Digital National Security Archive (DNSA)は、機密解除文書を中心にアメリカ政府の外交関連文書を収録するデータベースです。
重要な国家政策の形成・施行過程に関するアメリカ政府機関の文書を収集・公開する非営利団体、 The National Security Archive（NSA、アメリカ国家安全保障アーカイブ)とProQuestの協力の下、NSAの所蔵文献の中から特に重要な文献を選び、学術研究向けに編纂して提供します。
データベース化に際しては、情報公開法を積極的に活用してより包括的に資料を入手し、最新の機密解除文書を多数収録しています。 収録する資料は、NSAが選抜した専門委員団が明確な選定基準に基づいて選定し、さらに、学術利用に耐えうる書誌索引情報を付与しています。（提供元：ProQuest）
日本とアメリカ・２：外交、安全保障と経済、1977年-1992年
カーター、レーガン、ブッシュ（父）政権時の、対日本アメリカ政策に関する資料を1,700点収録します。各大統領と歴代日本首相とのサミット関連資料、日本の貿易障壁について記された アメリカ通商代表部(USTR)の覚書、湾岸戦争での日本の貢献に関するアマコスト前駐日大使からの外電など、 当時の主要な外交・経済・安全保障問題の研究に新たな視点を与える、貴重な一次資料群を提供します。
また収録対象時期は冷戦後期から冷戦終息後であり、冷戦後を見据えてアメリカが新たな世界とのかかわり方を模索していた時期です。冷戦の影響を受けつつも、アメリカが日本を含む対東アジアに対して取った、経済・安全保障政策の詳細を調査することができます。
トピック例
- アメリカ各大統領と日本首相によるサミット
- 東海村における原子力再処理施設へのアメリカの懸念
- 韓国におけるアメリカ軍の配備と縮小
- 日米安全保障条約
- 日本の防衛政策へのアメリカ政府の関わり方
- 自動車を含む、対日貿易政策
- 湾岸戦争と日本
- 北朝鮮の核兵器の脅威
収録文書例
- Vice President Mondale-Prime Minister Fukuda: Conversation II (1977)
カーター大統領の就任式から間もない時期に開催された、アメリカ副大統領のWalter Mondaleと福田首相との公式会談の記録です。韓国に駐留するアメリカ軍の縮小や、日本、中国、台湾を含むアジアの安全保障が議題に上がっています。
- [Conversation of Harold Brown and Sunao Sonoda; Page 3 Missing] (1978)
国防長官であるHarold Brownと外務大臣である園田直による会談の記録です。日本の軍備の増強、台湾における中国の脅威、北京における緊張の高まり、朝鮮半島の状況など、あらゆる安全保障の話題が取り上げられています。
- [Meeting between Treasury Secretary Regan and Finance Minister Watanabe; Incorrect Date on Document] (1981)
財務省長官であるDonald Reganと財務大臣（旧大蔵省）である渡辺美智雄による会談の記録です。防衛費の増額と、日本車のアメリカへの輸出に関して対策をするよう、アメリカが日本に圧力をかけていることが窺えます。
- Japanese Defense Efforts [For Visit of Prime Minister Suzuki to U.S.; Includes Talking Points] (1981)
国防長官であるWeinberger Casparが鈴木首相を訪れた際の報告です。Weinbergerは日本に防衛費を増額するよう圧力をかけてきましたが、アメリカの過去のアプローチが失敗に終わっていることを述べています。
- Japanese Trade Barriers (1981)
アメリカの通商代表であるWilliam Brockが、日本との貿易における障壁について分析・報告した文書です。貿易に関する日本の対応にも問題があることが示唆されており、それらを解決する方法が提案されています。
- GOJ Contributions and Gulf Crisis (1991)
アメリカ大使のMichael Armacostが、内閣官房副長官の大島友治に、湾岸戦争の日本の関わり方について提案した通信文です。中東における難民援助を、日本が主導することについて提案されています。
- Dealing with the North Korean Nuclear Problem: Impressions from My Asia Trip (1992)
国務長官であるJames Bakerが、北朝鮮による核の脅威に対する日中韓各国の立ち位置を要約した文書です。韓国の大統領である盧政権の安全保障担当者は、日本とロシアには朝鮮半島の政治問題には干渉しないで欲しいという要望を漏らし、各国の繊細な関係を調査することができます。
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