昭和天皇即位特集号1928
「昭和天皇即位特集号1928」は、1928年の昭和天皇の即位を記録した希少な英文文書である。儀式の詳細を明らかにするだけでなく、昭和初期の世相を活写する貴重な資料を電子版で提供する。
- 発行：1928（昭和3）年12月20日
- 収録内容：252頁、即位当日の数々の写真や詳細な記述に加え、皇族の写真、世界各国の著名人からの祝賀メッセージ。当時の日本帝国軍、建築、鉄道、船舶、貿易、工業、金融、教育、アート、スポーツなど。
- プラットフォーム：ジャパンタイムズブックビューア
- 認証方式：IPアドレス認証
- 販売形態：
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- 単独購入
| 1928年に発行された「昭和天皇即位特集」は、昭和天皇が即位された頃の日本を見事に切り取っている。明治憲法下だった当時、天皇は名実ともに政治と社会の頂点に立っていた。また商業が発展し、国際社会に日本が登場したことで（その時代としては）自由主義が台頭する時代だったとも言える。大戦間の明るい時代は、1929年の株式市場の暴落とその後の出来事によって終わりを告げた。「日本の社会主義運動」「現代日本の女性の書き手」「フォルモサの開発」（当時の日本は弁解しようもなく、巨大な力を持つ帝国だった）といったタイトルの特集記事に当時の社会背景が感じられる。
今回の再版は20世紀に日本社会が辿った軌跡と、今まで続く進化の道程を知りたい方には必読の内容だ。1928年と2019年（昭和天皇の子である平成天皇が退位し、令和天皇が即位した年）とを比較するのも興味深いだろう。
ケネス・ルオフ
米ポートランド州立大学 日本史研究教授、日本研究センター長 |
浮かび上がる昭和初期の日本
1928年11月に発行された「ジャパンタイムズ特集号」の紙面は、京都で即位した昭和天皇の写真とお祝いのメッセージであふれているが、その記事および写真、図表は、政治、軍事、経済、社会、文化、そしてその時代のイデオロギーなど様々な観点から当時の帝国日本を、詳細かつ包括的に伝えるものとなっている。産業、個別企業、貿易関係について例えば、「日本の労組運動」「日本の生活におけるキリスト教の影響」「日本における社会主義運動」「変わりゆく日本女性の地位」「日本における女性運動」など。植民地国家としての日本を、「韓国における進歩」「満州における日本」「満州における日本のねらい」「フォルモサ（台湾）の開発」などが伝えている。「大日本帝国憲法」と「京都で天皇が発布された教育勅語」は帝国日本のイデオロギー面を表し、昭和天皇と臣民との関係と今上天皇と国民の関係とを対比するものである。本書の歴史的に貴重な記事を通して、経済不安とアジアへの侵略という激動の時代に踏み出そうとしていた昭和の帝国日本を知ることができる。
川畑泰
全ジャパンタイムズ論説委員長（任期：2005年4月～2013年9月）
昭和天皇の即位
（上段）天皇皇后両陛下が伝統衣装に身を包んでいる。
（下談）1928年11月10日、東京-皇居前広場に集まった群衆が新しい天皇への忠誠を示した。
京都で行われた即位の礼：
伝統に則って京都御所で行われた即位の礼に関する詳細な記事と、東京の皇居前のパレードの様子。
世界各国の著名人から届いた祝賀メッセージ：
当時の英国首相スタンリー・ロバート・ランシング、マハトマ・ガンジーなど世界各国の著名人からお祝いのメッセージが届いた。
明治大正時代の日本の外交政策：
当時の日本外交について、特に陸奥宗光と小村壽太郎の外交政策について分析している。
変わりゆく日本女性の地位：
日本の社会、政治、法律、教育、国際的な分野における女性運動について。「近代日本をけん引する女性学者」と題して女性の小説家、教育者について書かれている。
日本の茶業：
緑茶の栽培、加工、そして輸出は重労働であったが、静岡県にとっては重要な産業だった。
帝国ホテルの広告：
東京にある帝国ホテルのフルカラー全面広告。当時の本館は建築家フランク・ロイド・ライトが設計しました。
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