Linked Data for Production (LD4P))プロジェクトや、リンクトデータと「アイデンティティ・マネジメント」の概念を戦略の中核としている共同目録プログラム (Program for Cooperative Cataloging (PCC))とのパートナーシップを継続し、強化してきました。

図書館員のニーズをより適切に満たすため、OCLCのユーザー・エクスペリエンス・リサーチのスタッフは、実際のワークフローでこれらの新しい概念を使って作業する際の課題や懸念事項を明らかにするべく、何十人もの図書館員との集中インタビューを実施してきました。

最初の節目…これからも

利用者がデータやデータツールを見て対話することでしか収集できない情報は他にもあります。そのために、先日、諮問グループから選ばれた複数図書館に対して、私たちが行ってきた作業を最初に見てもらいました。この実験は、2021年12月の最終的な正式リリースまでの3つの予備的なチェックポイントのうちの最初のものです。図書館は、100万点以上の創造的な著作とその著作や主題に関連する人物について集められたデータを確認できるようになります。また、シンプルなユーザーインターフェースとAPIのセットの両方を利用できるようになります。

これらの実験は、私たちがすでに超えようとしている非常に初期の限られた機能セットを対象としていますが、この重要なプロジェクトのための大切なステップとなっています。

リンクトデータは、図書館で働く私たちや利用者にとって、図書館のメタデータの有用性を飛躍的に高める方法です。また、私たちが生産的に利用できるデータを持ち、私たちが行っている作業を評価してくれる外部組織とパートナーを組む能力を高める方法でもあります。リンクトデータを運用し、コミュニティのための共有インフラを作成するというこの重要な一歩は、OCLCの私たち、私たちと協力している図書館、そしてメロン財団のようなパートナー組織にとって、本当に刺激的です。今年の後半には、このプロジェクトに関するより多くの情報を共有できることを楽しみにしています。


最近の動向については、2020年7月29日のウェビナー “OCLCとリンクトデータ:研究から現実への移行“の録画をご覧ください。このイベントでは、OCLCとテンプル大学の講演者が登壇し、CONTENTdmリンクトデータプロジェクトと共同実体管理インフラストラクチャプロジェクトについて話しました。

当記事の詳細はこちらから>>

(紀伊國屋書店 OCLCセンター)


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