人文社会系研究

英国外務省中国関係文書(FO17)を漏れなく電子化し、手稿の全文検索を実装するデータベース

2020.11.27

China and the Modern Worldデータベース・シリーズ新パートがリリースへ

2021年3月、センゲージ ラーニング社Galeが提供するデータベース・シリーズChina and the Modern Worldより、清朝が西洋世界へと門戸を開いていく経過を詳述した壮大なコレクションが登場します。

※2021年3月1日にリリースされました。

China and the Modern World:  Imperial China and the West, Part I, 1815-1881は、英国立公文書館が所蔵する英外務省記録FO17シリーズ文書を提供します。FO17は、清朝最盛期から2度のアヘン戦争を経て滅亡に至る時代における、最も重要な英中外交資料群であり、中国および東アジア(朝鮮、日本)の歴史や、19世紀を通じての外交、交易、経済、政治、軍事その他さまざまな側面において英中関係を研究・教育する上で必要な英語の歴史資料を収録する最大かつ最も重要なコレクションの1つです。

  • 資料所蔵元:英国立公文書館
  • 収録量:540,000ページ
  • 収録資料の種類:手稿、地図、切抜他
  • 収録年代:1815-1881年
  • 言語:英語。一部中国語、フランス語を含みます。

なお本データベースの製作には、日本の研究者も加わった国際的な編集諮問委員会が参画しています。

編集諮問委員

※アルファベット順

  • デヴィッド・フォーア David Faure (香港中文大学歴史学教授)
  • 黃克武Huang Ko-wu(中央研究院近代史研究所教授)
  • イザベラ・ジャクソン Isabella Jackson(トリニティ・カレッジ・ダブリン中国史准教授)
  • 本野英一 Eiichi Motono(早稲田大学政治経済学部教授)
  • 村上衛 Ei Murakami(京都大学人文科学研究所准教授)
  • スティーヴン・R・プラットStephen R. Platt(マサチューセッツ大学アマースト校歴史学教授)
  • ハンス・ヴァン・デ・ヴェン Hans van de Ven(ケンブリッジ大学近代中国史教授)

2パート構成で提供する英外務省、対中文書FO17シリーズ

1906年以前の海外諸国関連の英外務省記録は、国毎にまとめられています。”FO17 – Foreign Office: Political and Other Departments: General Correspondence before 1906, China”(FO17-政治その他部局:対中一般外交文書 1906年以前)は1815年から1905年にかけての英中関係を記録したシリーズで、1890年から1905年にかけてソウル総領事から送られた急送文書も含まれます。

China and the Modern World: Imperial China and the Westでは、FO17シリーズを2パートにわけてご提供します。2021年3月に刊行予定のパート1はFO17/1からFO17/872まで(1815年から1881年)、2021年から2022年にかけて刊行予定のパート2はFO17/873から FO 17/1769/6まで(1865年から 1905年)をカバーします。

FO17シリーズ全体で1,769巻、約100万ページ分の文書を収録し、外交から交易、経済、政治、軍事、中国からの移民、法律にいたるまで、この時期の英中関係のあらゆる側面を伝えます。

手書文書の全文検索を実現。手書き文字認識(HTR)

本データベース収録コンテンツは大多数が手書文書です。Galeは、本データベースで手書き文字認識(HTR)を採用予定です。膨大な手書文書集成を自動的にテキスト化することで、手書文書の全文検索が実現します。

手書き文字認識

※China and the Modern World: Hong Kong, Britain and China 1841-1951より。

技術の向上による検索効率の向上

手書文書が全文検索できるようになることで、 迅速に関連資料を探し出すことができるようになります。短時間でより大きな可能性を秘めた調査経路への道がひらかれます。

より多くの文書の評価が容易に

古書体学のスキルの有無に関わらず、研究者が容易に読み解くことができる逐語記録は、文書の概要を把握する手段として有用です。同じ時間を使って、より多くの情報源を評価することができるようになります。

 デジタル人文学での活用

デジタル人文学に手書文書を組み入れるためには、これまでは手書文書を手作業で書き起こす必要があり、このことがデジタル人文学プロジェクトで手書文書を利用する上での大きな障壁となっていました。

HTR技術によって膨大な手書文書集成を自動的に書き起こすことができるようになった結果、手書文書はデジタル研究においてより強固な役割を果たすことができるようになりました。特に、Galeが提供するテキストマイニングツールGale Digital Scholar Labの活用で効率性が向上します。

外交、交易、経済、政治、軍事その他多くの側面における19世紀を通じての英中関係をはじめ、大英帝国とアジアにおける植民地主義、中国思想史、翻訳研究、建築・芸術史、中国からの移民、ディアスポラ、法律学など、関連分野でもご利用いただけるデータベースです。

関連データベースとあわせてご検討ください。

関連データベースのご案内

China and the Modern Worldシリーズ・データベース

  • Missionary, sinology, and Lierary Periodicals, 1817-1949(布教、中国学、文芸雑誌(1817-1949年) ):記事 / 商品案内
  • Diplomacy and Political Secrets 1869-1950(外交と政治機密(1869-1950年)):記事 / 商品案内
  • Hong Kong, Britain and China 1841-1951(香港、英国、中国(1841-1951年)):記事 / 商品案内

Nineteenth Century Collections Online – Asia and the West:記事 / 商品案内

(紀伊國屋書店 書籍・データベース営業部 伊佐)

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