デジタル伊能図【スタンダード版】ー歴史地図の新たな地平へ

人文社会系研究

デジタル伊能図【スタンダード版】ー歴史地図の新たな地平へ

学術情報販売促進本部 2020.06.04

江戸と現代－200年もの間から発見する時空の旅
世界にも例がない画期的地図データが登場！

伊能図とは何か

伊能忠敬とその測量隊によって日本で初めて作られた実測日本全図を「伊能図」という。約200年前に10次にわたり17年をかけて測量が行われた。最終的に幕府に上呈されたのが1821年の「大日本沿海輿地全図」である。大図（縮尺1/36,000）214枚、中図（縮尺1/216,000）8枚、小図（1/432,000）3枚と、「大日本沿海実測録」14巻から成っていた。本製品では大図と実測録をすべて収録している。海岸線、山景、湖沼、測量の測線、城廓、村落、寺社、地名などが正確に描かれている。

その後の伊能図が辿った歴史は数奇なものだった。江戸幕府に献呈された最終版は明治になって皇居火災で焼失、控え図も関東大震災で焼失した。模写本は全国各地に17図残されただけだった。しかし1997年に気象庁で43図の模写本が発見され、国立国会図書館に移管された。次いで2001年、アメリカ議会図書館から207図もの模写本が発見され、初めて伊能図の全貌が明らかになった。

デジタル伊能図【スタンダード版】監修：村山祐司（筑波大学名誉教授）

特徴

日本最古の全国実測測量地図を完全デジタル化！
全国（沖縄除く）を網羅、これ以上過去に遡ることのできない貴重な地図資料を完全デジタル化。世界的にみても例のない画期的データ。
伊能図（1/36,000）と地理院地図を重ねて200年間の国土の変遷が明らかに！
「伊能大図」214枚と「江戸府内図」2枚を完全デジタル化。注目の地理情報システムを駆使して精緻に比較可能に。海岸線、街道、自然地形、地名などの変化を体感。
伊能図地名36,000件をローマ字と共に網羅的にポイントデータ化！
全国の町村名、社寺名、山や河川などの自然地名など。伊能図地名、現代地名いずれからも検索が可能。郷土史研究・地誌研究にも貴重な基本データ。
「伊能忠敬測量日記」（2010年6月国宝）を本邦初のテキストデータ化し、かつ宿泊地とリンクして閲覧可能に！
約17年間・全28巻にわたる日記には、天候・測量内容・詳細な地名・移動時間・宿泊地・名所旧跡や、接遇にあたった諸藩の役人名などが記載。多角的研究のデータベース。
デジタル伊能図専用ビューアで重ね図操作、地名検索が簡単にできる！
伊能図・地理院地図・色別標高図の重ね合わせ、地名検索、測線の時系列化、画像印刷・保存も可能に。

キーワード

地理、歴史、地理情報システム（GIS）、地誌学、観光、歴史散歩、都市計画、町おこし、環境・ランドスケープデザイン、土木工学、土地利用の変遷、地震・防災・地盤、海岸工学、古気候学、新指導要領（2020年度）高校社会で地理必修化・GISの活用、など。

デジタル伊能図とは何か－歴史地図はここまで進化した！

デジタル伊能図とは何か

「伊能大図」214枚、「江戸府内図」2枚の完全デジタル化
－注目の地理情報システムを駆使して精緻に比較可能

重ね図も簡単に！伊能大図＋地理院地図

自在な検索機能　国宝・伊能忠敬測量日記も宿泊地とリンク

江戸から200年を繋いで、国土の移り変わりを体感！

海岸線の変遷

伊能図と地理院地図を重ね合わせると、埋め立てなどで海岸線が変化したことが手にとるようにわかる

ex.1 東京湾

ex.2 大阪湾

自然現象による地形や地盤の変化

ex.3 鹿児島県桜島

1914年の大正噴火で大量の火砕流が発生、関東に向かった溶岩流は海に達し、桜島と大隅半島が陸続きになった。

ex.4 福島県檜原湖

檜原湖の中を通る測線。1888年の磐梯山の山体崩落で旧街道は湖に沈んだ。

ex.5 埼玉県川越

伊能図・全国町村名・社寺名・自然地名すべてをポイントデータ化、地図上で江戸と現代の変化が明らかに。

伊能大図一覧｜各図紹介