Digital National Security Archive(アメリカ外交政策極秘文書シリーズ、DNSA)より、アメリカの諜報活動に関するコレクションを紹介します。
CIA極秘作戦・1:カーターからオバマまで、1977-2010年
CIA Covert Operations: From Carter to Obama, 1977-2010
カーターからオバマ政権まで、アメリカの極秘の国外活動を明らかにする
CIAの極秘作戦に関するシリーズの第一弾です。カーターからオバマ政権にかけて行われたCIAの極秘作戦に関する資料を収録します。最新の機密解除文書を含む2,337点の資料は、これまで資料の乏しかったアメリカの国外活動に関する詳細な記録です。収録するテーマは、アフリカ、中南米、ラジオ放送、対テロ戦争などにおけるCIAの極秘作戦と、それに対する公式見解及びアメリカの諜報活動マネジメントなど、CIAの関わったあらゆる事項に及びます。大統領の発言のメモ、国家安全保障会議の資料、CIAの高官が大統領に宛てた非公式の文書、CIAの調査報告などを収録します。
CIA極秘作戦・2:諜報の年、1975年
CIA Covert Operations II: The Year of Intelligence, 1975
政府の諜報機関による権力の濫用が暴露された1975年に焦点を当てる
1975年に行われた、CIAの活動の調査に関する資料を収録します。1974年にThe New York Timesが暴露したCIAの違法行為は世論の憤激を巻き起こし、これを受けてフォード大統領はブルーリボン大統領委員団(ロックフェラー委員会)を設置、上院ではチャーチ委員会が、下院ではパイク委員会が、CIAの活動を調査しました。当コレクションは、その後もこの種の調査のモデルとなったこれらの委員会の資料を豊富に収録し、そして、フォード政権がこの政治的危機にどのように対応し、最終的に諜報組織をいかに再編成したか、そして政府として初めて諜報機関の使命と役割とを明確にした行政命令をいかに下したかを、細部まで明らかにします。
CIA極秘作戦・3:ケネディからニクソンまで、1961-1974年
CIA Covert Operations III: From Kennedy to Nixon, 1961-1974
カストロ政権転覆計画を中心に、冷戦下のCIAの秘密活動を明らかに
カストロ政権を転覆させようとして歴史的失敗に終わったピッグズ湾事件を中心に、キューバ、イギリス、ギニア、ボリビア、インドネシア、ドミニカ共和国、イラクなどでCIAが実施・計画した極秘作戦に関する2,407点の文書を収録します。ピッグズ湾事件後に計画されたカストロ政権転覆作戦・通称マングース作戦や、ドミニカの独裁者トルヒーヨの暗殺計画、クルド人への秘密裏の支援、中央アフリカ共和国の独裁者ボカサへの賄賂の許可を求める文書など、この時代のCIAの秘密活動を証言する貴重な資料を提供します。その中にはこれまであまり知られていない、あるいはまったく未調査の作戦も含まれます。
また、秘密活動を許可した”Special Group”の会議の議事録やCIAの局長のスタッフミーティング、CIA長官ジョン・マコーンの記したケネディ・ジョンソン両大統領とのミーティングのノートなど、CIA最高司令部の内部資料を幅広く収録しています。
CIA極秘作戦・4:アイゼンハワーの時代、1953-1961年
CIA Covert Operations, Part IV: The Eisenhower Years, 1953-1961
冷戦時代にCIAが世界各地で展開した、時にきわめて敵対的な極秘作戦に関する新たな内部資料
アイゼンハワー大統領は、CIAに世界各地での数々の秘密工作を許可した大統領であり、彼の在職期間はCIAがその歴史の中でも特に活動的な時代でした。当コレクションでは、アイゼンハワーが大統領をつとめた1953年から1961年にかけてのCIAの秘密作戦に関する当時の政府文書を、新たな機密解除文書を中心に1,824点収録します。
カストロ政権転覆計画をはじめ、中国の影響力の拡大を恐れて1956~57年にチベットで行った抗中ゲリラへの支援、朝鮮戦争での諜報活動、石油産業の国有化を進めるモサデク政権を転覆させた1953年のイランのクーデター支援、 鉱山地帯の分離独立に反対するルムンバ政権を転覆させた1960年のコンゴ動乱の支援、左派政権を転覆させた1954年のグアテマラ反革命クーデター支援のほか、アルバニア、ドミニカなど、冷戦下に世界各地でCIAが展開した秘密作戦に関する政府内部の資料を読むことができます。<PDF資料を見る>
CIAと行動科学:マインド・コントロール、薬物実験、MKULTRA計画
The CIA and the Behavioral Sciences: Mind Control, Drug Experiments and MKULTRA
20世紀半ばに米国中央情報局(CIA)が行った、マインド・コントロールや洗脳実験に関する文書を収録
第二次世界大戦から1970年代にかけて、CIAによって行われた行動科学、マインド・コントロール、薬物実験等に関する文書を1200点・8900ページ収録するコレクションです。約8割がCIAの文書であり、その他にNGOや国防総省の文書を含みます。
戦後の東側陣営との競争意識や安全保障の名のもと、CIAによって薬物実験をはじめとする非倫理的な作戦と実験が繰り返されました。MKULTRAは、それらの極秘プロジェクトの一つであり、薬物やマインドコントロールを利用した洗脳実験のコードネームです。本データベースはCIA創設初期における、秘密裏且つ物議を醸す構想について、実質的な記録を残します。<PDF資料を見る>
大統領日報・1:ケネディ、ジョンソンとCIA、1961–1969年
President’s Daily Brief: Kennedy, Johnson, and the CIA, 1961-1969
毎朝大統領に手渡されたトップ・シークレットを初めて機密解除
大統領日報(President’s Daily Brief, PDB)は、CIAをはじめとする情報機関から日曜日を除く毎朝、 大統領に提出されたごく短い報告書で、その日その時に世界でもっとも重要な出来事を大統領に簡潔に報告するものです。
大統領日報は長年にわたってCIAの最高機密として堅く秘されていましたが、NSAと研究者による公開請求の訴訟により、 このたびケネディ、ジョンソン政権の2,500点・約19,000ページを公開することについに成功しました。 大統領が知っていた情報や、米国政府がその情報をどの日に最重要問題として認識したのかを明らかにします。 政府や安全保障システム、大統領の意思決定、CIAの情報収集、政府の機密に関しても貴重な視点を提供するでしょう。
大統領日報・2:ニクソン、フォードとCIA、1969-1977年
The President’s Daily Brief: Nixon, Ford and the CIA, 1969-1977
CIAが大統領に毎日渡したトップシークレット
ニクソン、フォード両大統領にCIAが毎日報告した国際情勢の簡潔な報告書、「大統領日報」を2,527 点、 28,300頁収録します。当時の最高機密情報であり、冷戦時代の激動の国際情勢に対する米国政府の認識を1日単位で明らかにする貴重な資料です。大統領日報は大統領の要請に沿って整えられており、大統領とCIAが米国の日々直面する多数の問題の優先度をどのように評価したかを明らかにします。
当コレクションに収録される資料には、対ソ関係をはじめ、ヴェトナム戦争、ラオス、カンボジアの内戦、ニクソンの中国訪問、中東とアフリカへのソヴィエトの軍事支援、第四次中東戦争と中東和平交渉、ヨルダン、レバノンの内戦、テロ、核、宇宙開発競争など、当時の国際情勢の重要な出来事が言及されています。
「国家安全保障に関する大統領指令」コレクションとあわせて利用することで、米国の政策決定の過程を解明するのに役立ちます。
アメリカ国家安全保障局:組織と軍事行動、1945-2009年
National Security Agency, The: Organization and Operations, 1945-2009
アメリカ最大の諜報機関の第二次世界大戦から現在までの歴史を俯瞰
アメリカ最大の諜報機関、アメリカ国家安全保障局(NSA: the National Security Agency)の、第二次世界大戦から現在にいたるまでの歴史を取り上げます。
新たに機密解除されたNSA内部の歴史や機関誌の記事も含まれます。 かつて最高機密扱いとして分類されていた暗号を含む諜報レポートやメモ類は、NSAの通信傍受から得られたものもあります。 また、数々の機密解除文書では、NSAの組織構造、諜報コレクション、分析的操作、人物・予算データ、諸外国との関係等を取り上げています。 本コレクションの目玉は、最高機密扱いとして分類されていた資料類の評価結果です。 複数の外部研究団体や学識経験者で構成された会議が実施したもので、60年以上におよぶ歴史を持つNSAに関する、ユニークかつ豊富な情報源です。